_



_「ハッ…ハァッ」



ザザザザッ..
灯りのない暗闇の森を全力で駆ける少女。

後方から近づく松明の灯火。


外出時に、めかし込んだワンピースと靴は、土と草でボロボロだった。



　　《どうして、こんな目に…》



買い物中に襲われ、拐われ連れ去られ、その先から隙を見て逃げ出したけれど、山中に逃げ場などなく、ただただ走るしかない。


_「　キャッ！」


ドシャッ..
木の根に躓いて転ぶ。


「ぃたっ」


手を擦りむいたが、チラホラと近づく火の揺らめきを見ては、立ち上がって走った。



　捕まる訳にはいかない、


　　　私は帰るの、あの街に、

　　　　　　あの人の所にーーー



ガラッ、


　「ッ❗️」


ズボッと木のウロにハマって、更に擦り抜ける。


　「キャァアアアアアアッ」



バシャンっ、
ゴボッゴボッ

それなりの高さから落下したらしい。


不思議な光を放つ水に包まれて、少女の意識は遠のいた。





..





…





……







とある洞窟の入り口に立つスーツの男２人。


レ「ったく、こーいうのはソルジャーと化学班の仕事だろ」


天然のマテリアのデータ報告があった洞窟を、奥へと進んでいくレノとルード。


レ「マテリアは、無ぇな」


ド「レノ」


ルードが片手でレノを招く仕草をする。


レ「　んん？何かあっ…

　　なんだコリャ、んでこんな所に」



輝く泉の中に、少女が沈んでいた。
レノが潜って救い上げる。

水中に居たというのに少女は生きている様だ。


とにかく2人は少女を保護して、ミッドガルに連れて帰ることにした。




→