スケートボード
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「黙ってるってことは図星ってことよね。」
ブルー先輩がしてやったりな表情を浮かべて、ニコッと笑った。
「でも、好きな女の子を不安にさせるような方法、あたしはどうかと思うけど。」
分かってる、そんなこと。
「あ、そうそう、ゴールド。イミテなら待っててもこないわよ。」
「え…?」
「今、グリーンとデート中だから。」
「は、何言って…?」
「あたし、思ったのよ。イミテは小さい頃から男の子はゴールドとしか関わってないんじゃないか、ってね。」
そりゃあ、小さい時から俺と一緒にいたし、イミテが他の男と仲良くしてるとこなんて見たことねえけど…。
「だから教えてあげようと思って。世の中にはいろんな性格の人がいることをね。」
だからデートを取り繕ってあげたのよ、とブルー先輩は得意げに言う。
「いつも一緒にいるのがゴールドだから、もしそれを恋愛感情と勘違いしちゃってたなら可愛そうでしょ?」
「そんな勝手な理由で…!」
「つべこべ言ってる暇があるなら、追いかけなさい。本当にイミテを好きだって思うならね。グリーン、優しいし紳士だしいい奴だから、イミテ、惚れちゃうかも。」
「そうなったら困るのはブルー先輩じゃないッスか。」
「その時はその時よ。正々堂々、イミテと勝負でもしようかしら。」
自信たっぷりな笑みとともに彼女は言った。
きっと確信してるんだ。
グリーン先輩はブルー先輩以外を好きにならないし、ブルー先輩もグリーン先輩以外好きにならないって。
なんかいいよな、そーゆーの。
「まあ後のことはさておき…、それでイミテが本当の気持ちに気づけるんなら別にいいと思うわ。」
ブルー先輩は、楽しげに笑った。
「……先輩、俺を試してるんスか?こんなやり方ずるいッスよ。」
俺が素直になれるかどうか、この人は試してる。
「あーら。好きな子を不安にさせること言う方がよっぽどずるいと思うけど。」
「………。」
俺が何も言えずに伏し目になったのを見て、ブルー先輩は穏やかにこう言った。
「2人はタマムシデパートにいるわ。早く行きなさい。」
俺はすぐさまスケートボードを脇に抱えると、返事もせずに駆け出す。
このままほっとくなんて冗談じゃねえ……!
「うふふ、少しいじわるだったかしら。まあ両思いだって教えちゃったらつまんないし、ゴールドとイミテなら平気ね。」
俺が見えなくなった後でブルー先輩がそんなことを呟いていたなんて、全く知らない。
あの後お昼を食べるために喫茶店にはいった私達。
もう何十分ここにいるんだろう?
食べ終わった私のミートソースとグリーンさんのボンゴレのお皿はだいぶ前に片付けられた。
お店に入った時はだいぶ混んでて席え空くまで10分ぐらい待ったけど、今じゃもう私達を含めて2、3組程度の人しかいない。
「小さい時は近所の男の子にモンスターボールとられて泣いたこともあるんです。あはは!バカですよね、私。」
「そんなことないだろ。むしろ泣いたほうがそいつも罪悪感がうまれると思うが。」
でもグリーンさんは文句も言わずに話しを聞いてくれて、おまけに話しの途中に私がほしい言葉をかけてくれるから、話しててあきない。
つい、話しこんじゃう。
「グリーンさんは優しいですね。ゴールドとは大違い。」
「そうか?」
ゴールドだったらこんなに親身に私の話し聞いてくれない。
「はい。大人っぽいし、気が利くし、何より女の子をナンパしませんもん。」
少し冗談っぽく言って笑ってみた。
ゴールドがグリーンさんのこと見習ってくれたら、どんなにいいだろう。
他の子に全く興味がなくて、私だけを見てくれたなら、どんなに幸せだろう。
想像してたら、苦しくなった。
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