Short Novel
現世の町を、一護、ルキア、日番谷、乱菊、恋次、一角、弓親
「あ~あ!お腹減ったぁ~」
それは、乱菊がそう言った事から始まった。
「ねぇ、一護!なんかおいしい物が食べたい!なんかこの辺でない?」
「おいしい食べ物って言われても・・・」
乱菊の好きな食べ物を知らない一護は、困ったように頭をかきながら言う。
するとルキアが思いついたように乱菊を振り返る。
「お寿司なんかはどうでしょうか?」
「「寿司?」」
一護と乱菊は声を揃えて訊きかえす。
それに頷いたルキアは、近くにあった回転寿司屋を指差した。
その店の名は「かっ○寿司」!!
「う~ん・・・いいわね!あそこにしましょ☆」
「はい!」
そう言うと、二人は「かっ○寿司」に向かって歩いていく。
「お、おい!!金は誰が出すんだよ!!!・・・聞け!!!!」
一護の声は二人に届かなかった。
それに加え、一角、弓親、恋次までもが二人についていっている。・・・警戒しながら(とくに一角・弓親)
一護はその様子に顔を引きつらせ、やがてガクッと項垂れた。
その後ろから日番谷がやってきて、
「まぁ、あいつら・・・得に松本は一度言い出したら何を言っても聞かないからな。諦めろ。金のことは心配すんな。何かあったら俺が出してやるよ」
「いや!冬獅郎には絶対出させねぇ!」
「は?」
金に困っているのなら自分が出してやると言っているのに、何言ってんだこいつ。と日番谷はキョトンとしていると、一護は顔を上げて日番谷を振り返る。
「冬獅郎は何があっても出さなくていいから!金のことだって大丈夫だからよ!気にすんな!」
「・・・そうか」
「そうだ!ほら、いくぞ!」
そう言うと、一護は日番谷の背中を押して「かっ○寿司」に向かう。
「お、おい!押すな!!」
と日番谷は異議を唱えるが、一護は何か独り言を言っている様で、その声は聞こえていなかった。
・・・「やっぱり足りないかも」と情けない声が聞こえたことは、無しにしておこう。
入ってすぐに、うるさい集団が目に入る。
もちろん乱菊たちなのだが。
一護と日番谷はうるさそうにしている周りの人たちに、申し訳なさそうにしながら煩い集団に向かっていった。
近づけば近づくほど五月蝿い声に、一護と日番谷は耳を塞ぎたくなる。
二人がテーブルの横に立っても気づかないこの連中は・・・
「わぁ!うまそ~☆」
「何でもお好きなのをお取りください」
「恋次!なんで寿司が回ってるんだ!?」
「僕も気になっていたところだよ一角!」
「いや、知りませんよ。そんなこと・・・」
「なにぃ!!恋次!てめぇ俺と戦るってのか!?」
「何でそうなるんすか!!」
「正直に教えないからいけないんだろう!?」
「だから知りませんって言ってるじゃないっすか!!」
「「・・・」」
これにはもう、呆れるしかない。
「あっ!たいちょう~☆来るの遅いですよぉ!」
「遅いではないか!一護!」
二人に早く気づいた女性二人は、日番谷と一護に声をかける。
その声に気づいた男達も、二人に気づいた。
「遅かったじゃねぇか!一護!」
「本当に遅かったね」
「あ!日番谷隊長~!!」
恋次はそう叫ぶと、日番谷を自分の隣に無理やり座らせ、泣きまねらしきものをしながら日番谷に抱きついた。
「な!?お、おい!!阿散井!!!」
「一角さんたちが苛めるんすよ~!」
「は、離せ!お「おい恋次」
いつまで経っても離さない恋次を殴ろうとした日番谷だが、いつの間にか阿散井の腕から開放されていた。だが―――
「てめぇ、俺に喧嘩売ってんのかよ?」
いつの間にか一護の腕の中に居て・・・
ドガッ!!!!
「っっってぇ!!!!!!!」
日番谷は思い切り一護の鳩尾を思い切り殴った。
「それは俺の台詞だ!!!///」
そう怒鳴るものの、日番谷の顔は真っ赤で。
周りの者も、一護と恋次にブーイングする。
「何やってんのよ恋次!!あたしだって隊長に抱きつきたいのに!」
「お前はいつもやってるだろうが!」
「たわけ者が!!一護!!貴様何をやっておる!!」
「うるせぇルキア!俺は今恋次と話してんだよ!」
「一護!!てめぇだって日番谷隊長を抱きしめてんじゃねぇか!!」
「だからなんだよ!!俺はいいけどお前はダメなんだよ!!」
「なんでてめぇは良いんだよ!!」
とまぁ、20分ぐらい言い争っていた・・・
ようやく日番谷の「うるせぇぞてめぇら!!!!!!!」という怒鳴り声でその騒ぎは収まった。
「これからは絶対にこの面子で寿司屋には来ない」
と誓った日番谷だった。
***
~~数日後~~
「冬獅郎!」
「?どうした黒崎?」
「次は・・・二人だけで行こうな?///」
「・・・!///まぁ、お前となら騒がしくはならないだろし・・・」
「マジでか!?約束だぞ!」
「お、おう///」
<END>