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最終章
「名前を変える」
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…
ル「休んでいる?」
**の近況を尋ねられたツォンが、そう答えた。
ツ「はい。事実を知らせた翌日から、1週間の有給申請が受理されています」
ル「…そうか」
ツ「安心されている場合ではありませんよ」
念を押すツォンに、訝しげな表情をするルーファウス。
ツ「ルーファウス様に荷が重いようでしたら、我々タークスが彼女を始末するようにと社長から指示されていますから」
ル「なんだと?」
ツ「期日も伺っています」
ル「お前たちは手を出すな」
ツ「では」
ル「私がやる、彼女のことは私の手で」
…
ブーッ、ブーッ、
社用携帯が机の上で震えている。
何か急ぎの用事でもあったのかと思い、手に取り画面を開く。
そこには、見慣れぬアドレスからのメール受信。
メールを開くと、特徴のある口調の文面に彼を思い浮かべる。
少し前なら、メールが来たことを喜び、テンション上がって騒いだことだろう。
だが、今の**の心は、怖いほど静かで穏やかだった。
《今夜、神羅ビルの展望レストランで食事をしよう。20時に待っている》
…
約束の時間まで、あと少し。
**は神羅ビルを見上げ、首に下げている母の肩身を握りしめる。
「(お母さん、私を見守っていてね)」
**はEVに乗って、展望フロアの階のボタンを押す。
チンッ、目的の階で停まりドアが開くと、ツォンが立っていた。
ツ「ルーファウス様がテラス席で待っている」
「ありがとうございます」
珍しく、にこっと微笑む**に、ツォンが目を丸くする。
ツ「(何を考えている?)」
やや表情が暗いものの、やけに落ち着き払った態度に疑問を抱く。
そんなツォンの横を通り過ぎて、貸し切りの店内を横切ってテラスに出ると、涼しい風が緩く巻いた髪を揺らした。
ルーファウスは、柵の前に立っていた。
「…お待たせしました」
いつものコートとは少し違うルーファウスの服装は、まるで王子様の様だ。
ル「あぁ、これは見目麗しいな」
普段は着る機会のなかったパーティドレスに身を包んだ**を見て、ルーファウスは感嘆の声を上げた。
久しぶりに会ったせいか、ルーファウスを見ているだけで脈が早くなる気がする。
ル「席に着いてくれ、食事にしよう」
「はい」
二人が着席すると、ボーイがシャンパンを運んできた。
注がれたグラスを打ち鳴らす。
フワッとリンゴが香る。
「ん、飲みやすい」
ル「そうだろう、新羅が女性向けに開発したシャンパンだからな」
さりげなく神羅の自慢が入る所が、なんともルーファウスらしい。
対する**の反応は、微笑み。
_
ル「休んでいる?」
**の近況を尋ねられたツォンが、そう答えた。
ツ「はい。事実を知らせた翌日から、1週間の有給申請が受理されています」
ル「…そうか」
ツ「安心されている場合ではありませんよ」
念を押すツォンに、訝しげな表情をするルーファウス。
ツ「ルーファウス様に荷が重いようでしたら、我々タークスが彼女を始末するようにと社長から指示されていますから」
ル「なんだと?」
ツ「期日も伺っています」
ル「お前たちは手を出すな」
ツ「では」
ル「私がやる、彼女のことは私の手で」
…
ブーッ、ブーッ、
社用携帯が机の上で震えている。
何か急ぎの用事でもあったのかと思い、手に取り画面を開く。
そこには、見慣れぬアドレスからのメール受信。
メールを開くと、特徴のある口調の文面に彼を思い浮かべる。
少し前なら、メールが来たことを喜び、テンション上がって騒いだことだろう。
だが、今の**の心は、怖いほど静かで穏やかだった。
《今夜、神羅ビルの展望レストランで食事をしよう。20時に待っている》
…
約束の時間まで、あと少し。
**は神羅ビルを見上げ、首に下げている母の肩身を握りしめる。
「(お母さん、私を見守っていてね)」
**はEVに乗って、展望フロアの階のボタンを押す。
チンッ、目的の階で停まりドアが開くと、ツォンが立っていた。
ツ「ルーファウス様がテラス席で待っている」
「ありがとうございます」
珍しく、にこっと微笑む**に、ツォンが目を丸くする。
ツ「(何を考えている?)」
やや表情が暗いものの、やけに落ち着き払った態度に疑問を抱く。
そんなツォンの横を通り過ぎて、貸し切りの店内を横切ってテラスに出ると、涼しい風が緩く巻いた髪を揺らした。
ルーファウスは、柵の前に立っていた。
「…お待たせしました」
いつものコートとは少し違うルーファウスの服装は、まるで王子様の様だ。
ル「あぁ、これは見目麗しいな」
普段は着る機会のなかったパーティドレスに身を包んだ**を見て、ルーファウスは感嘆の声を上げた。
久しぶりに会ったせいか、ルーファウスを見ているだけで脈が早くなる気がする。
ル「席に着いてくれ、食事にしよう」
「はい」
二人が着席すると、ボーイがシャンパンを運んできた。
注がれたグラスを打ち鳴らす。
フワッとリンゴが香る。
「ん、飲みやすい」
ル「そうだろう、新羅が女性向けに開発したシャンパンだからな」
さりげなく神羅の自慢が入る所が、なんともルーファウスらしい。
対する**の反応は、微笑み。
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