スケートボード
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『ちょ…!やだやだ!怖いって!』
『よゆうだろ、このくらい?』
『ほんと無理!ゴールド、変なとこでドジだし!』
『な…!失礼な奴だな!板物ならお手の物だっつーの!ほら、早く。』
『うー……。』
『しっかり捕まってろよ!それ!』
【スケートボード】
今何時だろう
ふとそんな疑問が頭の中にうかんで、洗い物をしていた私は思わず手を止めた。
窓から外を見れば太陽が西に沈みかけて、私の住んでいる町…ワカバタウンがオレンジ色に染まっている。
時計を見ようとした丁度そのとき…、ピンポーンとタイミングよくインターホンが鳴った。
でも特に急ぐつもりはない。
私は洗い物を再開する。
もちろんさっきと変わらないペースで。
最後のお皿を洗い上げて、手についた泡を洗い流し、よく拭いてから玄関に向かった。
訪問者をこんなに待たせるのはいかがなものか、と思う人もいるかもしれないけど、いいんだ。
だってこの時間にウチにくるのはアイツしかいないから。
ガチャっと鍵を開けた途端、訪問者によってドアが勢いよく開かれた。
「おせーよ!どんだけ待ったと思ってんだ!」
……ほら、やっぱり。
案の定、そこにいたのは明らかに怒った様子のゴールド。
「洗い物してたの。仕方ないでしょ?」
「……お前、どーせ俺だから急いで出る必要ないとか思ってんだろ?」
「うん。もちろん。」
「たく、洗い物より訪問者を優先しろよな!」
ブツブツと文句を言いながらふてくされている彼。
私は思わずクスッと笑う。
「ゴールド。今日、クリスにケーキもらったの。食べる?」
「…ああ。」
さっきまで怒っていた手前、少し恥ずかしいのか分からないけど、ゴールドは視線を合わせず返事だけしてズカズカと家の中に入った。
「もー!靴そろえてってよね。」
「あ、わりい。適当にやっといて。」
ゴールドは悪びれた様子もなくそう言ったから、私は少しため息をつきながらも、いつまでたっても変わらない彼の性格に苦笑してしまう。
ゴールドは毎日のようにこうやって私の家に寄る。
別に約束してるワケでも用事があるワケでもない。
毎日毎日、話(色違いのコラッタを見つけたなんていうくだらない話から、明日から一週間旅にでるとかいう大事な話までいろいろ)をするだけ。
こんなことが昔から続いてて、今じゃ当たり前になっている。
理由はただ1つ。
私達が幼なじみだから。
(そう、決して恋人同士ではなく、ただの幼なじみ)
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