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「…いつもこんな遅くまで練習してるの?」
「ああ。バスケ好きだからさ。」
彼はそう言ってまたタンタンと、ドリブルしてシュートを決める。
うーん…なんだか簡単そうに見える。
「ねえ!ボールかして?」
「え?君、バスケできるの?」
「ううん。体育の授業でやっただけ。でも何だかできそう。」
「…。」
「な、なにその目!これでもシュートだけは得意だったんだから!」
彼はクスッと笑い、「はい。」と、ボールを私にパスする。
完全にバカにされてる!
絶対きめてみせるんだから!
「…。」
でもけっこう距離がある。
私は、ボールを持ったままてくてくとゴールの近くに歩いていく。
だってドリブルは苦手なんだもん!フリースローしか自信がない。
そのまま、ジャンプしてシュートを放つ。
ガコンッ
「あー…」
ボールは見事、枠にあたって跳ね返った。
てんてん…とむなしく転がるボールを拾う。
「あははー…。むずかしいもんだね。はい。」
そう言って彼にボールをパスする。
…普通にパスを渡したはずなのに、距離があって一度バウンドしてしまったのもなんだかむなしいや…。
「でも普通の人より上手いと思うぜ。」
「うー…そんな慰めいりません…」
「いやいやマジで!もっとスナップきかせてやってみて。」
またボールをパスされた。
私はボールを見つめながら言う。
「…スナップってなに?」
「え、」
「専門用語使わないでよー!」
「えーと、スナップは手首の折り返しで…こんな感じ。」
くいくいっと彼が手首を曲げてみせる。
「…。」
それだけで入るワケないじゃない。
ふてくされてる私に気づいたのか、彼は苦笑して言う。
「だまされたと思って、やってみろって。」
「…。」
とりあえず言われた通りにやってみる、と…。
シュッ
「あっ……!!」
ボールはすっぽりとゴールにはいった。
「お!入ったじゃん。」
「や、」
「や?」
「やった!入った入った!!」
嬉しくなって、彼の方をふりかえって笑顔で言う。
「レッド君が教えてくれたおかげだね!ありがとう!!」
「!」
すると彼はおもむろに、転がってきたボールを拾い上げながら言った。
「レッド君…って、俺のこと知ってるんだ?」
「あ、うん。カスミがよく話してるから。隣の席なんでしょ?」
「あー、なるほど。君は?」
「ん?」
「名前。」
「イミテだよ。」
「イミテか!よろしくな!」
そう言って人なつこい笑顔をうかべる彼。
「よろしく。」
一応愛想笑いをしてあげよう。
「なあ…ところでさ。君づけで呼ぶの止めくれない?」
「えっ?じゃあ何て呼べばいいの?」
「普通にレッドでいいから。」
え、呼び捨て?
「君づけって何だか嫌なんだ。」
私が困った顔をしていたからか、レッドはそう説明を付け足す。
名前なんて、カスミが君づけで呼んでるから私もつい君づけで呼んじゃっただけなんだけどな…
本人が嫌って言ってるならそうするけど…でも、じゃあなんでカスミは君づけしてるの?
「イミテ?」
ま、彼も私のこと呼び捨てだしいいか!
「…分かった!レッド、ね!」
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