…


レ「まずは、お迎えだぞ、と」


ルーファウスの私邸は●番街にあるらしい
。

基本的には、タークスの運転で迎えに行くそうだ。

20分ほど車を走らせて、大きな屋敷の前に到着した。


「（やっぱデカイんだなぁ）」


玄関脇に立ち、周りを見回す。

インターホン越しにレノが中の人と会話をしてから少し経つと、ドアが開かれた。


レ「おはようございます、ルーファウス様」

ル「おはよう」

レ「こいつが今日から一緒に護衛任務に就く新兵だぞ、と」


敬礼する＊＊を見るルーファウス。


ル「ほう、名前は？」

「あ、＊＊です」

ル「そう堅くならずとも良い」

「ですが」

ル「私が良いと言っている」

「…はい」


ポーズを解いて、両手を前で組む。


ル「それで良い、行くぞ」

レ「了解、と」



…


「…、」

ル「…。」


リムジン車の後部座席に２人、
気不味い雰囲気に＊＊は、つい足元ばかり見てしまう。

対してルーファウスは、車内TVのニュースを眺めている。


「（なんで、この席なんだろう）」

ル「下ばかり見て、それで護衛が務まるのか？」

「あ、すいませんッ」


ルーファウスの言葉に顔を上げて、窓の外を見渡す。


ル「…、」

「（何か、じーっと見られてて落ち着かない）」


視線を、そろ…と向けるとルーファウスと目が合った。


ル「そう緊張するな、普段通りにしてくれればいい」

「はぁ」


＊＊は少し目を閉じる。

そして、薄く魔力を周囲に巡らせる。

これで、範囲内に近づく殺気を持つ者を探知できるようになる。


「ふぅ」


小さく息を吐く＊＊。


ル（なかなか使えるようだな）


ルーファウスは、＊＊の体を巡る魔力の動きを察知していた。

広範囲に感知魔力を張れるなど、並のソルジャーには不可能なことだからだ。

とにかく＊＊は魔法系のセンスが高いのだと、ルーファウスは直ぐに感づいた。


ル（どう成長するのか楽しみではないか）


＊＊は流れていく景色を眺めている。

そうこうしている内に、車は神羅ビルに到着した。



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