似たものどうし
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「あーあ…クレープが。」
女の子の笑顔を見れたのは嬉しいけど、クレープを食べれないのはやっぱ悔しい。
「いいだろ?俺が買ったんだし。」
「まあ…そうだけど…。生クリーム食べたかった~!」
叫ぶようにそう言うと、目の前にずいっとクレープが差し出された。
バナナ生クリーム?
「え…?これ、レッドのじゃ?」
「ああ。やるよ。」
「い、いいよ!悪いし!」
「遠慮すんなって。もともと俺のクレープ、イミテにやる予定で、あの子にイミテのクレープあげたんだし。」
あ、そこまで考えてくれてたんだ…。
でもさすがにそれは、…気が引ける。
「そんなの…レッドに悪いじゃん!それに、そんなことしなくてももう1個買えば…、」
「俺、財布の中に後50円しか残ってない。」
「……あー、もう!じゃあ、私が買ってくるよ。」
1人でクレープ食べるよりはいいしね!
「イミテ、お金持ってんのか?」
「失礼なこと言わないでよ。お財布持ち歩かない女子高生なんていないでしょ。」
「え、ブルーはいつも持ってないぞ。」
「ブルーは周りに貢いでくれる人がいっぱいいるからでしょ。例外だよ、例外!」
美少女の特権ってやつだよね、羨ましい。
でも自分の彼女が他の男の子に貢いでもらってるって、グリーンがかわいそう…。
まあこの前グリーンにバレて以来、やってないみたいだけどね。
…って、そんな余計なこと考えてる場合じゃない。
私は気を取り直してバックからお財布を取り出す。
「えーと、1つ300円だっけ?」
……開けてびっくり。
「……。」
「イミテ。」
「うん。」
「50円玉1枚と、10円玉3枚…だな。」
「…そうみたいですね。」
お小遣い日前だったの忘れてたー!
全財産80円とか悲しすぎる!
これじゃレッドのあわせても足りないじゃんか。
「…いいよ。レッド食べて。」
「それじゃ意味ないだろ。もともとの目的がイミテを元気づけるためなんだから。」
「そう言われてもねえ…」
いくら図々しいのがとりえのイミテちゃんでも、それは遠慮しますって。
「んー…。じゃあほら、半分個するか!これなら問題ないだろ?」
「ええ!?」
「ほら、イミテ、まず一口。」
そう言ってレッドはクレープを無理矢理私に持たせた。
「え、半分こって……」
「ほら、早く。」
ぐい、っと私の手ごとクレープを顔に近づけられる。
ちょ、このままじゃ顔につく……!
やむを得ず、口を開けてクレープをパクリ。
「あ…美味しい!生クリーム!」
念願の生クリームに思わず顔が緩む。
イチゴじゃないけど、まあこっちもおいしいからいいか。
「イミテってデザート食べる時、すげー幸せそうな顔するよな。」
「え?そう?…まあ、美味しいもの食べれば自然とそうなるもんでしょ!」
「だな。俺、イミテのその顔好き。」
「へ……!?//」
驚いてレッドの方を見ると、空を見ながら「あー雨降りそう。」とか呟いてる。
やめて欲しいな、そういうの。
心臓に悪いよ…!
…レッドの言葉に少しでも期待しちゃった自分がうらめしい…。
「というか、イミテ。」
「ん?」
「俺も食べたい。」
レッドはそう言って、私の手ごと掴んで自分のほうに向けると、クレープをパクリと一口。
そして「お、うまいな。」っていつもの笑顔で笑った。
レッドの顔が近い。
まだ触れてる手からはレッドのぬくもり。
何、これ…
心臓がドキドキいってる。
顔が熱い…。
恥ずかしい。
「……っ!」
ボトッ
「は…!?イミテ、だいじょぶか!?わりい;そんなに驚くと思わなかった;」
思わず、クレープを落としてしまった。
顔が熱い、体が熱い、
触れてた手が熱い…
「服、汚れてないか?;」
レッドは慌てて私に聞く。
「…イミテ?」
レッドに顔をのぞきこまれて、
「……っ!」
私は駆け出してその場から逃げ出した。
「え、おい……!」
後ろでレッドが私を呼んでる。
でも、振り向けないよ。
慌てて離した手
(おかしいよ、私)
(今まで通りが、できなくなっちゃった)