15話.不機嫌な理由
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私はアナタじゃないから
その想い
分からないけど
アナタが
打ち明けてくれれば
ちゃんと
受け止めるから
腕組みをして芝生の上に座り、うーん、とうなりながらタウンマップとにらめっこしているレッド。
「はあ…」
私はわざと聞こえるようにため息をつき、レッドの手からタウンマップを取り上げた。
「あ…!」
「もー、まだ悩んでるの?」
「だってイミテは洞窟行きたくないだろ?」
少しふてくされて口をとがらせるレッド。
「うん。でもレッドは行きたいんでしょ?ディグダの穴。」
「…ああ。」
私達が悩んでいるのは、次に行く場所。
今になってディグダの穴に行っていないことを思い出して、レッドはひきかえそうとしたんだけど…。
私は洞窟よりこの先にある海のほうに行きたくて、「このまま先に進みたい」ってハッキリ言ったら悩ませちゃったみたいで。
もう何十分も前からこんな状態が続いてる。
「だからさ、別々に行動してまたどっかで待ち合わせすればいいじゃん。」
「それは絶対ダメだ!……1人の時何かあったらどうすんだよ。」
「え、なに?」
「なんでもない!」
「?」
…こんなやり取りも、何回続いたんだろう。
たぶんレッドはタマムシシティで私がいじけた時のこと、まだ気にしてるんだと思う。
だからこうやって、なるべく一緒に行動できるように考えてくれてるんだよね、きっと…。
「ねえ、レッド。」
「ん?」
「私に気使わなくてもいいよ?」
「?別にそんなこと…」
「確かに私、前にいじけたことあったけど、だからってレッドが遠慮することはないと思う。お互い好きなことするのが1番でしょ?」
もうレッドのこと信じることにしたから、離れてても大丈夫。
それに、遠慮とかしないで、お互いに何でも言い合える関係になりたいんだ。
「(なんか違うけど…)好きなことするのが1番、か…。まあ、そうだな。よし!じゃあ、俺はディグダの穴行ってくる!」
レッドは意気込んで、スッと立ち上がった。
「うん!私は先に進むから…、うーん…ふたご島で待ち合わせでいい?」
「おう!なるべく早く行くから!」
「へ…?いいよ、ゆっくりで。」
「(心配だから言ってんのに…)……。」
「じゃ、また後で!」
「ああ。」
こうして、私達は一旦別々に行動することにした。
手をふり、お互い反対方向に進む。
「……あ。」
しばらく進んでから気づいたんだけど、レッドって〝なみのり〟が使えるポケモンないよね?
ふたご島…、海渡らないと行けないけど平気かな?
…まっ、いっか。
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