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傲慢の仮面(未完
「名前を変える」
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ツ「護衛、ですか」
ル「そうだ。我が社に多額の投資をしている会社の代表の令嬢が数日、私邸に滞在することとなった。その間の護衛を、お前に頼みたいのだ」
ツ「…。」
ルーファウスが《護衛》という単語を強調した、ということは『これは頼みではなく命令である』ということ、また『護衛とは名ばかりの監視である』ということを示唆している。
ツ「分かりました」
ル「とはいえ、気が重いことに変わりはない」
大きく溜め息を吐くルーファウス。
ル「神羅の資産の4割は、その会社の投資金で成り立っている。現段階では断ることが出来ん」
ギシッ..チェアーの背もたれに寄りかかり、手を胴の上で組む。
ル「親子ともども《傲慢で我儘》だと聞く。恐らくは私の嫁候補として差別化を図りたいという思惑もあるのだろう…実に面倒くさい」
心底うんざりした顔でルーファウスは言った。
ル「当面は私邸から通勤することになるだろう、だが接触は最低限に抑えたい。だから、お前に押しつけてやろうと思ってな」
やけに清々しい笑みで、しれっと本音を述べるルーファウスにツォンが眉頭を寄せる。
ル「ワガママお嬢様の全てを叶えてやる必要はない、機嫌を悪くしない程度に相手をしてやれ」
ツ「…わかりました」
ツォンも若干の面倒くさそうな表情で返した。
..
..
当日。
「あなた、誰。どうしてルーファウス様が迎えてくださらないのかしら?」
ルーファウスの私邸の玄関前で出迎えたツォンに、令嬢は不機嫌を隠すことなく言った。
ツ「只今、ルーファウス様は仕事で出社しております。帰宅されるまでの間、貴女様を丁重に《もてなす》よう申し付けられております。ツォンと申します」
「はぁ、なら戻られるまで退屈そうね。私の部屋は、どこになりますの?」
彼女と共にリムジンから降りてきた若い侍女と初老の執事が、両手に大きなトランクをぶら下げて後に続く。
ツ「どうぞ、こちらです」
ツォンは先頭を歩いて私邸の中へ促す。
彼女のために用意した客室に案内するため、吹き抜けた2階への階段をスローペースで昇っていると。
「ちょっとッ、私のバッグを揺らさないで❗️貴方たちには、とても弁償できない額のブランド品ばかりなのよ‼️」
振り返ると、階段の踊り場で立ち止まった令嬢が、後続の侍女を叱りつけ声を荒げている。
ツ「…お持ちしましょうか?」
「結構よッ、初めて会ったばかりの人なんて信用できる訳がないもの」
ツ「左様ですか」
「ねぇ、アナタもう少し愛想よく笑ったり出来ないの」
ツ「…苦手でして。それに」
「❗️」
ツォンは、グイッ..と彼女の腰を抱き寄せれば、顎に手を当て持ち上げる。
ツ「貴女の方こそ、こんな表情の見えない《仮面》を着けて、人のこと言えないのでは」
「ッ、…離してッ‼️」
執「❗️ **お嬢様‼️」
ドンっ..とツォンを両手で押し退け、よろめいた彼女が転ばないよう執事が駆け上がって支えた。
仮面の穴から覗く双眸は、憎悪のように鋭くツォンを睨んでいる。
ツ「…失礼しました。部屋は階段を上がって、すぐ横の場所です」
「フンッ」
彼女は、自分を支える執事の手を振り払うようにして態勢を整え歩き出した。
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ツ「護衛、ですか」
ル「そうだ。我が社に多額の投資をしている会社の代表の令嬢が数日、私邸に滞在することとなった。その間の護衛を、お前に頼みたいのだ」
ツ「…。」
ルーファウスが《護衛》という単語を強調した、ということは『これは頼みではなく命令である』ということ、また『護衛とは名ばかりの監視である』ということを示唆している。
ツ「分かりました」
ル「とはいえ、気が重いことに変わりはない」
大きく溜め息を吐くルーファウス。
ル「神羅の資産の4割は、その会社の投資金で成り立っている。現段階では断ることが出来ん」
ギシッ..チェアーの背もたれに寄りかかり、手を胴の上で組む。
ル「親子ともども《傲慢で我儘》だと聞く。恐らくは私の嫁候補として差別化を図りたいという思惑もあるのだろう…実に面倒くさい」
心底うんざりした顔でルーファウスは言った。
ル「当面は私邸から通勤することになるだろう、だが接触は最低限に抑えたい。だから、お前に押しつけてやろうと思ってな」
やけに清々しい笑みで、しれっと本音を述べるルーファウスにツォンが眉頭を寄せる。
ル「ワガママお嬢様の全てを叶えてやる必要はない、機嫌を悪くしない程度に相手をしてやれ」
ツ「…わかりました」
ツォンも若干の面倒くさそうな表情で返した。
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当日。
「あなた、誰。どうしてルーファウス様が迎えてくださらないのかしら?」
ルーファウスの私邸の玄関前で出迎えたツォンに、令嬢は不機嫌を隠すことなく言った。
ツ「只今、ルーファウス様は仕事で出社しております。帰宅されるまでの間、貴女様を丁重に《もてなす》よう申し付けられております。ツォンと申します」
「はぁ、なら戻られるまで退屈そうね。私の部屋は、どこになりますの?」
彼女と共にリムジンから降りてきた若い侍女と初老の執事が、両手に大きなトランクをぶら下げて後に続く。
ツ「どうぞ、こちらです」
ツォンは先頭を歩いて私邸の中へ促す。
彼女のために用意した客室に案内するため、吹き抜けた2階への階段をスローペースで昇っていると。
「ちょっとッ、私のバッグを揺らさないで❗️貴方たちには、とても弁償できない額のブランド品ばかりなのよ‼️」
振り返ると、階段の踊り場で立ち止まった令嬢が、後続の侍女を叱りつけ声を荒げている。
ツ「…お持ちしましょうか?」
「結構よッ、初めて会ったばかりの人なんて信用できる訳がないもの」
ツ「左様ですか」
「ねぇ、アナタもう少し愛想よく笑ったり出来ないの」
ツ「…苦手でして。それに」
「❗️」
ツォンは、グイッ..と彼女の腰を抱き寄せれば、顎に手を当て持ち上げる。
ツ「貴女の方こそ、こんな表情の見えない《仮面》を着けて、人のこと言えないのでは」
「ッ、…離してッ‼️」
執「❗️ **お嬢様‼️」
ドンっ..とツォンを両手で押し退け、よろめいた彼女が転ばないよう執事が駆け上がって支えた。
仮面の穴から覗く双眸は、憎悪のように鋭くツォンを睨んでいる。
ツ「…失礼しました。部屋は階段を上がって、すぐ横の場所です」
「フンッ」
彼女は、自分を支える執事の手を振り払うようにして態勢を整え歩き出した。
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