似たものどうし
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「おんなじようなもんだろ?」
「チョコレートと生クリームは全くの別ものです!レッドってば女心が分かんないんだから!」
「めんどくさ!そんなの分かりたくもねえし!」
私達は今公園のベンチに座って、クレープ片手に言い争そっている。
目の前では小さい子達が仲良く遊んでるっていうのに、ね。
でも許さないんだから!
喧嘩の原因は今私達が手に持っている、クレープ。
さっそく帰り道、クレープ屋によった私達。
レッドが買いに行ってくれたから、私は近くのベンチに座ってイチゴ生クリームのクレープを期待してウキウキしながら待ってたんだけど…。
帰ってきたレッドの手には自分のぶんのバナナ生クリームクレープと、私のぶんの…イチゴチョコクレープ。
「チョコじゃない!生クリーム!生クリームなの!」
「たいして変わんねーよ!イチゴはいってるし。」
「変わるよ!チョコレートは逆立ちしたって生クリームにはなれないんだよ!」
「そりゃそうだ。ほら、食べようぜ。」
「うん。………って、ながすなー!!」
危ない、危ない。
レッドのペースに巻き込まれるとこだった。
「もー!レッドのバカ!」
「何でだよ!ちゃんとイミテが伝えないのがいけないんだろ!」
「それぐらい察してよ!私達、何年一緒にいると思ってんの!?」
「んー…、小2の時に初めて同じクラスになったから……10年ちょいくらい?」
「お、正解。……じゃなくて!」
あー!もう!
さっきからこの流れにつられちゃいそうで怖い!
「とにかく生クリームじゃないと嫌だから!」
「じゃあいいよ。俺が両方食べるから。」
「え、いや…それはさすがにきついんじゃ…。」
「全然平気。甘いの苦手じゃないし。」
そうしれっと答えたレッド。
そう言えばレッドって甘いもの好きなんだっけ。
男の子のくせに「ケーキバイキング行こうぜ!」とか言う人だったっけ。
やばい、これはマジでやりかねないぞ。
「嫌、死んでも渡さない!」
「さっきと言ってること違うじゃんか!認めないとか言ったくせに!」
「う……認めないけど、返さない!」
「めちゃくちゃだな、おい。」
「ふ、ふんだ!……ん?」
突然、服の裾をひっぱられる感じがした。
視線をそっちに向けると、5才くらいの女の子がポツンと立っていた。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん!」
「は、はい…?」
「喧嘩しちゃダメだよ!いい子にしてないと、園長先生に怒られちゃうんだからね!」
「「………」」
え、なに?このかわいい子。
可愛らしい単語が聞こえたんだけど。
あれ…でもちょっと待って。
私達、こんな小さい子に怒られてない?
「はい、仲直り!」
そう言って、女の子は唖然としている私達のクレープを持ってないほうの手をひっぱって、無理矢理握手をさせた。
「ぷ…あはは!」
かわいい行動に思わず笑ってしまう。
「はは!」
レッドもつられて笑いだした。
「よかった!お兄ちゃんもお姉ちゃんも笑顔になった!」
にっこりと笑う女の子。
うわあ!本当、かわいすぎる…!
するとレッドがベンチから立ち上がって、少し腰をかがめて女の子に話しかけ始めた。
「君、1人?お母さんは?」
「お買い物してる。だからここで待ってるの。」
「そっか。クレープ好き?」
「うん!大好き!」
レッドはそれを聞いて笑うと、「クレープ貸して。」と私に言ってきた。
意図がつかめなかったけど、とりあえず手渡す。
そしてレッドはそれをそのまま「あげる。」と女の子に差し出した。
えー!?それ、私のなんですけどー!
「もらっていいの?」
「ああ。いいよ。まだ食べてないから。」
「よくない!私のクレープ……」
言いかけたところでレッドに口をふさがれた。
「いい子にしてないと園長先生に怒られちまうぞ?」
「~…!//」
そう言ってニッと笑うレッド。
かっこいいな、コノヤロ!
……ダメだ、私、壊れてきてるみたいです。
レッドが女の子の頭をなでると、女の子は「ありがと!」と言って、クレープを片手に走っていった。
すごく嬉しそうな笑顔で。
それを見てレッドも嬉しそうに笑ってた。
脳内生活ライフ
(将来レッドと結婚したら)
(子供の面倒よくみてくれそうだなあ、なんて。)