正反対の視点から
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たとえ、
自分が傷ついたって
その代わりに
助かる命があるとしたら
私は迷わず
この身を捧げる
タマムシシティの近くにある森の中。
「(ここ…だよね。)」
目の前にある一軒の家と、右手に握りしめた写真を照らし合わせる。
うん、ここで間違いない。
「(よし…!)」
軽く意気込んで、扉をコンコンと軽くノックした。
「すいませーん。誰かいらっしゃいますかー?」
そう声をかけると、家の奥のほうから「は、はーい!」という声とバタバタという音が聞こえた。
「うわっ!お、落ち着け…!大丈夫だから!!」
「…!?」
バシャアアっていう水の音とか、ゴオオオっていう炎の音とか、他にも電気の音とか……いろいろ聞こえるんだけど大丈夫かなあ?;
「ごめん!今、手が放せないから入ってきてくれるかな?;」
「あ、はい。えっと…お邪魔します…」
控えめに扉を開けて、靴をぬいで家の中にあがる。
廊下を真っ直ぐ進んでいると、
「へ…!?」
部屋の中から〝みずでっぽう〟がとんできて、私の目の前を横切った。
「すいません!大丈夫ですか!?当たってませんか!?」
そのすぐ後に続くようにして部屋から、20代後半~30代前半ぐらいのエプロンをした男の人がでてきた。
「あ、はい…、大丈夫です。」
ちょっと戸惑いながら返事を返す。
「あの…、それで、君は…?」
「あ…、私、イミテって言います!オーキド博士に紹介を受けてお手伝いに来ました!今日から一週間、お世話になります。」
ペコッと頭を下げてそう言った。
実は、この前のポケモンリーグ入賞記念のパーティーでレッドに話したことを、パーティーが終わったあとにブルーとグリーンと博士にも話したんだ。
そしたら博士に『そういうことなら、わしの知り合いにポケモンの保護をやっているヤツがいるから、一度手伝いに行ってみてくれんかのう?』って言われたから…、早速手伝いにきた。
「!ああ!話しは聞いています!アナタがイミテさんですか…!」
なぜか驚いた顔をしたお兄さん。
「どうかしましたか?」
「いや…こう言っては失礼かもしれないですが……だいぶ若いなあと思いまして。」
「あー…」
お兄さんの言葉に、私は思わず苦笑を返した。
博士、私の年齢までは言ってなかったんだなあ…。
「うっわ!」
「ひゃ!?」
今度は私とお兄さんの間に、〝でんきショック〟が。
「ああ、もう!落ち着けって!」
お兄さんが慌てて部屋の中に入っていく。
私も半ばそれにつられて、部屋の中を覗くと……
「わ…!」
そこにはたくさんのポケモン達がいた。
ゼニガメにビリリダマにウツドンにリザードンに……全部で数十匹ぐらい。
今お兄さんが必死でなだめようとしているのは1匹のライチュウ。
「知らない人が来たんで、興奮しているんです。だいぶ時間がたつのに、こればっかりはどうも直らないみたいで。」
「……。」
「ここに来る人は皆いい人だって言ってるだろう?」
お兄さんは少々呆れたようにため息をつく。
ライチュウはその言葉に応えるかのように、ぷいっとそっぽを向いた。
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