買い物、と称して家入の荷物持ちを引き受ける事になった俺は両手に紙袋を持って商店街を歩いていた


「アイツらが居たらもうちょっと回れたんだけどなぁ」
『まだ回るつもりだったのかよ…』
「何言ってんの、こんなの序の口じゃん
非力な巫月クンの為にこれで我慢してやってんの」
『そりゃどーも』


呆れて商店街に並ぶ店に視線を向けてふと柱の張り紙が目に付く
それをじっと見ていたようで


「へぇ今週末に花火大会あるんだね
花火は綺麗だけどあの人混みは堪えるわ」
『そんなに凄いの？』
「、行ったこと無いの？」
『小さい頃は、あると思うけど…』
「…………帰るよ」
『えっ？ちょっ』


覚えてないなぁと記憶を辿っていると腕を掴まれて強制連行


「今週末、絶対空けといて」
『えぇ？空けといてって言われても…』
「わかった？」
『ふぁい』


むにーっと頬を引っ張られながら有無を言わさないという瞳で言われてしまえば頷くしかない
今週末、家入が何を言おうとしているのかわかってなんだか胸の辺りがむず痒い


『…ありがと』
「礼なら、当日迎えてから言いな」


任務なんていつ何時入るかわかんないけど、今週末くらいは全員揃うといいな。