*
ロシアンルーレット
「名前を変える」
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
…
ポツポツと雨が降ってきた。
小雨は時間を経たず土砂降りになり、周囲の景色を霞ませる。
そんな中、**は灰色の空を見上げた。
ツ「風邪をひくぞ」
開いた傘を差し出して、その下に招き入れる。
「主任…」
淡々と任務を成せる**だが、人を殺すことに躊躇いがない訳では無い。
本当はやりたくない、けどそれを口に出すことはしない。
タークスである以上、汚れ仕事は避けられないからだ。
「ありがとうございます」
俯く**の肩を抱いて、ツォンは社宅へと帰った。
ツ「湯は張ってある、しっかり浸かって温まれよ」
「はい」
ツォンは気を紛らわせるための酒を用意する。
あとは軽く摘めるものも。
恐らく食欲はないだろう。
**はバラしの任務の後に、行方を眩ませることが度々あった。
続きの任務は入れずに翌日の仕事をボイコットすることもあり、それを防ぐため、**にバラしの任務を頼んだ後は必ずツォンが迎えにいくことにしたのだ。
仕事の後、以前ぽつりと**が零したことがある。
誰かを殺める度、小さなカケラを失うと。
そのカケラとは何かを訊くと、心の一部だと言った。
痛む心は無いけれど、いつかは心も失える。
そしたら苦しみなく任務をこなせると、呟いた**の目が印象に残っていた。
哀しみとも違う、虚な瞳は何を見ているのか。
**は孤児だった、
けれど生い立ちから記録から一切が失われており、不明な点が多い。
だが本人に訊いても話してはくれないだろう、と思った。
仕事に支障は出ていないので保留になっている。
入浴した**は、3分丈のショーパンにシャツというシンプルな格好を好んでいる。
ソファに座ると、甘口のワインをグラスに注いで渡してやる。
「ありがと」
ツ「疲れただろう?」
「ん、少し」
ワインに口をつけながら、ポツポツと会話を交わす。
数時間が経つ頃には、**は眠ってしまった。
アルコールに強くはないが、飲むことは好きなのだという。
ツォンは大切なものを扱うように、優しく抱き上げてベッドへ運ぶ。
出来る限り人を傷つける仕事を振りたくはないが、PSの高い**に頼らざるを得ない状況なのだった。
かと言って、他に女の仕事といったら色情に絡むものが多くなる。それは本人も嫌がるし、何より恋人としてもさせたくはない。
**を取り巻く全てのものが複雑過ぎた。
ツォンは側で支えながら見守ることしか出来ないのが歯痒かった。
なんとかタークスから、**の身に関わる全ての柵から抜け出させる方法が見つかるまで、傍に在り続けると近いながら、ツォンは**と唇を重ねた。
2021.0420
ポツポツと雨が降ってきた。
小雨は時間を経たず土砂降りになり、周囲の景色を霞ませる。
そんな中、**は灰色の空を見上げた。
ツ「風邪をひくぞ」
開いた傘を差し出して、その下に招き入れる。
「主任…」
淡々と任務を成せる**だが、人を殺すことに躊躇いがない訳では無い。
本当はやりたくない、けどそれを口に出すことはしない。
タークスである以上、汚れ仕事は避けられないからだ。
「ありがとうございます」
俯く**の肩を抱いて、ツォンは社宅へと帰った。
ツ「湯は張ってある、しっかり浸かって温まれよ」
「はい」
ツォンは気を紛らわせるための酒を用意する。
あとは軽く摘めるものも。
恐らく食欲はないだろう。
**はバラしの任務の後に、行方を眩ませることが度々あった。
続きの任務は入れずに翌日の仕事をボイコットすることもあり、それを防ぐため、**にバラしの任務を頼んだ後は必ずツォンが迎えにいくことにしたのだ。
仕事の後、以前ぽつりと**が零したことがある。
誰かを殺める度、小さなカケラを失うと。
そのカケラとは何かを訊くと、心の一部だと言った。
痛む心は無いけれど、いつかは心も失える。
そしたら苦しみなく任務をこなせると、呟いた**の目が印象に残っていた。
哀しみとも違う、虚な瞳は何を見ているのか。
**は孤児だった、
けれど生い立ちから記録から一切が失われており、不明な点が多い。
だが本人に訊いても話してはくれないだろう、と思った。
仕事に支障は出ていないので保留になっている。
入浴した**は、3分丈のショーパンにシャツというシンプルな格好を好んでいる。
ソファに座ると、甘口のワインをグラスに注いで渡してやる。
「ありがと」
ツ「疲れただろう?」
「ん、少し」
ワインに口をつけながら、ポツポツと会話を交わす。
数時間が経つ頃には、**は眠ってしまった。
アルコールに強くはないが、飲むことは好きなのだという。
ツォンは大切なものを扱うように、優しく抱き上げてベッドへ運ぶ。
出来る限り人を傷つける仕事を振りたくはないが、PSの高い**に頼らざるを得ない状況なのだった。
かと言って、他に女の仕事といったら色情に絡むものが多くなる。それは本人も嫌がるし、何より恋人としてもさせたくはない。
**を取り巻く全てのものが複雑過ぎた。
ツォンは側で支えながら見守ることしか出来ないのが歯痒かった。
なんとかタークスから、**の身に関わる全ての柵から抜け出させる方法が見つかるまで、傍に在り続けると近いながら、ツォンは**と唇を重ねた。
2021.0420