0話. 闇に溶けて消えた
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新たな冒険の先に
出会いは待っている
その運命は
偶然か、必然か
私はポケモントレーナーだから、バトルの時の感覚もいつの間にか身についていたらしい。
いつもとは違う気配、音、臭い。
ほんの些細な違いだけれど私にとってはそれは明らかな違いで、近くにポケモンがいることがすぐに分かる。
「(あ…)」
今も、ほら。空気が動いた。
良いのか悪いのか、オーキド博士の助手の研究員の方々はポケモン関係についての知識はすごくある代わりに実戦の経験は全くない人が多い。
だから今のも、気づいた人はここにいる数人のうち1人もいないだろう。
「む。イミテ。気づいとるか?」
「はい。」
そんな中、オーキド博士は過去にポケモンリーグ優勝経験があるほどの実力派だったこともあって、すぐに気配に気がついた。
しばらくしないうちに聞こえてくる、ずううんという地響き。
「こりゃあ大物じゃな。」
「皆さん、離れててください。」
地響きが聞こえる度にびくりと反応している皆(博士はトレーナーとしての血がうずいたのかハツラツとしていたけど)より一歩前に出て、モンスターボールを投げた。
出したのは、サンダースのサン。
今までいわ・じめんタイプにはラプラスのラプ、かくとうタイプにはピジョットのピジョで対応してたから、サンを出すのは洞窟に入って初めてだ。
本当は相性の良いタイプで応戦したいけど、そろそろラプもピジョもPPが尽きてきたから仕方ない。
姿は見えないけどズルズルと巨体を引きずる音がするから……イワーク、だな。
「ひい!」
相手の野生ポケモンの姿がぼんやりと見えたとき、その大きさに驚いたのか後ろからそんな悲鳴が聞こえた。
…私も、ポケモントレーナーじゃなかったらこんな反応してたんだろうなあ。
「あ!やっぱりイワーク!」
当然、怯みも恐怖も一切感じない。
相手の姿が完全に見えて、私は呑気にそんなことをつぶやく。
サンも余裕といった様子でイワークと対峙していた。
「イミテちゃん…!サンダースとイワークじゃ相性が悪い!さ、さっきのラプラスに変えないと…ひっ!」
びくびくしながらもアドバイスをくれる研究員さん。
それに対して笑みをうかべる。
「大丈夫です。このままいきます。」
「でも理論上はダメージが2倍に、」
「ワザを受けなければ問題ありませんよ。この子はスピード自慢ですから。…サン。」
サンに向き直り、名前を呼ぶ。
「一撃で決めるよ。イワークの、頭の付け根をねらって。〝でんこうせっか〟で近づいて〝にどげり〟、ね。」
欲を言えば〝こうそくいどう〟もできたら最高だったけど、そんなことしてる間に攻撃をくらったらたまったもんじゃないから我慢。
レベルもそんなに高くないしいけるとは思うけど。
サンは勢いよく走っていって、イワークの身体をかけのぼる。
イワークは驚きながら自分の尾でサンを払い落とそうとしてたけどスピードが全然追いついてない。
やがてサンは指示通り頭までたどり着いて…、〝にどげり〟を放った。
「……」
しばしの沈黙の後、グラリと大きな巨体が傾いてズウウン…と地面に倒れた。
「そんな…!一撃で!?」
「驚くことではない。勝因は効果がばつぐんなワザを放ったのと、ワザの当たりどころじゃな。」
「ワザの…!?あ!たしかに指示してましたね…!あ、もしかして、急所にあたった…!?」
「そのようじゃな。」
博士と研究員の人の会話を聞きながら、私はサンをボールに戻す。
そして振り返って言った。
「さあ、先に進みましょう!」
カントーからジョウトに行くには、結構険しい道のりをたどらなければいけないらしい。
それが今私達が歩いているこの道だ。
トキワシティから出発して、チャンピオンロードに通じる道を通ることになるから、野生ポケモンのレベルもまあまあ高い。
今は平地を抜けて洞窟に入って半分以上進んだところ。
そろそろジョウト寄りになってきても良い頃だけれど…。
あ、ちなみになんでジョウト地方を目指しているのかっていうと、博士がジョウト地方での研究を始めるから。
私はそのお手伝い!
…今はただの用心棒みたいな感じになってるけど、ちゃんと研究させてくれるって言ってたしね!
大丈夫、これからこれから!
ついでに博士は研究の他に、ジョウト地方でのラジオの出演も依頼されているらしい。すごいや。
「イミテちゃん、疲れたかい?少し休もうか?」
「いえ!まだまだ大丈夫です!」
考え込んでたのが疲れたように見えたのか、そう研究員の人が聞いてくれた。
本音を言うと多少無理してでも早く洞窟から出たいんだよね。
じめじめするし、薄暗いし、何より早くジョウト地方の目的の町に行ってゆっくりお風呂につかりたい…
「お。もうこの洞窟も終わりのようじゃな。」
「わ…」
バッ、と急に光が目に入ってきて、思わず手で遮る。
そのまま足を進めて洞窟から出たところで、目の前に広がったのは一面の草原と遠くにある大きな山との、広大な景色ー。
.
出会いは待っている
その運命は
偶然か、必然か
私はポケモントレーナーだから、バトルの時の感覚もいつの間にか身についていたらしい。
いつもとは違う気配、音、臭い。
ほんの些細な違いだけれど私にとってはそれは明らかな違いで、近くにポケモンがいることがすぐに分かる。
「(あ…)」
今も、ほら。空気が動いた。
良いのか悪いのか、オーキド博士の助手の研究員の方々はポケモン関係についての知識はすごくある代わりに実戦の経験は全くない人が多い。
だから今のも、気づいた人はここにいる数人のうち1人もいないだろう。
「む。イミテ。気づいとるか?」
「はい。」
そんな中、オーキド博士は過去にポケモンリーグ優勝経験があるほどの実力派だったこともあって、すぐに気配に気がついた。
しばらくしないうちに聞こえてくる、ずううんという地響き。
「こりゃあ大物じゃな。」
「皆さん、離れててください。」
地響きが聞こえる度にびくりと反応している皆(博士はトレーナーとしての血がうずいたのかハツラツとしていたけど)より一歩前に出て、モンスターボールを投げた。
出したのは、サンダースのサン。
今までいわ・じめんタイプにはラプラスのラプ、かくとうタイプにはピジョットのピジョで対応してたから、サンを出すのは洞窟に入って初めてだ。
本当は相性の良いタイプで応戦したいけど、そろそろラプもピジョもPPが尽きてきたから仕方ない。
姿は見えないけどズルズルと巨体を引きずる音がするから……イワーク、だな。
「ひい!」
相手の野生ポケモンの姿がぼんやりと見えたとき、その大きさに驚いたのか後ろからそんな悲鳴が聞こえた。
…私も、ポケモントレーナーじゃなかったらこんな反応してたんだろうなあ。
「あ!やっぱりイワーク!」
当然、怯みも恐怖も一切感じない。
相手の姿が完全に見えて、私は呑気にそんなことをつぶやく。
サンも余裕といった様子でイワークと対峙していた。
「イミテちゃん…!サンダースとイワークじゃ相性が悪い!さ、さっきのラプラスに変えないと…ひっ!」
びくびくしながらもアドバイスをくれる研究員さん。
それに対して笑みをうかべる。
「大丈夫です。このままいきます。」
「でも理論上はダメージが2倍に、」
「ワザを受けなければ問題ありませんよ。この子はスピード自慢ですから。…サン。」
サンに向き直り、名前を呼ぶ。
「一撃で決めるよ。イワークの、頭の付け根をねらって。〝でんこうせっか〟で近づいて〝にどげり〟、ね。」
欲を言えば〝こうそくいどう〟もできたら最高だったけど、そんなことしてる間に攻撃をくらったらたまったもんじゃないから我慢。
レベルもそんなに高くないしいけるとは思うけど。
サンは勢いよく走っていって、イワークの身体をかけのぼる。
イワークは驚きながら自分の尾でサンを払い落とそうとしてたけどスピードが全然追いついてない。
やがてサンは指示通り頭までたどり着いて…、〝にどげり〟を放った。
「……」
しばしの沈黙の後、グラリと大きな巨体が傾いてズウウン…と地面に倒れた。
「そんな…!一撃で!?」
「驚くことではない。勝因は効果がばつぐんなワザを放ったのと、ワザの当たりどころじゃな。」
「ワザの…!?あ!たしかに指示してましたね…!あ、もしかして、急所にあたった…!?」
「そのようじゃな。」
博士と研究員の人の会話を聞きながら、私はサンをボールに戻す。
そして振り返って言った。
「さあ、先に進みましょう!」
カントーからジョウトに行くには、結構険しい道のりをたどらなければいけないらしい。
それが今私達が歩いているこの道だ。
トキワシティから出発して、チャンピオンロードに通じる道を通ることになるから、野生ポケモンのレベルもまあまあ高い。
今は平地を抜けて洞窟に入って半分以上進んだところ。
そろそろジョウト寄りになってきても良い頃だけれど…。
あ、ちなみになんでジョウト地方を目指しているのかっていうと、博士がジョウト地方での研究を始めるから。
私はそのお手伝い!
…今はただの用心棒みたいな感じになってるけど、ちゃんと研究させてくれるって言ってたしね!
大丈夫、これからこれから!
ついでに博士は研究の他に、ジョウト地方でのラジオの出演も依頼されているらしい。すごいや。
「イミテちゃん、疲れたかい?少し休もうか?」
「いえ!まだまだ大丈夫です!」
考え込んでたのが疲れたように見えたのか、そう研究員の人が聞いてくれた。
本音を言うと多少無理してでも早く洞窟から出たいんだよね。
じめじめするし、薄暗いし、何より早くジョウト地方の目的の町に行ってゆっくりお風呂につかりたい…
「お。もうこの洞窟も終わりのようじゃな。」
「わ…」
バッ、と急に光が目に入ってきて、思わず手で遮る。
そのまま足を進めて洞窟から出たところで、目の前に広がったのは一面の草原と遠くにある大きな山との、広大な景色ー。
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