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「ごちそうさまでした。」
喫茶店をでて私はぺこりとレッドに一礼する。
すっかりごちそうになっちゃった!
「いいって。その怪我、俺のせいだし…」
レッドは私の膝を指差して言う。
「いやー……私も悪かったしさ。」
というか私のほうが悪い気もする。考えごとしてたからぶつかったんだし。
「家まで送るよ。」
「!?いいよ!これ以上迷惑かけられないって!」
「遠慮すんなって。まだ痛いだろ?」
「大丈夫!じゃあね!」
このままだとレッドのペースに流されそう!と、そそくさと立ちさろうとしたら、腕をつかまれた。
「あの、さ…」
「え…」
「…。今日はつき合わせちゃってごめ んな。またな!」
「あ、うん…!ばいばい!」
レッドは片手を上げて爽やかにそう言うと、私とは逆方向に向かって歩き出した。
「…。」
一瞬だったけど。
つかまれた腕が…熱い。
「(なんで…)」
何かを言おうとしたときの、レッドの表情が頭から離れない。
「(どうして…、)」
そして、遠ざかる彼の後ろ姿を見て、ギュッと胸が切なくなるのは…
もう少し一緒にいたかったかもって、感じるのは…
「…。」
レッドは、カスミの好きな人なのに。
「え!?今度は喫茶店にいった!?」
「う、うん。」
次の日。学校で昨日のことをカスミに話したら、案の定彼女の表情がくもった。
「まあ別にいいけど。足の怪我のお詫びなんでしょう?それより怪我、大丈夫?」
「うん、もう平気だよ、ほら!」
私は椅子に座ったまま足をブラブラと動かしてみせる。
「よかったな。」
「「えっ?」」
よっ、と軽いノリで現れたのはなんとレッドで。
私もカスミも驚きのあまり一時停止。
「もしもーし?お2人さん?」
「レッド君!もう、急に現れないでよ、あーびっくりした…」
あははと笑うレッドを見て、私はあることを思い出しバックを探る。
「レッド!これ昨日の!ありがとう。」
そして、昨日のタオルを差し出した。
「どういたしまして……いっけね!休み時間終わっちまう!」
「なにか用事?」
「バスケの練習があるんだ。じゃあな!」
慌ただしく廊下を走り去るレッド。
「忙しいねえ。レッドも。休み時間も練習なんて休めないじゃん。」
思わず苦笑してしまった私とは対照的に、カスミは眉間にしわを寄せていた。
「?カスミ?」
「…練習ってことは、体育館よね。」
「そうじゃない?」
「この教室、体育館とは反対方向なのに…」
「ああ、そういえば…」
「…イミテに、会いに来たのかな。」
「へ…!?」
そう言われ、びっくりして変な声が出る。
私、に…!?
なんとなく昨日の一連を思い出して、顔に熱が集まるのを感じた。
「な、ないない!あ!タオル取り返しにきただけじゃない?」
笑い飛ばそうとする私を、カスミはジッと見ていた。
「カスミも、変なこと言う「イミテ。」
「は、はい!」
「…レッド君のこと好きになっちゃった?」
切なそうな顔で。
切なそうな声で。
カスミは言う。
「カスミ…、」
「そんなような顔してるんだもの。ねえ、そうなんでしょ…?」
悲しそうに私を覗きこむカスミ。
「……違うよ。」
好きじゃない。
そう、続けた。
「そう…ごめんなさい。変なこと聞いて。」
「ううん!」
好きじゃない、よ。
これっぽっちも。
レッドとは、最近仲良くなった友達ってだけ。
「…。」
それなのに、自分で言っておきながら胸が痛んだ。
もしかして、私…
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