*
誘い、そして残酷な真実
「名前を変える」
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
…
「(真面目な顔って珍しいかも)」
鼓動が早鐘を打ち始める。
そこへ運ばれてきた前菜を、フォークで刺して口に運ぶ。
「(ん!これも美味しい)」
美味しい物を食べると、ついつい顔が緩んでしまうのを何とか堪える。
「副社長って、どんな仕事してるんですか?」
興味があったので正直に訊いてみると、彼はフッと嬉しそうに微笑む。
ル「私に興味を向けたのは初めてだな」
「ぅ」
あまりに良い笑顔を向けられて、早くも後悔する。
ル「特に変わったことなどはしない、書類の山に追われることも屡々だ。社長の代理で会談したり食事したりが多い。
神羅にゴマを擦っておこうと考える者の中には色目を使われることもある」
「色目、女性ですか」
ル「そうだ。下心見え見えの女性と過ごす時間ほど無駄なものはないと思うがな」
…納得した。
今のセリフから察するに、ルーファウスに対して欲や下心が**から感じられないから、興味を持たれているのかも知れないと。
そういえば同僚たちは、
『玉の輿じゃん』
とか騒いでいたなと思い出す。
そういった魂胆で近付いてくる異性ばかりでは、嫌になるのも分かる気がした。
そこで、ふと彼との出会いは、どんなもんだったかと思い出してみる。
「(確か、どこかの廊下ですれ違った時に…そうだ、万年筆を拾って声を掛けたんだ)」
…
「あの、今、ペンを落とされましたけど」
そう言って呼び止めた彼は、怪訝そうな表情でペンを受け取ると、まじまじとペンを見詰める。
ル「確かに。私の物のようだ、ありがとう」
「いえ」
ペコリと一応、頭を下げたのは彼が胸に付けている社員証が一般社員のものと違っていたから、ただそれだけだった。
(頭を上げた時に、何だか見られてるな、と思ってたけど…)
「失礼します」
と、一言を告げて歩いていたら、通りかかった同僚が寄ってきて、
『ちょっと!あの人、副社長じゃない?!』
「へぇ、そうなんだ」
『そうなんだ、って!お近付きになれるチャンスじゃない!!」
「…悪いけど、興味ないから」
『えっ、ちょ、ちょっと!』
その場はスタスタと早足に立ち去って。
後日、仕事終わりにエントランスで再会して、
ル「ペンを拾ってくれたお礼に何でも希望を叶えてやろう」
って偉そうに言ってきたから、
「必要ありません、失礼します」
って断ったんだ。
そしたら、次の日からフロアにまでくるようになって…今日で2週間。
よくもまぁ毎日、欠かさず通ってきたものだと半ば感心してしまう。
何が彼を、そんなにも突き動かしているのだろう。
**への興味?関心?
考えたって答えは出そうにないので、考えることは止める。
_
「(真面目な顔って珍しいかも)」
鼓動が早鐘を打ち始める。
そこへ運ばれてきた前菜を、フォークで刺して口に運ぶ。
「(ん!これも美味しい)」
美味しい物を食べると、ついつい顔が緩んでしまうのを何とか堪える。
「副社長って、どんな仕事してるんですか?」
興味があったので正直に訊いてみると、彼はフッと嬉しそうに微笑む。
ル「私に興味を向けたのは初めてだな」
「ぅ」
あまりに良い笑顔を向けられて、早くも後悔する。
ル「特に変わったことなどはしない、書類の山に追われることも屡々だ。社長の代理で会談したり食事したりが多い。
神羅にゴマを擦っておこうと考える者の中には色目を使われることもある」
「色目、女性ですか」
ル「そうだ。下心見え見えの女性と過ごす時間ほど無駄なものはないと思うがな」
…納得した。
今のセリフから察するに、ルーファウスに対して欲や下心が**から感じられないから、興味を持たれているのかも知れないと。
そういえば同僚たちは、
『玉の輿じゃん』
とか騒いでいたなと思い出す。
そういった魂胆で近付いてくる異性ばかりでは、嫌になるのも分かる気がした。
そこで、ふと彼との出会いは、どんなもんだったかと思い出してみる。
「(確か、どこかの廊下ですれ違った時に…そうだ、万年筆を拾って声を掛けたんだ)」
…
「あの、今、ペンを落とされましたけど」
そう言って呼び止めた彼は、怪訝そうな表情でペンを受け取ると、まじまじとペンを見詰める。
ル「確かに。私の物のようだ、ありがとう」
「いえ」
ペコリと一応、頭を下げたのは彼が胸に付けている社員証が一般社員のものと違っていたから、ただそれだけだった。
(頭を上げた時に、何だか見られてるな、と思ってたけど…)
「失礼します」
と、一言を告げて歩いていたら、通りかかった同僚が寄ってきて、
『ちょっと!あの人、副社長じゃない?!』
「へぇ、そうなんだ」
『そうなんだ、って!お近付きになれるチャンスじゃない!!」
「…悪いけど、興味ないから」
『えっ、ちょ、ちょっと!』
その場はスタスタと早足に立ち去って。
後日、仕事終わりにエントランスで再会して、
ル「ペンを拾ってくれたお礼に何でも希望を叶えてやろう」
って偉そうに言ってきたから、
「必要ありません、失礼します」
って断ったんだ。
そしたら、次の日からフロアにまでくるようになって…今日で2週間。
よくもまぁ毎日、欠かさず通ってきたものだと半ば感心してしまう。
何が彼を、そんなにも突き動かしているのだろう。
**への興味?関心?
考えたって答えは出そうにないので、考えることは止める。
_