似たものどうし
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売店についた時にはもう生徒がたくさん群がってたけど、ギリギリのところでメロンパンをゲット!
「よかった~…。」
ほっ、と息をついて思わずメロンパンに頬ずりする。
どんなにこの瞬間を待ち望んだことか!
さ、早く戻って食べよーっと!
「ねえ、イミテちゃん…よね?」
「へ?」
聞き慣れない声に顔を上げれば、知らない女の子が立っていた。
きれいなオレンジ色の髪の毛のその子は、きょとんとする私にニコッと笑いかける。
「う、うん…。そうだけど……。アナタ、誰?」
たぶん初対面。
いや、私記憶力悪いから忘れてるだけかもしれない…。うーん…;
「私、隣のクラスのカスミって言うの。よかったら少し話ししない?」
「え、あ、うん。」
名乗ったってことはやっぱり初対面だよね!
悪い子じゃなさそうだし断る理由もなかったから、とりあえず頷いといた。
その子…えっと、カスミちゃん?…、の後についていくと着いたのは裏庭。
カスミちゃんはキョロキョロとあたりを見回し、人がいないのを確認すると私の方を振り返った。
「……あのさ、イミテちゃんって、レッドくんと付き合ってるの…?」
何の前触れもなく、いきなり本題へ。
「……………え?」
なに?付き合ってるって言った?レッドと私が?え、なに?
やばい、頭がついていかない。
というか急すぎるし、ずいぶんストレートに聞いてくるな、この子;
「えっと、その……付き合ってはいない、よ?;」
とりあえずそう事実を答えると、カスミちゃんはパアッと明るい表情になった。
「そうなんだ!よかった…!いつも一緒に帰ってるからてっきり…。あはは、ごめんね、急にこんなこと聞いて。」
「う、ううん…。」
待って、
そんなこと聞くってことは……。
「カスミちゃんって、さ…レッドのこと好きなの?」
いくらこういうことに疎い私でも、さすがに感づく。
するとカスミちゃんは少し頬を赤らめて「ええ」と頷いた。
チクリ、
(あ、れ……?)
「じゃあ、それ聞きたかっただけだから。お昼の時間邪魔してごめんなさい。」
「ううん、平気。」
「ありがとね。」
「うん。」
カスミちゃんは笑顔で手をふって教室に戻って行ったけど、なんだか私はその場から動けなかった。
なんで、かな?
私とレッドはただの友達で
恋人同士とかそんな関係じゃなくて
でも何か今、何となく、
嫌だった
カスミちゃんがレッドのこと好きだって知って…嫌、だった
2人が付き合ってるとことか想像したら、胸がはりさけそうで、
レッドが遠くに行っちゃう気がしてすごく嫌で、
なんで?
どうしてこんな、
胸がズキズキ、ズキズキ
どうして、こんなにも
切なく感じるの……?
「……っ!」
私の中で何かがはじけたような感じがして、急いで教室に向かった。
ガララ!
勢いよくドアを開ければ、皆の視線がこっちに向く。
でも今はそんなの気にしてる暇なんてない。
いつも私とブルーがお昼を食べてる席に、もうグリーンとレッドは座ってて、皆お昼を食べてた。
「あ、イミテやっときた!遅かったじゃない。なにやってたのよ?」
「はは、メロンパン、間に合わなかったんだろ?泣きそうな顔してるぞ?」
レッドがそう言って、いつも見慣れてる優しい顔するから―……、
「~…っ!」
「え、お、おい?イミテ…!?」
「ちょ……どうしたのよ!?」
涙が、ポロポロ、ポロポロ。
本当に何も遮るものがないくらい、次々にこぼれおちていった。
好きかも、しれない
(こんな形で気づかされるなんて)