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強い想いは伝播する
だから私も、アナタのためにー…
四天王に襲撃された各地の町の復興作業もあらかた終わり、私達図鑑所有者はまたそれぞれ自由な行動をし始めた。
レッドはジムリーダー試験に向けてマサラタウンとトキワの森の中間辺りで自主トレをし始めて、グリーンはまた己を鍛えるために修行の旅。
私とブルーはというと、今日は2人でタマムシデパートでお買い物!!
完全に1日オフな日だ!
「約束の10分前!完璧~♪」
時計を見れば9時50分を差していて。
ちゃんと時間前に来れたことにホッと安堵のため息をもらす。
2人で遊ぶときって、意外とブルー、遅れてきたことないんだよね。
(ちなみに2人じゃないときは毎回おなじみと言っていいぐらい遅れてる!)
まあ、私のこと待っててくれるせいかナンパとかによく引っかかってるんだけど…
「あ。」
噂をすればなんとやら。
タマムシデパートの入り口で、ブルーと少し離れた場所で彼女を指差して何やらひそひそと話している3人組の男の人を発見した。
まさか、と思った次の瞬間には、「こんにちはー!」と語尾に星マークでもつきそうなチャラい感じで1人がブルーに話しかけていた。
「君、可愛いねー!なに?待ち合わせ?」
「ええ、そう。今から彼氏と、」
「ダメダメダメ!この子は私と今日1日遊ぶので他をあたってください!!」
いてもたってもいられず、バッと彼らを押しのけて、そのままブルーにギュッと抱きつく私。
ブルーがため息をついた気がする。
…気のせいだってことにしておこう!
「あ、なんだ。友達と待ち合わせしてたんだ。」
「ちょうどいいね。一緒にどこか行かない?2人で遊ぶより絶対に楽しいからさ。」
あれ…なんか引き下がる様子がない!;
「俺はこっちの女の子みたいな美人系が好みだけどさ、お前はその子みたいな可愛い系が好みだろ?」
「まあな~♪君、名前なんて言うの?」
「…。」
答えるわけがないだろ!って思いながら、無言を決め込む私。
どうしようって意味をこめてブルーに目配せするけど(もはやどっちが助けられるほうか分からない)、ブルーは楽しそうにただ笑っていた。
自分でなんとかしろってこと!?というか絶対面白がってるよね!?
……こうなったら、1人でナンパ撃退してやる…!
「ほら、名前。教えてよ~。」
「マサラタウンのイミテ、です!前回ポケモンリーグ準優勝の!!」
いきり立って声をあらげて言った。
ポカンとする男の人達。
よしよし、作戦成功!
え、やばくね?無理強いしたらポケモンバトルで返り討ちくらうんじゃね?…ぐらいにはなってるよね、きっと!
「(このすきに…)じゃ、私達急いでるんで!」
精一杯の爽やかなつくり笑いをうかべて、ブルーの腕をひいて立ち去ろうとする、と……
「おお~!すげえ!!」
「マジで!?あ!そういや、こっちは4位だった子じゃね!」
「あ…!!」
ブルーの素性までバレた!
「そのまま別れるのは尚更もったいないなあ!」
「え…」
「なんならポケモンバトルでもいいからさあ。遊びに行こうぜ!」
なんだかさっきより乗り気になってるー…!
あ、でもポケモンバトルはちょっとやりたいかも。
なんて考えが一瞬頭をかすめたとき。
「ぶっ…あははは!」
ブルーが盛大に笑い出した。
「…ブルー?」
「イミテがナンパ追い払おうとしたらどうなるのかと思って傍観してたけど、もうダメ!限界!アンタ、おもしろすぎよ!」
「おもしろいって、これでもこっちは必死に対応してたんだからね!」
「自分のこと易々と相手に教えちゃって、しかもむしろ悪化してるじゃない!あはははは!」
「…っ、」
事実になにも言い返せない。
でもそんな笑わなくてもいいのにっ!
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