本音を聞かせて
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6月。
梅雨が始まるこの季節。
今日も朝からじとじととした雨が降っていたが、今は降っていない。
どうやら『夕方には雨がやんで、過ごしやすい天気になるでしょう』という朝のニュースはあたったらしい。
【本音を聞かせて】
「ブルーさん、ありがとうございました!」
「楽しかったッスよ!」
「すいません、後片付けしないで…。」
「いいのよ!年下は遠慮せずに甘えとけば!」
さあ、サッサといきなさい!
そう言ってブルーはイエロー、ゴールド、クリスの3人を玄関まで押した。
ゴールドはすんなりと靴を履いて外に出たが、イエローとクリスは少々納得いっていないような表情を浮かべる。
「本当にいいんですか?今日の主役はブルーさんなのに…。」
「そうですよ。今日ぐらいゆっくり…。」
そう、今日―6月1日はブルーの誕生日。
皆で料理やらケーキやらを持ち寄って誕生パーティーをやった後なのだ。
ちなみに皆と言うのはカントーとジョウトの図鑑所有者。
……といっても、シルバーは用事が会って1時間ぐらい前に帰ったが。
そんな、ブルーにとって特別な日。
今日ぐらい皆に甘えてもいい気がするが、2人の言葉を聞いてブルーはクスリと笑った。
「アンタ達からはプレゼントももらったし、十分楽しませてもらったわ。」
「でも……、」
「お前は律儀すぎるんだよ!」
まだ何かいいたげなクリスの腕を掴んだのはゴールドだった。
どうやら一度玄関に出たはいいが、なかなか2人がでてこないから待ちくたびれて戻ってきたらしい。
「ブルー先輩がいいっつってんだから。しつこいと嫌われっぞ?」
「う……。」
クリスはゴールドに何か言いたげだったが、彼の言うことももっともだったので何も言えず、口を閉ざした。
「じゃあゴールド。2人のことよろしくね。」
「はい!クリスはともかく、イエロー先輩はちゃんと家まで送りとどけるッスよ。」
「ゴールド、それどういう意味よ!?」
「まあまあ2人とも。」
言い合う2人をなだめるイエロー。
そんな彼らの様子を見て、ブルーはクスッと笑うと「じゃあ、気をつけなさいよ。」と笑顔でドアを閉めた。
パタン。
ドアが締まり、ブルーはふう、とため息をつく。
―……礼儀正しいのはいいけど、あそこまで固いと逆につかれるわ。まあゴールドは少し図々しすぎるけど。
そんなことを考えながら彼女がリビングに戻ると、イミテがテーブルの上の食器を重ねていた。
「あー、レッド。そこの空いてるお皿とって。おいてくるから。」
「これか?ん。」
「ありがと。」
ブルーはぼんやりとその様子を見ていたが、彼女が後片付けをしていると分かると慌てて止めた。
「イミテ、いいわよ!あたしがやるから。」
「主役は休んでてくださーい。」
少しふざけて言ったイミテに、ブルーはまた頭を悩ませる。
クリスとイエローにもさっき同じことを言われ、ようやく解決したばかりだと言うのに。
「本当にいいって言ってるのに…。」
頬に手を当てながらブルーが小さくつぶやけば、レッドが眉をひそめる。
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