*
出逢い、再び
「名前を変える」
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…
ア「やっぱり神羅兵が居るな」
会場となる洋館の門前には2人の兵士が警備のために常駐している。
「堂々として、私たちは招待客なんだから」
そう言いながらも、やや緊張の面持ちで2人は兵士の間を通り過ぎる。
ア「…よし」
「ふぅ、無事に入れたね。このマスクが無いと入場できないのは本当なんだ」
2人は今、顔の上半分を覆い隠す煌びやかな仮面を着けている。
この仮面こそ『マスク・ド・ナイトパーティー』通称《MNP》に参加する為の条件であり、招待状の代わりにもなっている。
このパーティーには神羅に与する企業や貴族らが、こぞって参加している。
そして、秘密の取引を行う場としても恰好の場となっていた。
今回2人が潜入したのも、とある情報を取引して得る為だった。
アバランチの中から選ばれたのは、**とアレフ。
元貴族ということもあり、仮面を入手するのに長けた人選であった。
ア「それじゃ、行ってくる。合図したら外で合流だ」
「オッケー」
そう言って、アレフは単独で会場へと消えた。
**の役目は、会場潜入までの手引きなので待つ他にない。
「(こんなドレス着るのも久しぶりだな)」
親の方針に反発し嫌気が差して、家を出たのが数年前。
昔は時々、夜会には出席していたものの、ここに知り合いなど居そうにないことに安堵の溜め息が漏れる。
?「素敵なレディ、良かったら一杯どうかな」
そう声をかけられて、どんな軟派男かと思いながら振り向いた。
煌びやかな白と金の装飾の仮面が似合うプラチナブロンドと、青い瞳を持つ好青年に言葉を失う。
?「どうかしたか?」
「あ、いえ…その、私で良ければ」
そう自然に口から出た言葉に自分でも驚く。
見知らぬ異性は好きでは無い。
けれど、目の前に居る人は嫌ではない。
?「珍しい髪色をしている、湖のように美しいな」
夜闇に紛れてしまいそうな深い青、そこに差し色の紅い薔薇。
?「そうだな、君のことは『アクアローズ』と呼ぼう」
そう言いながら、シャンパングラスを差し出してくる。
ポツポツと少しだけ言葉を交わした。
シャンパンの味も分からないぐらい、緊張していた。
彼も誰かの付き合いで、たまたま参加したという。
?「君と出会えたのは幸運だな、たまには悪くない」
互いに、この場限りの出会いと知って、安心したような寂しいような。
「(今更、未練なんて…)」
?「もし良ければ…」
セリフの先を期待して、見つめ合う2人。
ドォンッ…突然の音と屋敷を揺らす僅かな振動が、淡い夢の終わりを告げた。
会場が大騒ぎになり、あちらこちらから悲鳴が上がる。
人々が一斉に会場の出入り口に向かって殺到する。
「(…合図!)」
?「君、こちらへ」
手を伸ばすが、グイと腕を引かれたのは青年の方だった。
ツ「社長!」
2人の間を人の川が遮り、流れ離されていく。
青い髪は、人の波に攫われて消えてしまった。
ル「…チッ、(名前さえ聞けたなら)」
ツ「ここは危険です、急ぎ避難を」
ル「分かっている」
→
ア「やっぱり神羅兵が居るな」
会場となる洋館の門前には2人の兵士が警備のために常駐している。
「堂々として、私たちは招待客なんだから」
そう言いながらも、やや緊張の面持ちで2人は兵士の間を通り過ぎる。
ア「…よし」
「ふぅ、無事に入れたね。このマスクが無いと入場できないのは本当なんだ」
2人は今、顔の上半分を覆い隠す煌びやかな仮面を着けている。
この仮面こそ『マスク・ド・ナイトパーティー』通称《MNP》に参加する為の条件であり、招待状の代わりにもなっている。
このパーティーには神羅に与する企業や貴族らが、こぞって参加している。
そして、秘密の取引を行う場としても恰好の場となっていた。
今回2人が潜入したのも、とある情報を取引して得る為だった。
アバランチの中から選ばれたのは、**とアレフ。
元貴族ということもあり、仮面を入手するのに長けた人選であった。
ア「それじゃ、行ってくる。合図したら外で合流だ」
「オッケー」
そう言って、アレフは単独で会場へと消えた。
**の役目は、会場潜入までの手引きなので待つ他にない。
「(こんなドレス着るのも久しぶりだな)」
親の方針に反発し嫌気が差して、家を出たのが数年前。
昔は時々、夜会には出席していたものの、ここに知り合いなど居そうにないことに安堵の溜め息が漏れる。
?「素敵なレディ、良かったら一杯どうかな」
そう声をかけられて、どんな軟派男かと思いながら振り向いた。
煌びやかな白と金の装飾の仮面が似合うプラチナブロンドと、青い瞳を持つ好青年に言葉を失う。
?「どうかしたか?」
「あ、いえ…その、私で良ければ」
そう自然に口から出た言葉に自分でも驚く。
見知らぬ異性は好きでは無い。
けれど、目の前に居る人は嫌ではない。
?「珍しい髪色をしている、湖のように美しいな」
夜闇に紛れてしまいそうな深い青、そこに差し色の紅い薔薇。
?「そうだな、君のことは『アクアローズ』と呼ぼう」
そう言いながら、シャンパングラスを差し出してくる。
ポツポツと少しだけ言葉を交わした。
シャンパンの味も分からないぐらい、緊張していた。
彼も誰かの付き合いで、たまたま参加したという。
?「君と出会えたのは幸運だな、たまには悪くない」
互いに、この場限りの出会いと知って、安心したような寂しいような。
「(今更、未練なんて…)」
?「もし良ければ…」
セリフの先を期待して、見つめ合う2人。
ドォンッ…突然の音と屋敷を揺らす僅かな振動が、淡い夢の終わりを告げた。
会場が大騒ぎになり、あちらこちらから悲鳴が上がる。
人々が一斉に会場の出入り口に向かって殺到する。
「(…合図!)」
?「君、こちらへ」
手を伸ばすが、グイと腕を引かれたのは青年の方だった。
ツ「社長!」
2人の間を人の川が遮り、流れ離されていく。
青い髪は、人の波に攫われて消えてしまった。
ル「…チッ、(名前さえ聞けたなら)」
ツ「ここは危険です、急ぎ避難を」
ル「分かっている」
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