此処穴場らしいよ、という夏油の言葉にみんなそれぞれ買ったものを食べたりしながら花火を待つ
携帯を見ると花火開始まであと10分


「あっちぃ〜…帰ったら速攻シャワー浴びてー」


パタパタと手で自分に風を送りながら隣に座った五条にちらりと目を向ける


『五条はこういうとこ来たことあるの？』
「んー、無い訳じゃねぇけどガキの頃は賞金付いてたからあんまねーな」
『そっか…』


賞金、その言葉にいつもサングラスで隠されている蒼い目を思い出す
六眼と呼ばれる特殊な瞳と五条家の無下限を併せ持った五条は幼少期からさぞ狙われた事だろう
御三家の一つなんて俺には計り知れないけど、なんて思っている俺の頬にぷにっと五条の人差し指が刺さる


「ブサイクになってたぞ」
『ほっとけ』
「、お前変わったよな」
『なに、急に』
「前まではクソ懐かねぇ野良猫みたいだったっつってんの」
『誰が野良ね──』


言葉を遮るように花火が打ち上がる大きな音がして咄嗟に空を見上げる
大きな音をたてながら夜空に大輪の花が咲く
様々な色、形、全てに目を奪われる


『すごい…』


間髪入れずに打ち上がる花火に夢中になっていたらあっという間に中盤を過ぎて終盤の準備時間になってしまった
花火ってあっという間だな…


『どうしたの？』
「は！？べ、別に！なんでもねーよ！」
『？？』


花火でも撮ったのか携帯を眺めていた五条に話し掛けたらぱっと携帯を閉じてそっぽを向かれた
なんだ？彼女にでもメールしてたのか？？