似たものどうし
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勢いよくカーテンが開いて、私はバッチリその人と目があってしまった。
慌てて背中を向けて目をそらす。
何でこんな時にくるの、レッド…。
「イミテ!大丈夫か!?」
「信じられなーい。いきなりカーテン開けるなんて、プライバシーの侵害だよ?」
「え、ああ、わりい…。急いでたから、つい…。」
「で、何の用?私、寝たいんだけど…。」
泣いた後の顔なんて見られたくないから、あえて冷たくあたる。
レッドはそんな私の気持ちを知ってか知らずか、「なあ、こっち向けよ。」とか言ってるし…!
「…今はほっといて。」
「ほっとけるわけないだろ!」
「どうして…?」
「どうしてって…イミテが泣くことめったにないから心配だし……、俺達友達だろ?」
“友達”
今までならそれで満足してたのに、今はその単語がすごく切なく響く。
友達ってさ、やっぱり恋愛対象にはならないってこと……?
「~…!」
また涙がでそうになって、私は勢いよく布団をかぶる。
ねえ、ブルー。
なんか私、恋に気づいたその日に失恋しそうだよ。
「お、おい…。」
「あーもう!レッドなんて知らない!ほら、早く行かないと授業始まるよ?」
私がそう言ったと同時に、タイミングを見計らったかのようにチャイムが鳴った。
「あ、授業始まった。」
「だから言ったのに。」
「まあいいや!俺もサボろーっと!」
「……っ!」
布団をかぶってて見えないけど、なんだか目の前にレッドのニカッと笑った姿が映しだされたみたいだった。
こんなにも、たやすく想像できるのは、それだけ長い時間一緒にいたから?
……ううん、きっと、それだけ心の中でレッドを強く思ってるから。
今更かもしれないけど、私ってレッドのこと本当に大好きなんだなあ…。
「イミテ、話ししようぜ。」
「いーやーだー!私に構ってる暇があったら数学の公式の1つでも覚えたほうがいいよ!レッド赤点ギリギリなんでしょ?」
「な……!今言うことか!?」
その口調から焦ってるレッドの様子が簡単に想像できて、これはこれで笑える。
ふと、静寂があたりをつつんだ。
「……イミテが泣いてると、俺まで元気なくなる。」
ずるいよ
そんな寂しげに言われたら、観念するしかないじゃん。
「………。」
ゆっくりと布団からでれば、レッドが私に向かって笑いかけた。
「……何で泣いてたんだ?」
「…教えない。」
「俺のせい?」
「……まあ、ある意味そうなるかも?」
私の言葉にレッドは苦笑しながら頬をかいて「心あたりないんだけどな…」とつぶやいた。
そりゃあそうだよ。
私が勝手に恋して、勝手にもやもやして、勝手に傷ついてる、勝手に泣いてるだけだもん。
正直言うと、レッドは何も悪くないし。
「どうすっかなー…。あ!じゃあ、今日の帰り、クレープおごってやるよ!」
「え……?」
「ほら、公園にクレープ屋あったろ?イミテ、確かイチゴクレープ好きだったよな?ほら、だから元気だせ!」
そう言って素晴らしいほど満面の笑顔を見せたレッド。
食べ物でつろうなんて、小さい子供じゃないんだから…。でも、レッドらしいや。
「……分かった。イチゴアイスクレープね。」
「何ちゃっかりトッピング追加してんだ。」
レッドが呆れた顔して笑った。
よかった。
私、もう、いつも通りだ。
「なんか元気でてきたかも。」
「そりゃあ良かった。」
ああ、やっぱり、レッドの隣は居心地がいい。
平行線をたどる日々
(やっぱりもう少しだけ、このままの関係で)