16話.優しい思い
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私の知らないアナタがいる
それが、
なんとなく悲しくて
アナタに
近づきたいと思った
グリーンと再会して、ポケモンセンターに泊まった翌日。
「おはよ、グリーン!」
「遅い…」
「あはは…」
ポケモンセンターの待合室に行くと、すでにグリーンがいた。
実は昨日、どうせ海を渡るなら、途中まで一緒に行こうってことになったんだ。
グリーンが目指すのはグレン島で、私が目指すのはふたご島だから方角は一緒だしね。
ポケモンセンターをでて、海に行くためセキチクシティを歩く私達。
…すれ違う女の子達がさっきからふりかえってるのは気のせいじゃないよね、うん。
少し耳を傾ければ、
「……あれ、グリーン様じゃない?」
「キャー!ホントだわ!」
とか聞こえてきた。
「…あの隣りの女、誰!?」
うわ!今、ものすごくにらまれた…!
「グリーンって有名だね。もはや芸能人なみじゃん。何人ファンがいるんだろ…。」
確かにグリーンって、かっこいい顔してるけど…、この人気はすごすぎでしょ;
ファンクラブとかありそう。
いや、むしろないほうがおかしいか…。
「…興味ない。」
私の質問に、あっけらかんとそう言ったグリーン。
「はあ…。モテる男は言うことが違いますねえ…。若いなあ…。」
「お前、まだ寝ぼけてるのか?年寄りくさいぞ?」
「なっ…!寝ぼけてないよ!思ったことを言っただけ!」
年寄りくさいとか失礼だな!
「あの子、グリーン様に口ごたえしてるわよ!」
「何なの?信じられない!」
また女の子達がひそひそと騒ぐ。
あー!もう!気疲れする!!
「……なんかさ、グリーンの隣り歩くのって、ものすごく体力と勇気がいるよね…。」
「なんだ、急に…。」
「だってグリーンと一緒にいると、私が妬まれるんだもん!」
はあ、と思わずため息をつく。
「…そういえば、お前…レッドと旅してたんじゃないのか?」
「あ、うん!してるよ。でも今は別行動中!ふたご島で待ち合わせしてるんだ。」
「?」
「んっと、レッドはディグダの穴に行ったんだけど、私は洞窟が嫌だから先に進んで待ってることにしたの。」
「洞窟が嫌って…めずらしい奴だな。」
「うーん…別に洞窟自体はそこまで嫌いってワケじゃないけど…。ディグダの穴って長いじゃん?それに二ビシティのほうまで戻るのめんどくさいし。」
「まあ…な。」
「あと、何よりお風呂入れないし!」
そう言うとグリーンはしれっとした目で私を見た。
お風呂に入れるか入れないかって、私にとってものすごく重要なのに…!
そんな目しないでほしいな!
「しかし…そこまでしてアイツはディグダの穴に行きたいのか。」
「あはは。まあ、レッドだしね。どんなポケモンがいるか見たいんだと思う。」
根っからのポケモン好きだもんね、レッドは。
私もポケモン大好きだからあんまり人のことは言えないけど。
「………。」
「?なに?」
グリーンが急に黙り込んだから思わず首をかしげた。
でもグリーンはしかめっ面をうかべたまま、何も反応しない。
「(変なの…)あ…!」
ふと、海独特の潮のにおいが鼻についた。
いつの間にか町をぬけて海に着いてたみたい。
やっぱり海は気持ちいいなあ。
おまけに今日はいい天気だし、なんだか心が晴れ晴れする。
「海!グリーン、着いたよ!」
さっきまでのグリーンのファンのこととか、黙り込んだ理由とか忘れて、ダッと砂浜にかけだした。
「(単純なやつ…)行くぞ。」
「うん!」
私はラプに、グリーンはゴルダックに乗って、それぞれ〝なみのり〟を使って海をこえた。
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