暫くして、美朱を元の世界へ帰してやろうという案が出された。
そのためには、この世界を統べる太一君に謁見すべく、大極山へと足を運ばなければならない。

選ばれた者にしか入れない、心が荒んだままではただの岩山にしか見えない、神秘の山。
そこへ赴くために、柳宿は美朱と同行することを決めた。

その旅の途中で、柳宿は見た。
七星士たちに危機が訪れた時、生半可な根性しかないような娘が、自らを犠牲にして自分たちを救ってくれた勇気を。
結果、その行為が天帝に認められ、四人は太極山へたどり着いた。

美朱の傷も無事に治療してもらい、大事に至らずに済んだ。

その日を境に、柳宿は彼女を、巫女として慕うようになった。
七星士の誇りにかけて、巫女を守ってやろうと決めた。

星宿様や鬼宿に見守られ、美朱は元の世界へ帰ってしまったけれど、私は必ず、あの子がこちらへ戻ってくると信じている。

私たちを救ってくれた巫女、夕城美朱。
あんたが私たちの元へ帰ってきた時には、今度は巫女に仕える七星士として、あんたを笑顔で迎えるわ。



fin.
2009/12/07