家入と二人だけの任務なんて久しぶりな気がする
最近は五条と一緒のが多かったし、なんで付いて来るかよくわかんないけど
今回の任務内容は家入と共に呪霊の目撃があった場所へ向かいその排除と負傷者の治療


「巫月、私に傷一つでも付けたら慰謝料100万ね」
『高…善処するよ』


なんて軽口を言っていると現場の三階建廃墟ビルへ着く
廃墟からは呪霊の気配がひしひしと感じ取れる
開示によると呪霊の階級は４、３級


『家入は此処で待ってて、負傷者が居たら祓ってから連れて来るから』
「それなら一緒に行った方が早いだろ
守ってくれるんでしょ？」
『…わかった、傷一つ付けさせない』
「言ったな」


にやりと笑う家入に頷いて一緒に足を踏み入れた
廃墟には二人ぶんの足音、家入を気にしながら祓い進んでいく


「やっぱ戦い辛い？」
『いや、いい特訓になるよ』
「そりゃ良かった、あ、巫月あそこ」
『負傷者だね』


行こう、と物陰に隠れるようにしている人影に近付いて行くと二人共気を失っているようで家入が治療している間警戒する
一階二階は無人、三階の今負傷者が二人
開示にあった負傷者がこの二人だろう、あとは潜んでる呪霊を祓うだけだ


「応急処置は終わったよ」
『ん。一先ずこの二人を外まで連れて行こう
悪いけど、女性の方お願いしていいかな』
「仕方ないなぁ今度買い物付き合ってよ」
『ぅ…うん』


また紙袋の山を持って歩くのか…あの二人道連れに出来ないかな、なんて考えながら二人で下っていく
一階に着いてそっと息を吐き出し隣の家入へ目を向けると壁の目と、合った


『っ家入！！』
「っ！？」


ドンッと勢いよく家入を突き飛ばした瞬間呪霊の吐き出した物が直撃して視界が無くなった。