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寂しがりの蝶
「名前を変える」
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…
ツ「ルーファウス様」
ル「なんだ」
先日の夜会で疲れて寝過ごしたルーファウスは、欠伸をしながら応えた。
ツ「先方から手紙が届いております」
ル「ん」
ツォンがペーパーナイフで封を切り、ルーファウスに手渡す。
寝ぼけ眼で手紙を開いたルーファウスの顔色が変わる。
ル「…何だと」
ツ「どうかされましたか」
するとルーファウスは、手紙をビリビリと破いて捨ててしまった。
ル(…許さん)
ツ「…。」
グシャッと封筒を握り潰したルーファウスは、立ち上がり手早く着替え始める。
ル「車を回せ」
ツ「はっ」
…
**は、自室の窓からテラスに出て空を見上げる。
なんだか、空気がとても清々しく感じられて、**は笑ってしまった。
「(なんで、もっと早く、こうしていればと気付かなかったんだろう)」
例え、お飾りだとしてもルーファウスのことは好きだった。
だからこそ夜会の度に、他の女性たちと一緒にいるルーファウスを見ていることが辛かった。
彼が誰かに笑いかける度に、心が軋んだ。
涙が出そうになるのを堪えていたから、きっと厳しい表情をしていたに違いない。
それで、ますます他人を遠ざけていた。
けれど、もうそんな生活とも、お別れ。
きっと解消は受け入れてもらえるだろう、そんな風に考えていた時。
キキィィッ、という車のブレーキ音が聞こえてきた。
そして、直後に階下で騒ぎ声がして、その声はどんどん近づいてくる。
バンッ、**の部屋のドアが乱暴に開かれ、侵入してきたのは、
「えっ、ルーファウス様…」
どうして彼がこんなことを、と考える間もなくルーファウスは足早に近づき、**の片手を握ると頭上に掲げた。
「いたっ」
**より長身のルーファウスに腕を引き上げられると、爪先がギリギリ床に届くぐらいに浮いてしまい、痛みに顔を痛みに歪ませる。
ル「私との婚約は解消させん」
低く唸るルーファウスに、**の顔が恐怖に強張った。
「だ、だって…」
ル「なんだ?」
ルーファウスの冷たい目に、言葉が引っ込みかけるが、勇気を出して思いを伝える。
「ルーファウス様は、いつも他の女性とばかり過ごしているから」
それを聞いて、ルーファウスは腕を下ろした。
ル「他に好きな男が出来たのではないのか?」
「え!ち、違いますっ」
ル「そうか、それは悪かったな。…痛むか?」
「少し、でも大丈夫です」
少し考えて、ルーファウスが話し始めた。
ル「あの女性らの中にスパイ疑惑のある人物が居るとの報告があったのでな。炙り出すために、あぁいう対応をせざるを得なかったのだ。それだけだ」
そう言って、ルーファウスが腕を引いて**を抱き寄せる。
「えっ」
ル「思えば、婚約者らしいことは何もしていなかったな」
じっと見つめられ、**は顔が熱くなるのを感じる。
ル「フッ、真っ赤だな、可愛らしい」
髪に口付けられたと思って、ますます赤くなる**を愛おしげに見つめるルーファウス。
今まで想われていないと思っていただけに、急な恋人らしさに**は戸惑うことしか出来ない。
ル「もしや、私に愛されていないなどと勘違いしてはいないだろうな?」
「え、えっと…」
歯切れ悪く答える**に、フッと微笑むルーファウス。
ル「ならば、たっぷりと教え込んでやらねばならんな。」
左手で**の顔を上げさせると、口付ける。
「んんっ」
時間を掛け、じっくりと口腔を舐られてから顔が離れると、寄り掛かるようにしてルーファウスの腕の中に抱き込まれた。
ル「今夜は離してやらんぞ」
「え、えっ?」
ル「私とて、**に触れるのを我慢してきたからな」
そして、ルーファウスは**を抱き上げ、車に乗り込む。
ル「私の屋敷で、たっぷり愛してやる。これから毎日、な」
甘い囁きに囚われて。
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20200701…なならび*
ツ「ルーファウス様」
ル「なんだ」
先日の夜会で疲れて寝過ごしたルーファウスは、欠伸をしながら応えた。
ツ「先方から手紙が届いております」
ル「ん」
ツォンがペーパーナイフで封を切り、ルーファウスに手渡す。
寝ぼけ眼で手紙を開いたルーファウスの顔色が変わる。
ル「…何だと」
ツ「どうかされましたか」
するとルーファウスは、手紙をビリビリと破いて捨ててしまった。
ル(…許さん)
ツ「…。」
グシャッと封筒を握り潰したルーファウスは、立ち上がり手早く着替え始める。
ル「車を回せ」
ツ「はっ」
…
**は、自室の窓からテラスに出て空を見上げる。
なんだか、空気がとても清々しく感じられて、**は笑ってしまった。
「(なんで、もっと早く、こうしていればと気付かなかったんだろう)」
例え、お飾りだとしてもルーファウスのことは好きだった。
だからこそ夜会の度に、他の女性たちと一緒にいるルーファウスを見ていることが辛かった。
彼が誰かに笑いかける度に、心が軋んだ。
涙が出そうになるのを堪えていたから、きっと厳しい表情をしていたに違いない。
それで、ますます他人を遠ざけていた。
けれど、もうそんな生活とも、お別れ。
きっと解消は受け入れてもらえるだろう、そんな風に考えていた時。
キキィィッ、という車のブレーキ音が聞こえてきた。
そして、直後に階下で騒ぎ声がして、その声はどんどん近づいてくる。
バンッ、**の部屋のドアが乱暴に開かれ、侵入してきたのは、
「えっ、ルーファウス様…」
どうして彼がこんなことを、と考える間もなくルーファウスは足早に近づき、**の片手を握ると頭上に掲げた。
「いたっ」
**より長身のルーファウスに腕を引き上げられると、爪先がギリギリ床に届くぐらいに浮いてしまい、痛みに顔を痛みに歪ませる。
ル「私との婚約は解消させん」
低く唸るルーファウスに、**の顔が恐怖に強張った。
「だ、だって…」
ル「なんだ?」
ルーファウスの冷たい目に、言葉が引っ込みかけるが、勇気を出して思いを伝える。
「ルーファウス様は、いつも他の女性とばかり過ごしているから」
それを聞いて、ルーファウスは腕を下ろした。
ル「他に好きな男が出来たのではないのか?」
「え!ち、違いますっ」
ル「そうか、それは悪かったな。…痛むか?」
「少し、でも大丈夫です」
少し考えて、ルーファウスが話し始めた。
ル「あの女性らの中にスパイ疑惑のある人物が居るとの報告があったのでな。炙り出すために、あぁいう対応をせざるを得なかったのだ。それだけだ」
そう言って、ルーファウスが腕を引いて**を抱き寄せる。
「えっ」
ル「思えば、婚約者らしいことは何もしていなかったな」
じっと見つめられ、**は顔が熱くなるのを感じる。
ル「フッ、真っ赤だな、可愛らしい」
髪に口付けられたと思って、ますます赤くなる**を愛おしげに見つめるルーファウス。
今まで想われていないと思っていただけに、急な恋人らしさに**は戸惑うことしか出来ない。
ル「もしや、私に愛されていないなどと勘違いしてはいないだろうな?」
「え、えっと…」
歯切れ悪く答える**に、フッと微笑むルーファウス。
ル「ならば、たっぷりと教え込んでやらねばならんな。」
左手で**の顔を上げさせると、口付ける。
「んんっ」
時間を掛け、じっくりと口腔を舐られてから顔が離れると、寄り掛かるようにしてルーファウスの腕の中に抱き込まれた。
ル「今夜は離してやらんぞ」
「え、えっ?」
ル「私とて、**に触れるのを我慢してきたからな」
そして、ルーファウスは**を抱き上げ、車に乗り込む。
ル「私の屋敷で、たっぷり愛してやる。これから毎日、な」
甘い囁きに囚われて。
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20200701…なならび*
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