2分の1の確率
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友情?恋愛?
本当に大切にしなきゃいけないのは、どっちかな?
【2分の1の確率】
私の席は、廊下側の一番後ろ。
あんまり目立たないから授業中あてられることもないし、廊下側の壁によりかかれるし、昼寝するには最適の場所。
私って、なんて強運!
でもただ1つ、この席になって辛いことがある。
ほら、今日もまた…、
ガララッ
教室の後ろのドアが勢いよく開いた。
「ねえ、イミテ!聞いて、聞いて!!」
「はいはい!聞く聞く!!聞くから離して~……」
突然とびついてきた親友に、ため息まじりでそう返した。
彼女はカスミ。
カスミとはクラスが違うけど、休み時間に私のところに来ては、こうやって好きな人のことを楽しそうに話しているの。
絶賛恋愛中の今時の学生だ。
(え?私も同い年だろって?まあそうなんだけどね!)
私はあまり恋バナとかに興味もなく、ただカスミの話を聞いているだけ。
聞くぶんにはかまわないんだけど、ドアが近いからカスミが来たのが見えないのに、彼女は急にとびつくからいつもヒヤヒヤさせられる。
「今日もね、レッド君が………」
そんなことおかまいなしに、いつものように楽しそうに話し始めるカスミ。
彼女の好きなレッドという人は、明るくて元気で、皆のムードメーカー的存在らしい。
私は見たこともなければ話したこともなくて、全部カスミからの情報なんだけど。
この前の席がえで隣になれたってカスミが喜んでいたのはまだ記憶に新しい。
おそらくというか絶対というか…それのおかげで話す機会が増えたんだろうね。
カスミは毎回毎回、幸せオーラをムンムンと漂わせながら、私のところに報告にくる。
まあ、親友の楽しそうな顔が見れて、私も嬉しくなってるんだけどさ。
「……ってことなのよ。イミテ、今週の土曜日暇かしら?」
「え?」
「え?じゃないわよ。土曜日!」
全く聞いてなかった…!何の話だ?
…とりあえず返事しとこう。
「土曜日は暇だけど…」
「やった!じゃあよろしくね?」
「はっ?何が?」
「だーかーら!レッド君の試合!!レッド君、バスケ部でしょ?今週大会があるんですって!で、応援一緒に行きましょう?」
「はい?何で私が?やだよ、めんどくさい…」
「そんなこと言わないでよー!」
「嫌だ嫌だ!関わりない人のバスケしてる姿みて何が楽しいっていうのさ!」
「…でもイミテ。今、土曜日は暇だって言ったわよね?」
「い、言ったけど…」
「言ったわよね?」
「…。」
無言の圧力というものに負けて私が頷いたのは数秒後の話し。
我が親友ながら怖いです…
「ありがとう!イミテ!」
「…うん。」
カスミの笑顔を見ていると、まあいいかなんて思えてくるから不思議だ。
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