25話.友達じゃなくて
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
皆と同じことができない
それは、どんなに辛いことなんだろう
同じハズなのに、変わってることなんて、何もないのに
どうして―…?
《Aブロック予選1位通過イミテ選手!》
会場にアナウンスが響いて、ワーワーと観客達から歓声があがる。
目立つことはやっぱり慣れないけど、皆がこうして盛り上がってくれることは、祝福してくれてるみたいで嬉しい。
「イミテ!」
「え?…レッド!」
横から声が聞こえて、そっちを見ればレッドがいた。
その顔はやけに嬉しそう。
「予選通過したんだろ?おめでとう。」
「ありがと!その表情からすると…レッドも?」
「おう!もちろん!」
レッドはそう言ってニッと笑った。
「グリーンも予選通過したみたいだぜ!」
「そっか!グリーン強いから心配はしてなかったけど…よかったー!」
「これで俺もイミテもグリーンも予選通過だな!」
私がAブロックで、レッドがCブロック、そしてグリーンがDブロックの予選1位通過者か。
よかった、皆、順調に進んでるみたい。
「あ!そういえば、ブルーは?Bブロックはどうなったの?」
「へ!?ブルーもでてたのか!?ポケモンリーグ!」
「え!?レッド気づいてなかったの!?ブルーと一緒に私の応援してたよね!?」
「その時は全然その話にふれなかったからなあ。なんだ。ブルーの奴、イミテの応援するためにここに来たのかと思ったぜ。」
「ブルーもれっきとした選手の1人だよ。油断してると負けちゃうかもね。」
「……いや、ブルーには悪いけど、たぶんそれはないな。」
レッドが困ったように笑った。
「なんで?レッドだってブルーの強さ知ってるでしょ?」
「そりゃあ知ってるさ。何度か一緒に戦ったことあるし。でも、ここに来る前にグリーンが言ってたんだ。」
「なにを……?」
首を傾げれば、レッドは私に近づいて耳打ちをした。
「実は、ポケモンリーグの歴代優勝者は皆、マサラ出身のトレーナーなんだってさ!」
「…あ、うん。知ってる。」
それ、今日の朝ブルーに聞いた。
私が普通の反応だったのを不満に思ったのか、レッドはつまらないという顔をした。
「なーんだ。知ってたのか。」
「うん。知ったのは今日の朝だけどね。」
「まあ…つまり、優勝の可能性があるのは俺かイミテかグリーン…ってわけだ!」
「違うよ!ブルーも!だってブルーだって、マサラの……」
レッドのその言葉に、つい本当のことを言ってしまいそうになって、私は慌てて口をふさいだ。
「ん?」
「ううん!何でもない!」
これは、私が言っていいことじゃないもんね。
ブルー自身が、言いたい時に、聞いてほしい人にだけ言うべきなんだ。
「なんだよ。気になるなー。」
「とにかく!歴代優勝者の話はあくまで昔のことなんだから、油断しちゃだめだよ!」
「ちぇ。分かってるよ。」
すねたように返事をするレッドを見てたら、何だか笑ってしまった。
.