君の誕生日
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「バーカ。」
ゴールドに面と向かってそう言ってやった。
「は…!?」
「なにその答え。バカじゃないの。」
「…言っとくけど、本気だからな!」
ムッとした表情で言いのけた彼に、また呆れてため息をついた。
「ゴールドってバカすぎてたまにかわいそうになってくる。」
「なんだよそれ!すげえ腹立つ!シルバーみたいなこと言うなよ!」
「じゃあ…“もうバカすぎてアナタにはつき合いきれない”。」
「今度はクリスの真似かよ!つーか何気に似てるし!」
「バレた?」と笑えば、ゴールドの眉間にシワがよる。
あ、やばい。
ふざけすぎた?
「あのな、さっきの言葉、冗談とかじゃねえからな。」
「分かってるよ!それぐらい、ゴールドの表情みてれば分かる!」
「だったらバカバカ連呼すんなよ!」
「したくもなるでしょ。」
またため息をついた。
ああ、結構遅い時間だっていうのにまだまだ辺りは全然明るい。
空はちょっとオレンジに染まってはいるけど、完全に夜といえるのはあと数時間後だろう。
夏は日が延びるからなあ。
…こんなんじゃ、赤くなった顔ばれちゃうかもしれないのに。
あーあ、誰かさんが夏に生まれたせいで、全く…。
“誕生日プレゼントォ?”
“うん!いいの思いつかなくてさ。いっそ聞いて、ゴールドの好きなものあげたほうが喜ぶかなあって思って。”
“おー。いらないものもらっても困るしな!”
“憎まれ口はいいから!何がいい?”
“…なんでもいいのか?”
“あー…まあ、常識の範囲内でね。あんまり高いものは買えないけど…”
“…、え…。”
“へ?なんて?”
“おまえがいい。プレゼント。”
“…は?”
「常識の範囲内って言ったのに。ほんと、バカなんだか…ら」
話してる途中で、腕をつかまれた。
思わず足を止める。
ゴールドと、目が合う。
「なあ、それって、遠まわしに断ってるってことなのか?」
真剣な目。
少し不安な様子で私の言葉を待ってる。
「そんなのも分かんないなんて、やっぱバカだよ、ゴールドは。」
「…。」
「私がバカって言ってるのはそこについてじゃなくて、誕生日プレゼントにそれを選ぶことについて言ってんの!分かる?」
「…わけわかんね。」
案の定の答え。
捕まれてる腕をふりはらって…
「へ…、」
逆につかんでやった。
グイッと引き寄せ、彼の耳元で言う。
「ゴールドの誕生日なのに、あたしを喜ばせてどーすんのって言ってんの!」
最後にちゃんと「バカ!」って付け足したところで、ぎゅっと前から抱きしめられた。
「!」
「周りくどいっつーの。あー焦った。」
「ゴールド、ゴールド。誕生日プレゼントっていうのはね、誕生日にもらうもんなんだよ?」
「主役がもらいたいときにもらえばいいだろ?」
位置的に見えないけど、ゴールドがニッと笑った気がした。
「…大事にしてね?」
「おー、するする。」
「ちょ…気の抜けた返事だな!」
「嘘。ぜってぇ大事にするから。」
「!」
照れ隠しに、彼の服の裾をつかんで続けた。
「ま、当然だよね。世界に1つしかないんだか「お前も素直じゃねえよなあ。」…!//」
「この状況、俺のこと好きだって一言言えば良かったのに。バーカ。」
まるで仕返しだと言わんばかりにそう言われ、ぎゅっと抱きしめる力が強くなった。
「…自分だって素直じゃないくせに。」
反抗してやったけど、耳まで真っ赤な今の私が言ってもさほど効果はないだろう。
ああ、
耳元でささやかれた彼の言葉が…熱い。
誕生日3日前。
(仕方ないから、私をあげる)
.