似たものどうし
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夜。…といってもそんな真夜中じゃない、夕飯を食べて、お風呂に入って、髪の毛を軽く乾かしてから、リビングのソファに座ってぼー、っとしていたとき。
携帯が鳴った。
『ブルーだ…』
こんな時間にどうしたんだろう、と思いつつ電話に出る。
「もしもし?」
『あ、イミテ?今外でてこれる?』
「今!?そんなまた急な…」
『イミテの家の近くの公園で待ってるわ。じゃあね。』
一方的に切られた電話。
やりきれない思いをおさえつつ、慌ててかけ直す。
…けど、留守番サービスにつながった。
これは…もう行くしかないじゃん!
というか呼び出したってことは今ブルーも外にいるってこと?
うわあ、遅れたら何されるか分かんない…。
お母さんに「ちょっとコンビニ行ってくる。」と適当な理由を言って外に出た。
数十分たってブルーが言ってた公園に到着。
お風呂あがりだから夜の風が少し肌寒い。
「あ、イミテ。遅いわよ。」
ブルーの声が聞こえて辺りをキョロキョロ見回すと、足を組んでブランコに座っている彼女がいた。
「急に呼び出すからでしょ!もー、私お風呂あがりなのに湯冷めしちゃうじゃん。」
「大丈夫よ。バカは風邪引かないって言うから。」
「ブルーさん、わざわざ来てあげたのに何その扱い。イミテちゃん泣いちゃうよー。」
泣き真似する私。
ブルーはそれを見て、ニヤリと笑った。
「…じゃあお礼に飲み物でもおごってあげるわ。」
「え、いいよいいよ!のど乾いてないし!悪いし!」
何よりさっきの笑みが気になる!
絶対何かたくらんでるときの顔だ!
「自販機がすぐ近くにあったし遠慮しなくていいわよ。」
「遠慮とかじゃなくて身の安全のため…」
「ココアでいいわね?」
「…はい。」
半強制的に私に返事をさせて、ブルーは「ちょっと待ってて」と言って向こうの方へ歩いて行った。
ブルーが帰ってくるまで暇だなあ…。
ちょうどその時、ふと目に入ったのはブランコ。
誰もいないのを確認してから座って、軽くこいでみた。
地面を蹴って、揺れて。
また地面を蹴って、揺れて。
ブランコなんて何年ぶりだろう。
風を全身にあびるのは、やっぱり気持ちいい。
小さい頃、よくブランコに乗ったけど、いつもそのままどこかにとんでいける気がしてた。
勢いで、風で、おされて、そのままジャンプすればどこまでも、どこまでもいける。
そんな気がしてた。
(そんなの到底無理だって、心のどこかで分かってたのに。)
自分がつけた勢いで、
後押ししてくるように吹く風で、
このまま、恋なんて気持ちもどっかにとんでっちゃえばいいのに―……。
ピリリリリ!
「!?」
突然、携帯の着信音が鳴り響いた。
え、私じゃないよね?
手ぶらで出てきたし。
それにしてはやけに近くで鳴ってる…
「あ。」
音の原因は隣りのブランコの上に置かれた携帯電話だった。
ブルーのやつ。忘れたいったのか、はたまたワザとなのか…。
まあ、人の携帯いじるの悪いし、そのうち切れるよね!
ピリリリリ、ピリリリリ
ピリリリリ、ピリリリリ
「……。」
ピリリリリ、ピリリリリ
ピリリリリ、ピリリリリ
「………だー!!しつこい!」
もう30秒以上着信音続いてるんだけど!一体誰なんだ!
こんな夜中にこれ以上鳴り続けたら、通りかかった人に変な子がいるとか思われそう…。
「…せめて、電話の相手の確認だけでも…」
私とブルーの共通の知り合いなら電話にでて、事情を話して、「今ブルーいないから!」っていってきれるし。
他人の携帯勝手に開けようとしてるけど、決していけないことじゃないよね、うん!
「ブルー、ごめん!」
思いきってパッと携帯を開けば、ディスプレイには“グリーン”の文字。
えー、グリーンって実はこんなしつこい人だったんだ。
…ここはそれだどブルーが愛されてるって言ったほうがいいのかな?
ピリリリリ、と相変わらず鳴り続けてる携帯。
よし、とにかくでよう。
ピッと通話ボタンを押した。
「もしもーし?グリーン?ブルーなら今いないよー。」
そう、軽く伝える。
でも返ってきたのは沈黙。
あ、急に私がでたからびっくりしたのかな…?
「グリーン?」
呼びかけてみる。
またしばしの沈黙の後、
『……イミテ……?』
声が返ってきた。
その声を聞いた途端、頭が真っ白になる。
全神経が携帯をあててる方の耳に集中して、熱があつまって、……私の名前を呼んだ声が、胸の中でこだました。
ドキリ、
胸がはねた
グリーンじゃない。
電話の向こうから聞こえた、レッドの声に…。
まさかの予想外
(何が起きた?)