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着任!初日より
「名前を変える」
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…
**が先に降りて安全を確認し振り返ると、続いてルーファウスが車から降りてビルへと入っていく。
ル「不審者は居ないようだな」
「今のところは見当たりませんね」
ル「頼りにしているぞ」
ふと、**は視線を感じて立ち止まり、辺りを見回す。
ル「どうした?」
「いえ、なにも…」
気になりはしたが、距離は遠いと判断してレノの後に着いていく。
ビルに入ってから何事もなく、ルーファウスは執務室に到着した。
レ「オレたちは廊下を見張る、お前は社長の側で護衛だぞ、と」
「え、オレが中なんですか?」
普通、逆では…と思うも、それが任務だと指示されたなら従うしかない。
レ「何かあったら呼べよ、と」
そう告げてレノとルードは、廊下へと出て行ってしまった。
**は執務室を見回す。
広々と空を見上げられる開放感ある窓の外にはテラスがあるものの、階層が地上から遥か高所のため、ヘリなどを使わない限り急襲は出来ないだろう。
となると、もし来るならば正面の廊下に面する開閉ドアから押し入りか、潜り込んでくるとすればダクトからか。
探知魔力は解いていないので、何者か怪しい人物が近付けば分かる筈だ。
そう考えてルーファウスのデスクの後方に控える位置で立つ。
ルーファウスは、難しそうな書類の束に目を通してはペンを走らせ、時に内線で誰かに指示を出している。
副社長の地位も、なかなか仕事が多いらしい。
**には分からない世界だ。
ル「左のドアの先に給湯室がある、すまんが珈琲を淹れてくれ。今はツォンが居ないから他に頼める者が居ないのだ」
ルーファウスは書類から目を離さずに言った。
「分かりました」
言われた通り左のドアの先に進むと、そこにはウォーターサーバーやコーヒーミルがあった。
一通り棚の中を覗いて、何があるのか確認してから**は気合を入れる。
珈琲を淹れたことは無いが挑戦してみると、少し時間は掛かったが何とか用意できたようだ。
パチパチパチ、と拍手が聞こえて振り返ると、ドアに寄り掛かる体勢でレノが手を打ち鳴らしていた。
レ「上出来上出来っと。口を挟む必要も無かったな」
「…、」
どうやら珈琲を淹れることが出来るか試されていたらしい。
集中していて、レノが背後で見守っていたことにも気が付かなかった。
レ「それじゃ運ぶぞっと。あ、下の棚の缶も持ってきてくれよ、と」
執務室に戻ると、デスク前に設えられたローテーブル&ソファの応接セットに座って、ルーファウスとルードが待っていた。
レノは、ルーファウスの前から順にカップを置いていく。
ル「ちゃんと淹れられたようだな」
レ「特に問題なかったですよ、と」
ル「それは何よりだ」
缶を持ったまま、左ドアの前に立っている**にルーファウスが目を向ける。
ル「どうした?君も座りたまえ」
「…、」
返事せずに歩み寄ると、缶をテーブルの上に置いてソファに座った。
「(よく分からない)」
一体、ルーファウスは何をさせたいのか。
ただの護衛ではないことは察せるが、珈琲を淹れさせたり一緒に休憩したり。
こうして当たり前のように焼き菓子を摘んでいる光景は、なんだか意外という感じだ。
自分の淹れた珈琲に口をつける。
「にが…」
眉を寄せる**に、ルーファウスは口元で笑う。
ル「味は悪くないが、君には早いか」
レノが調味料のトレーを寄せてくれる。
レ「シュガーとミルクを多めに入れとけよ、と」
「どうも」
カチャカチャ…とスプーンでカップの中を掻き回す。
再び一口、飲む。
優しくなった味に、一息ついた。
ル「今回、私を狙っている連中だが、なかなか尻尾を掴めなくてな。もしかしたら、すでにスパイが侵入している可能性もある。社内とはいえ、いつ襲撃が起きるかも分からん」
レ「ですね、あるとしたら移動中か。確か明日は某会社で会談でしたよね」
ル「そうだな。外に出る時間こそ奴らにとって絶好のチャンスであり、お前たち護衛の真価が発揮される時でもある。期待しているぞ」
「「はいっ」」
レノとルードが意気込んで返事をした。
ルーファウスが**を見遣る。
ル「返事が聞こえんようだが」
「あっ、はい!」
ル「外に出る時は、いつでも武器を展開できるようにしておけ」
「はい」
ティータイムの片付けはルードが引き受けてくれたので、レノと**は持ち場に戻る。
その後は何事もなく仕事を終えた。
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**が先に降りて安全を確認し振り返ると、続いてルーファウスが車から降りてビルへと入っていく。
ル「不審者は居ないようだな」
「今のところは見当たりませんね」
ル「頼りにしているぞ」
ふと、**は視線を感じて立ち止まり、辺りを見回す。
ル「どうした?」
「いえ、なにも…」
気になりはしたが、距離は遠いと判断してレノの後に着いていく。
ビルに入ってから何事もなく、ルーファウスは執務室に到着した。
レ「オレたちは廊下を見張る、お前は社長の側で護衛だぞ、と」
「え、オレが中なんですか?」
普通、逆では…と思うも、それが任務だと指示されたなら従うしかない。
レ「何かあったら呼べよ、と」
そう告げてレノとルードは、廊下へと出て行ってしまった。
**は執務室を見回す。
広々と空を見上げられる開放感ある窓の外にはテラスがあるものの、階層が地上から遥か高所のため、ヘリなどを使わない限り急襲は出来ないだろう。
となると、もし来るならば正面の廊下に面する開閉ドアから押し入りか、潜り込んでくるとすればダクトからか。
探知魔力は解いていないので、何者か怪しい人物が近付けば分かる筈だ。
そう考えてルーファウスのデスクの後方に控える位置で立つ。
ルーファウスは、難しそうな書類の束に目を通してはペンを走らせ、時に内線で誰かに指示を出している。
副社長の地位も、なかなか仕事が多いらしい。
**には分からない世界だ。
ル「左のドアの先に給湯室がある、すまんが珈琲を淹れてくれ。今はツォンが居ないから他に頼める者が居ないのだ」
ルーファウスは書類から目を離さずに言った。
「分かりました」
言われた通り左のドアの先に進むと、そこにはウォーターサーバーやコーヒーミルがあった。
一通り棚の中を覗いて、何があるのか確認してから**は気合を入れる。
珈琲を淹れたことは無いが挑戦してみると、少し時間は掛かったが何とか用意できたようだ。
パチパチパチ、と拍手が聞こえて振り返ると、ドアに寄り掛かる体勢でレノが手を打ち鳴らしていた。
レ「上出来上出来っと。口を挟む必要も無かったな」
「…、」
どうやら珈琲を淹れることが出来るか試されていたらしい。
集中していて、レノが背後で見守っていたことにも気が付かなかった。
レ「それじゃ運ぶぞっと。あ、下の棚の缶も持ってきてくれよ、と」
執務室に戻ると、デスク前に設えられたローテーブル&ソファの応接セットに座って、ルーファウスとルードが待っていた。
レノは、ルーファウスの前から順にカップを置いていく。
ル「ちゃんと淹れられたようだな」
レ「特に問題なかったですよ、と」
ル「それは何よりだ」
缶を持ったまま、左ドアの前に立っている**にルーファウスが目を向ける。
ル「どうした?君も座りたまえ」
「…、」
返事せずに歩み寄ると、缶をテーブルの上に置いてソファに座った。
「(よく分からない)」
一体、ルーファウスは何をさせたいのか。
ただの護衛ではないことは察せるが、珈琲を淹れさせたり一緒に休憩したり。
こうして当たり前のように焼き菓子を摘んでいる光景は、なんだか意外という感じだ。
自分の淹れた珈琲に口をつける。
「にが…」
眉を寄せる**に、ルーファウスは口元で笑う。
ル「味は悪くないが、君には早いか」
レノが調味料のトレーを寄せてくれる。
レ「シュガーとミルクを多めに入れとけよ、と」
「どうも」
カチャカチャ…とスプーンでカップの中を掻き回す。
再び一口、飲む。
優しくなった味に、一息ついた。
ル「今回、私を狙っている連中だが、なかなか尻尾を掴めなくてな。もしかしたら、すでにスパイが侵入している可能性もある。社内とはいえ、いつ襲撃が起きるかも分からん」
レ「ですね、あるとしたら移動中か。確か明日は某会社で会談でしたよね」
ル「そうだな。外に出る時間こそ奴らにとって絶好のチャンスであり、お前たち護衛の真価が発揮される時でもある。期待しているぞ」
「「はいっ」」
レノとルードが意気込んで返事をした。
ルーファウスが**を見遣る。
ル「返事が聞こえんようだが」
「あっ、はい!」
ル「外に出る時は、いつでも武器を展開できるようにしておけ」
「はい」
ティータイムの片付けはルードが引き受けてくれたので、レノと**は持ち場に戻る。
その後は何事もなく仕事を終えた。
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