考察や感想や日記を徒然と

マイ黒子テツヤ像について

2019/02/22 02:36
krbs
長らく黒子テツヤ氏のこと、好きでも嫌いでもなかったんですよね。
いや赤司モンペになってからはどちらかというと洛山への肩入れがヒド過ぎて「ゼッテー倒す!」みたいな見方をしてたのであんまり友好的な感覚とは言えなかったかもしれないです。
だって彼、何考えてるかわからないじゃないですか。
分かんないものっていうのは好きになるの難しい。
ですが最近ようやく…ようやく自分の中での黒テツ像がこれと言えるくらいには固まってきて
それを今回、この場で思う存分に語ってみようという所存です。

そもそも黒子の、勝てない相手に喧嘩ふっかけるところが嫌いだったんですよね。
おっと、さっき「好きでも嫌いでもない」とか言ってたのにもう嫌いって言ってしまった。
だってどうしても無責任にしか見えなくて…お前が買ったその喧嘩、どうやって収束する気なんだと。
お前一人が怪我するだけならいいけど、大抵その周りの人を巻き込みかねない無鉄砲なことをしてる。
で、毎回火神くんが尻拭い(?)をしてるように見えて、それがこう…なんていうか納得いかねぇぞオレは…!!と思ってたんですね。
不良に絡まれたときに「ごめんなさい」と謝ってその場を収められる人はカッコいいんだぞ!?と。
喧嘩買うのが正義で漢気じゃないんだぞと。
そういう気持ちがずーーーっとあったので、黒子はなんか……他人の力をアテにしてるのか?なんだお前は?と見えてコイツめちゃくちゃしたたかじゃないか、こずるいぞと。
そういう感覚がわたしの中で芽生えてしまい、一旦そうなった以上どうしてもうまく肯定的な見方が育てられなくて、長らく黒子の評価は保留にしてたんです。

でもふと「自分で勝てないなら喧嘩買うなよ💢」について考えた時、
じゃあそこで、勝てないからと悪を見過ごすのは果たしてジャンプ主人公として正しいのか?
「不正を目にしたけど僕の力ではどうにもできないので見て見ぬふりをします」が、アリなのか?と言われれば、
少なくとも少年漫画の主人公としては絶対にナシなわけで。

ならば、どんな悪にも勝てるような強さを持つ者だけがジャンプ主人公として喧嘩を買ってもいいのか?
それも違う。
むしろ超人的な力を持っていないにもかかわらず立ち上がる所に主人公足りうる魅力がある。
だから周りは勇気付けられて応援して手を貸したくなる。
そういうことにようやく気づけて……。

そもそも黒子は主人公として異質すぎる存在で、自分が主役になれない、前に立てない、でも主人公である、というのが黒子の基盤なわけで。
素質が主人公"らしく"ないだけで、魂はれっきとしたジャンプ主人公なんですよね。
悪を見過ごさずみんなのために動けるという。
歴代ジャンプヒーロー達は力を持ってるから、前に立ち、みんなの代わりにブッ飛ばしたり、力がないことを嘆いて読者とともに成長したり……。

古き良きジャンプの主人公はざっくり分けて憧れ型と自己投影型があると聞いたことがあります。
黒子は力があるヒーローではなかったので、てっきり後者かと思っていた。
が、読者とともに理想の自分像へ成長するタイプの主人公でもなかった。
物語が始まった時点で黒子のバスケスタイルはほぼ完成していて、あくまでも点を取る光は火神君。

まぁそもそもこの二つに黒子を当てはめようとすることがナンセンスなんだと思いますが、
このような認識の勘違いから、わたしにとって黒子君は長らく、何を考えてるかわからないというキャラクターのせいもあり「意味わからんやつ」という状態でした。

でも黒子君は、作中でも何度も言ってる通り、
力がなければ主張してはいけないんですか?才能がなければバスケをしてはいけないんですか?
誰にだって権利はあるはずだ、それを邪魔することは許さない!
という事を代弁してくれる主人公だったんですよね。
「そんな綺麗事、コイツには力があるから言えるんだよ…」ではなく
「こいつも必死に頑張ってるんだ…オレも頑張ろう」と思わせる。
だから火神くんはじめ、みんな手を貸して「黒子だからかな」と認めさせ人を動かすきっかけとなる。

力の及ばないところだろうが正義を貫き、良くも悪くも話の分岐を作り周囲に波紋を起こす。
それこそが主人公たる風格。

そう気づいた時「なんだよ〜〜ごめん〜〜!!お前カッコいいよ〜〜主人公だよ〜〜!!!」とようやく思えるようになりました(おっっっそ…)
正義感が強くて綺麗事でも貫こうとするところはある意味欠点だと思いますが、欠点とは人間味なのでむしろ好ましい。高校時代の彼はしたたかでしれっとしたところがあるし。

そんな風に受け止めると、
長らく抱いてた黒子のイメージ…わけわからん奴だからあんまり好きになれない…という印象が変わり始めたんですね。

そこへ来て賢章先生演じる男気溢れる黒ステの黒子を見て、またさらに「黒子なら何とかしてくれるーー!!」という信頼感が増したり。

そんなこんなで黒子のイメージが変わって、ゼロではなくでも本当の意味でニュートラルな気分になったところで文庫版が刊行されたわけで!
まだ5巻(原作10巻相当)ですが、すでに初見の時の読んだ時と気分が全然違ってメチャ楽しいんですよね。
この調子でまた全巻読んでいきたいですね。楽しみ。

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