0話.守れなかった
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信じてる
だけど不安が止まらない
信じきれない弱さが
もどかしくてたまらない
マサラタウンの北部にある高原。
快晴、青空!
今日は惚れ惚れするようないい天気だ。
レッドは大きな石の上にあぐらをかいて座って、そして私はその石に寄りかかるようにして座って、2人で話しをしていた。
「最近どうなんだ?」
「え?なにが?」
「ポケモンの保護施設のやつ。」
「ああ!うん!順調だよ。レッド、ライチュウがいた施設のこと覚えてる?」
「一番最初に行ったとこか?」
「そう、それ!そこのお兄さんが、今も他の施設にも連絡とって私のこと話してくれてるみたいで、依頼がくるの。」
人のつながりってすごいよね!
博士もいろいろ紹介してくれたり、面倒みてくれるし。
私の周りは良い人ばっかりでよかった!
「あとね、最近は、人が寄りつかなくなった場所に行ってみて、孤立してるポケモンがいないかどうか調べたりしてるんだ。」
「へ…?例えばどんなとこ?」
「えっと、汚染水が流れ出ちゃったままになってる工場とか。」
「は!?危ないだろ!それ!」
「でもそういうのって人間は危険だって簡単に分かるけど、ポケモンには分からないじゃない?やっぱり見殺しにはできないよ。」
「それに…」と、ベルトについたモンスターボールをレッドに見せるようにして続けた。
「この子達がいるから大丈夫!」
そう言うと、レッドは呆れたように苦笑した。
「ほんと、イミテは、」
レッドがそう言いかけたとき、
「うわあああ~!」
叫び声が聞こえた。
「!?」
声のする方を見てみると、やみくもに走っているポニータと、必死に身体につかまってふり落とされないようにしている人の姿が。
服装からして郵便屋さん…かな?
「ヒヒ~ン!」
元気よく鳴いたポニータ。
これはたぶん…怪我したとかおびえてるとかじゃなくて、ただ単にはしゃいでる感じの鳴き方だ。
「こ、こら!いい子だからおとなしく……。あ!あ…!危なーい!キミ達!気をつけ…。」
こっちに向かってポニータが走ってきて、あわてる郵便屋さん。
それとは対照的に私達は冷静だ。
「あ、こっち来た。」
「……。」
何も言わずにレッドがスク!と立ち上がった。
右手にモンスターボールを持ってるから、止めてあげるんだろうね。
レッドが何とかしてくれるみたいだし、私はゆっくり見物してよーっと。
ボールからでてきたのはフッシー。
すぐに〝しびれごな〟をくりだして、ポニータをマヒさせる。
力が入らなくなったポニータはがく!とその場に倒れた。
「(というか、このポニータかわいい!)」
私はポニータに近づいて、よしよしと頭をなでてやる。
するとポニータは気持ち良さそうに目を細めた。
か、かわいい…!!
「うわわうわああ。」
その一方で、ポニータが倒れた反動で空中に投げ出されちゃってる郵便屋さんが声をあげていた。
「地面にぶつかる!!」
彼は固く目をつぶるけど、当然そんな心配無用で…
「よくやったフッシー!」
フッシーの背中に咲いた花が優しく受け止めてた。
「よしよし。」
レッドも、しびれが消えて立ち上がったポニータを優しくなでる。
「…あ、大丈夫ですか?」
ポカンとしてる郵便屋さんに聞いてみた。
「いやいや、助かったよ。急にはりきって走り出すもんだから。思わずたづなを離してしまって。」
「ここマサラのきれいな空気はポケモンを元気にさせるからね!いつも以上に走りたくなったんだよな、ポニータ!」
レッドが郵便屋さんに説明している間に、もう1回ポニータをなでると、ブルルという声をだしてすり寄ってきた。
人懐こい!ホントかわいい…!!
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