2分の1の確率
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
約束の土曜日。
大会の会場前で7時に待ち合わせ。
…のはずなのに、約束の時間を過ぎてもカスミが現れる様子はない。
もう7時30分だよ。試合始まっちゃってるよ。
「ごめん!イミテ!!」
ようやく現れたカスミは息を切らしていた。
「はあ…、なんで誘った張本人が遅れてくるの?」
「だってどの服着てくるか迷っちゃって…。」
「あーあ。髪も汗でぐちゃぐちゃになってるって。」
「え!?時間かかったのに!」
「もー!」とカスミは慌てて髪型を整える。
次いで、自分の着ているサロペットを確認し、この格好変じゃない?、と聞いてきた 。
ぷっ…完全に恋する乙女じゃん。
私は「可愛い可愛い」と適当な返事を返す 。
適当すぎて怒られるかなとも思ったけど…
「あー!!早く行きましょ!始まっちゃってるじゃない!!」
時計を見たカスミがそう言って慌ててかけだした。
忙しい人だね!全く!
会場内には結構な人数の人がいて、熱気と声援がすごかった。
私達は必死に人ごみをかき分け、なんとかコートが見える場所を確保した。
「あっ!いたいた!」
カスミの言葉につられコートを見ると、 忙しそうにコート内を駆け回るレッドの姿があった。
残り時間も後わずかというところで彼にパスが回る。
彼は上手くドリブルをし、相手を3人ほどすり抜けると…、そのままシュートをうつ。
ポスンとボールは吸い込まれるようにゴールに入った。
…と同時に試合終了の笛。
観客席からは大きな声援。
へー。バスケ、上手いんだ。
今のはちょっとかっこよかったかも。
これは彼のファン増えそうだな。
「イミテ?」
「ん?」
「なんかぼーとしてる……。まさか見とれてたとか言わないわよね!?」
「あー実は。」
「え!?」
「ぷっ。うそ。言わない言わない。感心してただけだよ。 」
「そう!すごいわよね!…ねえ、声かけにいかない?」
「はっ?私も?待ってるから行っておいでよ。」
「でも、1人じゃ恥ずかしいから…//ねっ?お願い!」
「…はいはい。」
私はこのカスミの「お願い!」というポーズに弱い。
小首を傾げるとか反則でしょ…!
私達は階段を降りて、控え用のスペースに向かう。
そこには服の襟を持って、バッサバッサと風をおくっている彼がいた。
ちょ…お腹見えてますけど。
完全に体育会系っぽい。
いやー…私、絶対に彼とは性格あいそうにないわー。
「レッド君、お疲れ様!」
そんな彼にカスミはタオルを手渡すためにかけよる。
私は…まあいっかここにいれば。と、少し離れた扉のところでその様子を見ていた。
「おー、カスミ!来てくれたんだ?」
「ええ!格好良かったわよ?最後のシュート!」
「へへ。さんきゅ!」
お礼を言われ、幸せそうに笑うカスミ。
「レッド!」
が、そんな幸せそうな時間もつかの間、横から栗色の髪の女の子が駆け寄ってきた。
「はい、お茶!」
「…あのさ、スポーツドリンクとかねえの?」
「こっちのが安かったのよ。我慢してちょうだい!それともいらない?」
「…。」
彼は何か言いたげな顔をしていたけど、彼女からペットボトルを受け取ると気持ちがいいほど一気に飲みほした。
「(あ、あの女の子、見たことある。)」
たしかブルーとか言ってたっけ?
容姿端麗でこの学校のアイドル的存在だから、あんまり他人に興味をもたない私の記憶にもすりこまれていた。
それにしても…本当に可愛い。
「次の試合はいつ?」
「あー、次は、」
2人が楽しそうに話し始めると、カスミが私の元にもどってきた。
「行こう?イミテ。」
「もういいの?せっかく来たのに。」
「うん。行こう?」
「……うん。」
カスミが今にも泣き出しそうな顔をしているから…、私はただ頷くことしかできなかった。
.