悲しい心
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「先輩って、けっこうさっぱりしてるんスね?」
ゴールドと付き合い始めて1週間。
唐突に、そんなことを言われた。
「え、そう…かなあ?」
「だって電話も遊びの誘いもいっつも俺からで、先輩からくれたことないし。」
彼は少し口をとがらせて言う。
「(言われてみれば…そうかも。)」
こんなこと言われたの、初めてだ。
たしかに私は、ゴールドに自分から電話したことも、遊びに誘ったこともない。
言われて気づいたってことは、無意識なんだろうけど。
それはやっぱり……、好きじゃないからなのかな?
だから、声を聞きたいとも思わないし、会いたいとも思わないのかな…?
「なんか俺、先輩に愛されてない気がする。」
はあー…とため息をつきながら、ゴールドはクッションに顔をうずめる。
ちなみに、今は彼の部屋でデート中だ。
“そんなことない!好きだよ?”
たった一言、そう言ってあげれば、彼はどれほど喜ぶんだろう。
きっとすごくすごく喜んでくれる。
「………。」
それなのに、言葉がつかえてでてこない。
「…先輩?」
ゴールドも不思議に思ったみたいで、顔を上げて、私の顔を不安そうにのぞきこんだ。
「私……、」
やっぱり、好きじゃない。
そう、心が叫んでいるのに、気がついた。
無視、できなかった。
自分自身の気持ち、分かったのに…。
「………私、ね。自分から誘うのとか苦手でさあ…。ごめんね?」
また、嘘をはいた。
1人ぼっちになるのが怖くて。
すがりついた。
「だからゴールドが電話くれたり、誘ってくれたり……本当に助かってる。」
私がそう言えば、ゴールドは笑顔になった。
「よかった!あんまり誘いすぎて、うざがられてたらどうしようかと思ってたんスよ!」
無邪気に。
本当に、無邪気に。
私のさっきの言葉、これっぽっちも疑ってないんだろうな。
本当だと、思ってるんだろうな。
「じゃあ、先輩!今度は海行きませんか!?」
ゴールドのまぶしいほどの笑顔を、直接、見れなかった。
ああ…、なんだか罪悪感でいっぱいだ。
堕ちて、そこは闇
(私は、本当にずるい)