アナタにとっての、あたし
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「使用ポケモンは1対1。どちらかが戦闘不能になった時点で終わりだ。」
「ああ。」
それぞれ指定の位置につき向かい合った。
ちなみにあんなにたくさんいた女の子達は、さっきの彼の「さっさと帰れ。」の一言が聞いたのか今は1人もいない。
「いけ、ライ!」
モンスターボールからライチュウのライをだす。
小さい頃からずっと一緒にいた、一番のパートナーだ。
彼はそれを見て少し顔をしかめる。
「先に手持ちを見せていいのか?」
「ハンデだよ、ハンデ!」
そう言ってあたしはニヤリと笑ってみせる。
これでもバトルは強いほうで、ジョウト地方のバッジはほとんど集めたんだからな!
こんな奴に負けるはずがないし!
「………。」
彼はその行動が気に入らなかったみたいで眉間にシワを寄せる。
そして「…頼むぞ。」と言ってボールを投げた。
現れたのは…
「は……?ゴルダック…?」
電気タイプのライに対して水タイプを出すなんて、こいつ、どういうつもりだ…?
「ハンデだ。」
「~…っ!」
彼は口角をあげ、余裕の表情を見せた。
いちいちムカつくやつ!
「返りうちにしてやる!後悔すんなよ!ライ『かみなり』!」
「ゴルダック、『どわすれ』。」
『10まんボルト』は当たったけど、『どわすれ』のせいでそんなに効いてなさそうだ。
「だったら攻撃力をあげるまでだ!『みがわり』に『じゅうでん』!」
「!『れいとうビーム』だ。」
分身が攻撃を防いでいる間に、ライ自身は威力をあげる。
「よし!『かみなり』!」
『じゅうでん』の効果で威力のあがった電気が放たれた。
これをくらったらさすがに動けないだろ!
でも、電気はゴルダックにあたることなく横にそれた。
「ゴルダック、『なみのり』!」
「ライ、避けなくていい!もう1回『じゅうでん』!」
水タイプの技ならたいしてダメージはうけないはず。
「『ボルテッカー』!」
水がひいたと同時に指示をだす。
『かみなり』は命中が低いけど、『ボルテッカー』なら安心だ。
「な……!?」
だけど攻撃はまたはずれた。
「ゴルダック、『はかいこうせん』!」
しかも技をだしたばかりで至近距離にいるライに、威力抜群の攻撃が放たれる。
「ライ!!」
パタリ、とライは地面に倒れる。
「戦闘不能だな。」
「く…!」
傷1つついていないゴルダックがボールに戻されて、あたしも歯を食いしばってライをボールに戻した。
一度も攻撃を当てられなかったなんて…!
「お前は、冷静さがなさすぎる。」
「……!」
彼はトントン、と2階への階段を登る。
「気づかなかったか?お前の攻撃は“当たらなかった”んじゃない“当てられないようにされていた”んだ。」
「え……?」
「ライチュウが技を放つ直前、俺のゴルダックは『ねんりき』を使って技の軌道を変えていた。」
「!そんな…!」
「それと、」と彼はさらにだめ押しをする。
「『みがわり』で体力が減った後の『ボルテッカー』は危険すぎる。もし攻撃が当たっても『ボルテッカー』は体力がさらにけずられるんだ。そんな状態で相手に近づくなんて、考えが足りない。」
「く……!」
「冷静になったうえでしっかり考えてから判断しろ。」
そしてあたしを鋭く見下ろし、冷たい口調でいい放った。
「敗北の理由は、トレーナーの判断力不足だ。お前自身が弱すぎる。」
心の奥までズシリと届いた、その重い言葉。
思わず拳を握る。
なんだ、これ―…
体の底から、
何かが湧き上がる
「……だったら、アンタが、あたしを強くしてくれよ。」
ゾクゾクする
乱れた吐息
(鼓動が早い―……)
(これが、あたし達の初まりだった)