僕らの恋模様
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マサラタウン。
普段は小さくて穏やかなこの町に、今日ばかりはキラキラとネオンの飾りが輝いていた。
【僕らの恋模様】
「レッド、アンタも災難よねー。誕生日とお祭りがかぶるなんて。」
白い花模様がはいった藍色を身にまとった少女―…ブルーが、腰に手をあてながら言う。
そんな彼女の様子とは対照的に、いつもの赤い服を身にまとった少年―…、レッドは明るく笑った。
「いや、俺はむしろ嬉しいぜ?賑やかで楽しいじゃんか!」
楽しいことが好きな彼らしい返答。
本人が気にしてないからいいけど、とブルーも苦笑した。
「それにしても…、もうすぐ約束の時間なのに…遅いわね―、あの子。」
ブルーは瞳を民家のほうに向ける。
どうやら待ち人がいるようだ。
「遅刻したら何おごってもらおうかしら?」
フンフンと鼻歌を歌うブルー。
「…うるさい女だ。」
ポケットに手をつっこんだままのグリーンは、お決まりの文句を呟いた。
バサッ、バサッ…、
ふと、上空から音が聞こえてきた。
しかもどんどん大きくなってくる。
「何?この音?」
「鳥ポケモンの羽音じゃないか?」
「これはおそらくピジョットの羽音だ。」
グリーンがそう言った直後、ブワッと激しい風が吹き、辺りには砂けむりがたちあがる。
「ギ…、ギリギリセーフ…?」
「…ほんとギリギリだけどね。あと1分遅かったら遅刻だったわよ、……イミテ。」
トンッとピジョットから降りてきたイミテと呼ばれた少女は、あははとバツが悪そうに笑った。
黒い布地に桃色と紅色の鮮やかな桜がちりばめられた、綺麗な浴衣に身を包んでいる彼女。
どうして浴衣というものは、こんなにもその人の印象を変えるのだろうか?
普段は可愛いといった言葉がぴったりな雰囲気の彼女だが、今日はそれはガラリと変わり少し大人っぽい。
「アンタねぇ…せっかく可愛い浴衣着てるんだから、もう少しおしとやかに登場できないの?」
「いやー…着崩れしないように歩いてこようと思ってたんだけど、浴衣着るのに手間取って時間なくなっちゃって…。」
そう言いながら彼女は先ほど自分が乗っていたピジョットをモンスターボールに戻した。
まったく…、とブルーはイミテの浴衣を軽く整える。
「ありがと、ブルー。」
にっこりと笑うイミテ。
そんな彼女の仕草に、レッドがドキッとしたのは、ここだけの話。
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