君に贈る呪いの歌


《オリキャラ・男SIDE》


虚圏。

辺り一面の砂。

空は暗く、永遠の闇。

枯木がところどころにあり、闇の中に影をつくる。

そんな中、混じりあった笑い声と泣き声が、辺りに響き渡った。


「どうしてっ・・・!どうして君はっ、死んでしまったんだ・・・!約束したのに・・・っ!」


二重に聞こえる男の声。

一つは何かに悲しみ、嗚咽を繰り返している。

もう一つは、何かを企むように低い声で笑っていた。


「呪う・・・全てを・・・世界を・・・呪ってやる!!!!」


先程の男の声ではない、獣のような声は、男の口から発せられていた。



《オリキャラ・女SIDE》


私は、後悔していない。

私は、あなたと出会えただけで、嬉しかった。

本当に幸せを感じた。

だから、悲しまないで。

あなたには、幸せになってほしいの。

先に逝ってしまったことを、深くお詫びします。

だから、追いかけてこないで・・・

私とあなたが再び出会うときは、また、生まれ変わった時がいいの。

この世界では、会いたくない。

でも、あなたは来てしまった。

私の知らないあなたは、次々に人を殺し始め、世界を壊していく。

そんなところ、見たくない。

お願い。

眼を覚まして―――。



誰にも届くことのないその場所で、女性は涙を流しながら、最愛の人に届くように、想いを込めながら呟いた。



《一護SIDE》


尸魂界に居る奴らは、魂魄と言って、現世でいえば幽霊。
幽霊といえば、ほとんどが悪霊って思ってるのが人間。
実際の悪霊は虚なんだけど、やっぱり整の魂でも悪霊と思い、「呪い」だの何だの言って怖がってるけど、まさか、尸魂界でこれが実際に起こるとは、思ってなかった。

そして、その呪いにかかると、転生が出来なくなり、死んだそのあと人間として、また人生を歩むことができなくなるなんて・・・!

そしてその呪いが、俺の仲間にかかるなんて・・・考えもしなかった。


呪いなんかで、お前は絶対に死なせない!!

俺がお前を、護る!!!



《日番谷SIDE》


―――歌が聞こえる。

聞こえてくる先は、闇。

闇の中から聞こえてくるその歌は、愛しき人に贈るための歌。

そんな曲を聞いた奴が死ぬなんて、誰も思うわけがねぇだろ。

―――呪い。

そんなものはもっと信じない。

死神が、呪いなんかに怖がってどうする。

だが、信じてなかった俺が、嫌でも信じることになるとはな―――



《ルキアSIDE》


愛しき人を呪う歌・・・

何故そんな物をつくったのか。

愛しいならば、何故呪う必要がある?

わたしには、わからない。

ただ、何か想いがあることはわかった。

理由がなければ、何かをすることはない。

あの人がそう言っていた。

その呪いと戦っている、あの人が。

わたしはあの人を助けるために、護るために―――

―――呪いと、戦う。



《乱菊SIDE》


どうして・・・

どうして、こんなことになってしまったの・・・

彼ばかり、こんな目にあうなんて・・・

あたしがあの人の代わりになることはできないの?

呪いが何だって言うのよ!

自分の都合に、彼を巻き込まないでよ!

あんたなんかに、あたしは負けない!



《予告・PART1》


愛しき人を想う歌が、何故、呪いの歌になってしまったのか?

そして、その歌が無関係の魂まで巻き込んでいく。


もし、こんな話があるのなら、あなたならどうする?

運命に従い、呪いにかかり死んでいくか・・・

大切な人が呪いに掛けられたとしても、見て見ぬふりをするか・・・

大切な人が呪いにかかったら、その人を命がけで護るか・・・

呪いにかけられたとしても、呪いと戦うか・・・


全て、選択権はあなたにある。

どの道を選ぶかは、あなた次第。


もう、自分が関係ないなんて、思ってはいけない。



《予告・PART2》


歌とは不思議なものである。

その歌を聴くだけで、その歌に込められた想いが耳から感じることができる。

怒りや悲しみ、喜びや幸せ。

どんな詩を、どんな曲をつくることによって、そのつくった者の意志が歌に入り込む。

その想いが、強ければ強いほど―――



《Trailer 1》


「最近、妙な噂を聞くんですよ」

「隊士が次々と変死しているのだが・・・」

「その噂によると、なにやら歌を聴いた者が必ず死に至るとか」

「くだらねぇ。そんなもん死神が信じるな」

「隊長。どうしたんですか?」

「わたしは、呪いは本当にあると思う」

「お前らはあいつがどうなってもいいのか!?」


その歌が聞こえた者には、必ず死が訪れる。



《Trailer 2》


「お前は、時機に死ぬ」

「あの人を、助けてあげてください」

「・・・冬獅郎を殺せってのか?」

「一護!!貴様本気か!?」

「俺は、お前らを護るためなら、この命、捧げてもいいと思ってる」

「ここが、あなたの死ぬ場所です」

「冬獅郎は死なせねぇ!!」

「俺は、死ぬんだよ」


愛は呪いに変わり、呪いは―――に変わった。

全て、あなたのため。







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イイネ!