毛利元就
名前
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戦国の世は常に血と炎の匂いがした。
遠くで響く銃声や刀がぶつかり合う音。
敵の奇襲部隊が本陣を襲った。
私は刀を取って応戦し、家来として最後まで役に立とうと元就様の「捨て駒」としてこの命を燃やし尽くさなければ。
(元就様……)
だが一瞬の隙ができ、その瞬間刀が私の胸を貫く
痛みは不思議と感じなかった。ただ視界がゆっくりと動く中で元就様の顔が見えた。いつもは冷たいはずのその瞳が初めて大きく揺れていた。
「名前…!」
元就様が私の名を叫んだ。
『も、となり…さま……ご、無事で…良かった……です…。
っ…、わたし、は駒として…役目を…んっ、』
「もうよい!話すでない!!何故、何故こんな馬鹿な事を…!!」
『もと、なりさま…わ、私は……』
段々と意識が遠くなる……元就様の声も遠く聞こえる…お顔も見えなくなってきた。
あぁ、最後に好きだったと言いたかったな。
想いは告げられなかったけど最期に見た元就様の顔は決して忘れない。
初めて感情を露わにし必死に名前を呼ぶ顔を。
(ああ、これで……良かった)
元就様のために死ねるのだから。
私はゆっくり目を閉じた。
―――――
―――――――
――――――――
『…久しぶりに昔の夢を見たな』
私は生まれ変わった。前世の記憶を持ったまま。
戦国時代に毛利元就様に仕えずっとそばにいた。
だけど大きな戦の中元就様を守る為、途中で命を落とした。
これが前世の私、今は戦国時代よりも約500年も未来の世界で今日から高校生になり新しい生活の始まりだ。
実家からは学校が遠かったので寮で生活することになった。地元では元就様や元親様、鶴姫ちゃんにも会えなかったからこっちで誰かに会えたりしないかなと淡い期待を持ちながら玄関を出た。
桜の花びらが舞い散る四月。
私は今年から通う「BASARA学園」の門をくぐった。
『クラスメイトはどんな人がいるかな』
学校に着き校門を抜けると「名前ちゃん!?」と懐かしい声が聞こえた。
後ろを振り向くとそこには鶴姫ちゃんがびっくりした表情で立っていた。
『鶴姫ちゃん!』
「やっぱり名前ちゃんだ!!会いたかった!会いたかったです!!」
ばっ!と腕を広げ走ってきた鶴姫ちゃんを受け止めるとぎゅーと抱きついた。
「はっ!、名前ちゃんも前世の記憶があるのですか?
その、戦国時代の時の…」
『うん、あるよ!ちゃんとみんなの事も覚えてるからね』
「そうなんだ、じゃあ良かったと言いうべきか…悪かったと…言うべきか…。」
急に暗い表情になる鶴姫を不思議そうに見た。
記憶があってまた皆に会えるのはいい事じゃないのかな?
そんな事を考えてると「名前!」とまた聞き覚えのある声で名前を呼ばれ、振り返ると元親様が鶴姫ちゃんの時と同じように驚いた表情で立っていた。
「名前!お前、お前よー!!なんて無茶しやがったんだ!!」
『痛い痛いです!元親様!』
頭を力強くグリグリと撫でられるので『髪の毛がぐしゃぐしゃになります!』と怒れば「悪ぃ、悪ぃつい嬉しくてな」と手を離してくれた。
「名前も今日からこの学校に通うんだよな?」
『はい!寮暮らしにもなったので学校から近いんですよ!』
「もう様なんてつけなくていいぜ、 今はただのクラスメイトだしな!
……あー毛利の野郎には会ったのか?」
『元就様もいるのですか!?』
「その反応見ると名前ちゃんはまだ一回も毛利さんに会ってないのですね」
うんと頷く、まさか元就様と同じ学校に通えるなんて夢みたいだと内心嬉しくなった。それが表情にも出ていたのか目の前の2人は少し引きつった顔でこちらを見ていた。
『あの…2人とも何故そんなお顔をするの?』
「そのー、名前ちゃんがいなくなってから凄く大変だったから…」
「あぁ、お前が死んでからいろいろあってだな…」
『?』
私が死んで困るようなことなどあるのだろうか?
大名とかだったらまだ分かるがただの兵士が亡くなることくらいよくある話だ。
「とりあえず毛利に会っても普通でいてくれよ」
元親様にそう言われるとまた頭を撫でられた。
その瞬間目の前の元親様が「ごふっ!?」と声を上げ横に飛んでいった。
「長宗我部よ、我の名前に気安く触るでない
」
『も、元就さま……』
ずっと、ずっと会いたいと思っていた人がいざ目の前に現れると驚きと嬉しさのあまり何を話したらいいか分からず声が出なかった。
「その呼び方懐かしいな…会いたかったぞ名前」
『わ、私もお会いしたかったです!元就様…えっ!?』
元就様から会いたかったと言葉を聞けただけでも凄く嬉しいのに元就様に抱きしめられてる!?前の記憶では絶対にそんな事するような人ではなかったはずなのに
気持ちを落ちつかせようとしたら元就様の手が私の手を握る。
「名前、お前は我を置いて死んだ」
『……申し訳ございません』
「謝るな。我が欲しいのは謝罪ではない」
彼の目がぎらりと光ったように見えた。
「そなたが欲しい」
『……え?』
「名前が欲しい。二度と離さない」
その言葉に背筋が凍るような感覚を覚えた。けれど同時に嬉しいと感じている自分もいた。
『元就様、私は、』
「何も言うな。ただ我の傍にいればいい」
元就様はそう言って私を抱きしめた。力強い腕から逃がさないという意思が伝わってくる。
「お前は我のものだ。誰にも渡さない。何があっても離しはしない」
そう言うと口角は上がってはいるが目が笑っていない元就様の顔を見て一瞬ゾクッとした。
前の記憶にあった元就様であればこんなこと言わない、私が亡くなって今の世界に生まれてからの間何があったのだろうか
チラッと元就様の後ろの2人を見ると目が合った瞬間2人とも目を逸らした。
「どこを見ているのだ?」
『す、すみません…なんだか私の記憶にある元就様と少し違うような…』
「我は同じ毛利元就よ、まさか我の事を忘れたのか?」
『そんな事ないです!元就様のことはずっと思っていましたから!』
「そうか、我も其方を亡くしてから1日も忘れた事などないぞ、この世界に生まれてから名前に会い我の手の届くところに置きたいとずっと思っていた。」
『も、元就様?』
「名前よ、もう我から離れる事は許さぬ
もし離れるようなことがあれば…
其方を監禁し一生我から逃げる事も離れることも出来ぬようにするゆえ覚悟するがよい」
元就様が私の手を強く握る、瞳を見れば昔一緒に日輪を拝み綺麗に輝いてた瞳は今では光は無く、まるで日が沈んだかのように暗かった。
私はそれ以上何も言えなくなり『はい…』と言うことしか出来なかった。
「愛しているぞ、名前」
『私も愛しています。元就様』
その言葉に元就様は微笑んだ。
けどその笑顔は、戦国の世に私にだけたまに見せてくれる穏やかで優しい笑顔ではなかった。
遠くで響く銃声や刀がぶつかり合う音。
敵の奇襲部隊が本陣を襲った。
私は刀を取って応戦し、家来として最後まで役に立とうと元就様の「捨て駒」としてこの命を燃やし尽くさなければ。
(元就様……)
だが一瞬の隙ができ、その瞬間刀が私の胸を貫く
痛みは不思議と感じなかった。ただ視界がゆっくりと動く中で元就様の顔が見えた。いつもは冷たいはずのその瞳が初めて大きく揺れていた。
「名前…!」
元就様が私の名を叫んだ。
『も、となり…さま……ご、無事で…良かった……です…。
っ…、わたし、は駒として…役目を…んっ、』
「もうよい!話すでない!!何故、何故こんな馬鹿な事を…!!」
『もと、なりさま…わ、私は……』
段々と意識が遠くなる……元就様の声も遠く聞こえる…お顔も見えなくなってきた。
あぁ、最後に好きだったと言いたかったな。
想いは告げられなかったけど最期に見た元就様の顔は決して忘れない。
初めて感情を露わにし必死に名前を呼ぶ顔を。
(ああ、これで……良かった)
元就様のために死ねるのだから。
私はゆっくり目を閉じた。
―――――
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『…久しぶりに昔の夢を見たな』
私は生まれ変わった。前世の記憶を持ったまま。
戦国時代に毛利元就様に仕えずっとそばにいた。
だけど大きな戦の中元就様を守る為、途中で命を落とした。
これが前世の私、今は戦国時代よりも約500年も未来の世界で今日から高校生になり新しい生活の始まりだ。
実家からは学校が遠かったので寮で生活することになった。地元では元就様や元親様、鶴姫ちゃんにも会えなかったからこっちで誰かに会えたりしないかなと淡い期待を持ちながら玄関を出た。
桜の花びらが舞い散る四月。
私は今年から通う「BASARA学園」の門をくぐった。
『クラスメイトはどんな人がいるかな』
学校に着き校門を抜けると「名前ちゃん!?」と懐かしい声が聞こえた。
後ろを振り向くとそこには鶴姫ちゃんがびっくりした表情で立っていた。
『鶴姫ちゃん!』
「やっぱり名前ちゃんだ!!会いたかった!会いたかったです!!」
ばっ!と腕を広げ走ってきた鶴姫ちゃんを受け止めるとぎゅーと抱きついた。
「はっ!、名前ちゃんも前世の記憶があるのですか?
その、戦国時代の時の…」
『うん、あるよ!ちゃんとみんなの事も覚えてるからね』
「そうなんだ、じゃあ良かったと言いうべきか…悪かったと…言うべきか…。」
急に暗い表情になる鶴姫を不思議そうに見た。
記憶があってまた皆に会えるのはいい事じゃないのかな?
そんな事を考えてると「名前!」とまた聞き覚えのある声で名前を呼ばれ、振り返ると元親様が鶴姫ちゃんの時と同じように驚いた表情で立っていた。
「名前!お前、お前よー!!なんて無茶しやがったんだ!!」
『痛い痛いです!元親様!』
頭を力強くグリグリと撫でられるので『髪の毛がぐしゃぐしゃになります!』と怒れば「悪ぃ、悪ぃつい嬉しくてな」と手を離してくれた。
「名前も今日からこの学校に通うんだよな?」
『はい!寮暮らしにもなったので学校から近いんですよ!』
「もう様なんてつけなくていいぜ、 今はただのクラスメイトだしな!
……あー毛利の野郎には会ったのか?」
『元就様もいるのですか!?』
「その反応見ると名前ちゃんはまだ一回も毛利さんに会ってないのですね」
うんと頷く、まさか元就様と同じ学校に通えるなんて夢みたいだと内心嬉しくなった。それが表情にも出ていたのか目の前の2人は少し引きつった顔でこちらを見ていた。
『あの…2人とも何故そんなお顔をするの?』
「そのー、名前ちゃんがいなくなってから凄く大変だったから…」
「あぁ、お前が死んでからいろいろあってだな…」
『?』
私が死んで困るようなことなどあるのだろうか?
大名とかだったらまだ分かるがただの兵士が亡くなることくらいよくある話だ。
「とりあえず毛利に会っても普通でいてくれよ」
元親様にそう言われるとまた頭を撫でられた。
その瞬間目の前の元親様が「ごふっ!?」と声を上げ横に飛んでいった。
「長宗我部よ、我の名前に気安く触るでない
」
『も、元就さま……』
ずっと、ずっと会いたいと思っていた人がいざ目の前に現れると驚きと嬉しさのあまり何を話したらいいか分からず声が出なかった。
「その呼び方懐かしいな…会いたかったぞ名前」
『わ、私もお会いしたかったです!元就様…えっ!?』
元就様から会いたかったと言葉を聞けただけでも凄く嬉しいのに元就様に抱きしめられてる!?前の記憶では絶対にそんな事するような人ではなかったはずなのに
気持ちを落ちつかせようとしたら元就様の手が私の手を握る。
「名前、お前は我を置いて死んだ」
『……申し訳ございません』
「謝るな。我が欲しいのは謝罪ではない」
彼の目がぎらりと光ったように見えた。
「そなたが欲しい」
『……え?』
「名前が欲しい。二度と離さない」
その言葉に背筋が凍るような感覚を覚えた。けれど同時に嬉しいと感じている自分もいた。
『元就様、私は、』
「何も言うな。ただ我の傍にいればいい」
元就様はそう言って私を抱きしめた。力強い腕から逃がさないという意思が伝わってくる。
「お前は我のものだ。誰にも渡さない。何があっても離しはしない」
そう言うと口角は上がってはいるが目が笑っていない元就様の顔を見て一瞬ゾクッとした。
前の記憶にあった元就様であればこんなこと言わない、私が亡くなって今の世界に生まれてからの間何があったのだろうか
チラッと元就様の後ろの2人を見ると目が合った瞬間2人とも目を逸らした。
「どこを見ているのだ?」
『す、すみません…なんだか私の記憶にある元就様と少し違うような…』
「我は同じ毛利元就よ、まさか我の事を忘れたのか?」
『そんな事ないです!元就様のことはずっと思っていましたから!』
「そうか、我も其方を亡くしてから1日も忘れた事などないぞ、この世界に生まれてから名前に会い我の手の届くところに置きたいとずっと思っていた。」
『も、元就様?』
「名前よ、もう我から離れる事は許さぬ
もし離れるようなことがあれば…
其方を監禁し一生我から逃げる事も離れることも出来ぬようにするゆえ覚悟するがよい」
元就様が私の手を強く握る、瞳を見れば昔一緒に日輪を拝み綺麗に輝いてた瞳は今では光は無く、まるで日が沈んだかのように暗かった。
私はそれ以上何も言えなくなり『はい…』と言うことしか出来なかった。
「愛しているぞ、名前」
『私も愛しています。元就様』
その言葉に元就様は微笑んだ。
けどその笑顔は、戦国の世に私にだけたまに見せてくれる穏やかで優しい笑顔ではなかった。
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