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オニと人間(未完
「名前を変える」
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_
_「ねぇ、見て!町が見えたよっ」
鬱蒼と茂る森を抜けた小高い丘から眼下に広がる立派な町を指差しながら、**が振り返る。
ツ「今夜は布団で寝れそうだな」
はしゃいで駆け出す**の後を着いて歩いて行くツォン。
立派な門構えの両脇には役人ではなく、道士服の人間が立っている。
門「止まれ! お前たち道士であるか?」
ツ「そうだが」
門「そうか、なら宿は北区にあるものを利用せよ。御殿にも近い、必ず長に挨拶されよ」
そう忠告のような案内を受けて町に通された。
_「何あれ」
ツ「どうやら、この町は退魔士が治めているようだ」
_「へぇ、珍しいね。お殿様、居ないんだ」
大通りの手前に掲示されている町の全体図を眺めていると、女性が近づいてきた。
女「あの…道士様方、お願いがございます」
振り向くと、中年と言うにはまだ若い女性が立っている。
ツ「よく分かったな、私たちが退魔士だと」
女「道士様の服は見慣れておりますから」
先程の門番たちも道志服を着ていたが、よく見るとチラホラ町人の中にも同じ服装の人が見受けられた。
女「それに、その刺青が見えましたので」
**の首に、淡い紅色の模様が入っている。
女「宜しければ私の宿に来ていただけませんか?」
先程の門番が言っていた宿のことだろうか。
ツ「北区にあるという?」
女「いえ、私の宿は南区にございます」
ツ「…なるほど。では案内お願いする」
ツォンの返事を聞いて、それまで暗い顔をしていた女性は微笑みを浮かべた。
女「ありがとうございます! こちらです」
頭を下げて、女性は促しながら歩き出す。
女「この町は大きいので、北区と南区に分かれていて宿は両方にあるのです。貿易も盛んで、旅人の中継地でもあるので宿も大きく繁盛しているんです」
大通りを歩きながら説明する女性の表情が再び暗くなる。
女「ウチの宿は歴史も古くて、お得意さんや大店の取引場所として利用客も多かったのですが…」
_「なにかあったの?」
女「その話は宿に着いてからお話しさせてください」
そうして数分ほど歩いて、大きな建物の前で女性が立ち止まった。暖簾を片手で持ち上げながら振り向く。
女「どうぞ、お入りください」
_「わぁー、凄い大きいね」
**が感動するのも無理はないぐらいに立派で、使い込まれているが古臭くはないレトロな雰囲気の漂う木造の建物だった。
大通りに面しているので集客も悪くなさそうだが、宿の広い玄関口には他に人がいない。
部屋に通される間にも人の気配は感じなかった。
広間の座敷で茶を並べて、卓の向かいに座った女性は深い溜め息を吐いた。
ツ「それで、私たちに用とは」
ツォンが切り出すと、女性は目を伏せる。
女「…妖を祓って頂きたいのです」
→
_「ねぇ、見て!町が見えたよっ」
鬱蒼と茂る森を抜けた小高い丘から眼下に広がる立派な町を指差しながら、**が振り返る。
ツ「今夜は布団で寝れそうだな」
はしゃいで駆け出す**の後を着いて歩いて行くツォン。
立派な門構えの両脇には役人ではなく、道士服の人間が立っている。
門「止まれ! お前たち道士であるか?」
ツ「そうだが」
門「そうか、なら宿は北区にあるものを利用せよ。御殿にも近い、必ず長に挨拶されよ」
そう忠告のような案内を受けて町に通された。
_「何あれ」
ツ「どうやら、この町は退魔士が治めているようだ」
_「へぇ、珍しいね。お殿様、居ないんだ」
大通りの手前に掲示されている町の全体図を眺めていると、女性が近づいてきた。
女「あの…道士様方、お願いがございます」
振り向くと、中年と言うにはまだ若い女性が立っている。
ツ「よく分かったな、私たちが退魔士だと」
女「道士様の服は見慣れておりますから」
先程の門番たちも道志服を着ていたが、よく見るとチラホラ町人の中にも同じ服装の人が見受けられた。
女「それに、その刺青が見えましたので」
**の首に、淡い紅色の模様が入っている。
女「宜しければ私の宿に来ていただけませんか?」
先程の門番が言っていた宿のことだろうか。
ツ「北区にあるという?」
女「いえ、私の宿は南区にございます」
ツ「…なるほど。では案内お願いする」
ツォンの返事を聞いて、それまで暗い顔をしていた女性は微笑みを浮かべた。
女「ありがとうございます! こちらです」
頭を下げて、女性は促しながら歩き出す。
女「この町は大きいので、北区と南区に分かれていて宿は両方にあるのです。貿易も盛んで、旅人の中継地でもあるので宿も大きく繁盛しているんです」
大通りを歩きながら説明する女性の表情が再び暗くなる。
女「ウチの宿は歴史も古くて、お得意さんや大店の取引場所として利用客も多かったのですが…」
_「なにかあったの?」
女「その話は宿に着いてからお話しさせてください」
そうして数分ほど歩いて、大きな建物の前で女性が立ち止まった。暖簾を片手で持ち上げながら振り向く。
女「どうぞ、お入りください」
_「わぁー、凄い大きいね」
**が感動するのも無理はないぐらいに立派で、使い込まれているが古臭くはないレトロな雰囲気の漂う木造の建物だった。
大通りに面しているので集客も悪くなさそうだが、宿の広い玄関口には他に人がいない。
部屋に通される間にも人の気配は感じなかった。
広間の座敷で茶を並べて、卓の向かいに座った女性は深い溜め息を吐いた。
ツ「それで、私たちに用とは」
ツォンが切り出すと、女性は目を伏せる。
女「…妖を祓って頂きたいのです」
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