優しいせかい
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任務を終え監督が待つ車へ向かっているとポツポツと肌が濡れる
空を見上げると雲がどんよりと重く、頬に落ちる雨が酷くなる前に早く戻ろうと駆け足で向かった
高専に着くまでに小降りだった雨は本降りに変わり車体を叩く
雨音に頭が少し重くなり胸がざわつき手が震える
大丈夫、と何度も心で呟いて掌を握った
報告書を出し寮に帰って談話室の前を通ると「よぉ」と声を掛けられ見遣ると五条がソファに踏ん反り返っていた
「遅かったじゃん
そんなに手こずった訳?」
『ほぼ移動』
「ふーん」
二日居なかっただけで何故不機嫌です、という雰囲気を出されなければいけないのか
「…お前風邪引いた?」
『?ちょっと濡れたけど、別に…』
急に何を言い出したかと思えばずかずか近付いて来てコツンと普段高い位置にある額が当たる
『(あれ、これ前にも)』
以前、夏油にも同じことをされた覚えがある
瞬きを繰り返していると眉を寄せた顔が見えた
「熱はねぇけど、顔死にかけてんぞ」
『死にかけてるって…』
「あと、」
『っ…』
手ぇ震えてる、と手を掴まれた
僅かに震える手にまだ治まってなかったのかと内心呆れる
『平気、ちょっとしたら治るから』
「今更俺に気ぃ使ってんじゃねーよ
雨、嫌なんだろ」
『…前よりは、平気…』
「そうか」
土砂降りじゃないにしてもどうしても雨の日は心がざわついてヒリヒリして、焦燥感に駆られる
昔の俺は雨の日は使い物にならなくてどうしようも無かったけど今は、この程度で済むようになった
それは、きっと三人に会えたから
掌から五条の熱が伝わってじんわりと温かくなり震えも無くなったのを感じて見上げる
『ん、もう大丈夫…ありがと』
「ん。」
ぱっと手が離れて元居たソファにドカリと座った五条に少し笑って着替える為に自室へ向かった
そんな俺の姿を見送った五条が、真っ赤な表情をしていたなんて知る由もない。
空を見上げると雲がどんよりと重く、頬に落ちる雨が酷くなる前に早く戻ろうと駆け足で向かった
高専に着くまでに小降りだった雨は本降りに変わり車体を叩く
雨音に頭が少し重くなり胸がざわつき手が震える
大丈夫、と何度も心で呟いて掌を握った
報告書を出し寮に帰って談話室の前を通ると「よぉ」と声を掛けられ見遣ると五条がソファに踏ん反り返っていた
「遅かったじゃん
そんなに手こずった訳?」
『ほぼ移動』
「ふーん」
二日居なかっただけで何故不機嫌です、という雰囲気を出されなければいけないのか
「…お前風邪引いた?」
『?ちょっと濡れたけど、別に…』
急に何を言い出したかと思えばずかずか近付いて来てコツンと普段高い位置にある額が当たる
『(あれ、これ前にも)』
以前、夏油にも同じことをされた覚えがある
瞬きを繰り返していると眉を寄せた顔が見えた
「熱はねぇけど、顔死にかけてんぞ」
『死にかけてるって…』
「あと、」
『っ…』
手ぇ震えてる、と手を掴まれた
僅かに震える手にまだ治まってなかったのかと内心呆れる
『平気、ちょっとしたら治るから』
「今更俺に気ぃ使ってんじゃねーよ
雨、嫌なんだろ」
『…前よりは、平気…』
「そうか」
土砂降りじゃないにしてもどうしても雨の日は心がざわついてヒリヒリして、焦燥感に駆られる
昔の俺は雨の日は使い物にならなくてどうしようも無かったけど今は、この程度で済むようになった
それは、きっと三人に会えたから
掌から五条の熱が伝わってじんわりと温かくなり震えも無くなったのを感じて見上げる
『ん、もう大丈夫…ありがと』
「ん。」
ぱっと手が離れて元居たソファにドカリと座った五条に少し笑って着替える為に自室へ向かった
そんな俺の姿を見送った五条が、真っ赤な表情をしていたなんて知る由もない。