21話.不安定な残骸
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自分のことじゃなくても
アナタはいつも
一生懸命で
私はそれを
首を傾げて見ていたけれど
同じ立場になった
今なら分かる
考えるより先に
体が動いちゃうんだよね
「このへんはレベルの低いポケモンばっかだね、ピジョ。」
私の隣を飛んでいるピジョにそう話しかければ、困ったような笑いを返された。
今私達はマサラタウンからトキワシティへの道を歩いている。
この前博士に頼まれた、トキワの森の調査をするために。
少しはポケモンリーグに向けての修行にもなるかな、って思って、なるべく野生ポケモンがいそうな草むらを歩いてるんだけど…。
さっきからでてくるのはレベルの低いポケモンばっかり。
しかもピジョのレベルが高いことに感づくと、皆ささーっとどっかに逃げちゃう。
「博士の言ったこと…本当なのかな…。レベルの高いポケモンなんて見当たらないけど…。」
ここまで見事にいないとなんだか悲しくなってくる。
やっぱりもっとトキワシティの近くに行かないとダメ…?
「ピジョ、〝そらをとぶ〟で一気にトキワの森まで行ってくれる?」
私の言葉にピジョはこくりと頷いて、地面に降りて身をかがめた。
私はピジョを一撫でして、その上に乗る。
「よし、ピジョ!〝そらをと……、あっ!待って!ストップ!ストップ!」
ピジョの体が浮き始めて今にも飛ぼうとしてたのにそんな指示をだしたから、ピジョは驚いてドサリと地面に落ちた。
必然的に私も地面に落ちる。
「いたた…。ご、ごめん、ピジョ…。」
謝ると、ピジョは気にするなと言わんばかりにパタパタと翼を軽く動かす。
いい子だ…!
…って、感動してる場合じゃない!
「あそこに、何かいた気がしたの!ピジョ、ついて来て!」
私はそう言うと、一直線に走り出した。
「たぶんこの辺りなんだけど…。」
〝そらをとぶ〟を使おうとした地点から、数百メートル進んだ茂み。
さすがに何がいたかは見えなかったけど、さっきこの辺からほんの少し炎が見えたんだ。
ほのおタイプのポケモンかな…?
私はガサガサと茂みをかき分けながら進む。
でも自分以外の物音は全く聞こえない。
「うーん……。あ!ピジョ、見て!」
木の幹に炎で焼け焦げた跡がついている。
そっと触れてみた。
「熱っ…!」
想像してたより熱くて手を引っ込める。
これ…〝かえんほうしゃ〟の跡だよね?
「まだこの当たりにいるはず!ピジョ、いったんもどって!」
私はピジョをボールに戻して、メタをだした。
「メタ!ピクシーに〝へんしん〟!少しでも物音が聞こえたら教えて!」
メタはすぐさまピクシーになって、ピクピクと耳を動かす。
私も目を閉じて、耳をすませた。
絶対に、何かあるはず―……!
「モン!」とメタが鳴いて走りだしたから、あわててついて行く。
するとメタはガサガサッと、さらに深い茂みに入っていった。
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