桃宮唾切妻成り代わり
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【12月7日】
仕事からの帰り道、駅の前に飾られている大きな大きなもみの木やイルミネーションに
(もうすぐクリスマスかぁ)
と思いながら立ち止まる。
ここのところ忙しくて、自分の事でいっぱいいっぱいだった。周りを見回してみると、カップルや家族連れ、友人らと色とりどりのオーナメントを眺めている人々で溢れていた。
その人達に混ざって一緒に眺めていた私は、プレゼントボックスの形をしたオーナメントを見て、ある事を思い出した。
(桃宮君のプレゼント買ってない!)
ピシャーン。頭に雷が直撃した様な衝撃が走る。クリスマスまで残り3週間の間に、プレゼントを買わなきゃ。
【12月20日】
(やばい。ぜんっぜんプレゼントが決まらない)
刻一刻と聖夜の日に、男物の商品ページが開かれているスマホ片手にベッドの上で項垂れる。壁にかけられたカレンダーをちらりと見て、焦燥感にかられる。
あーもう。そう思いながら枕を抱えて、ベッドの上で転がる。
天井をぼんやりと眺めていると、メッセージの通知音がなる。
そこには桃宮からクリスマス当日に会えなくなった事への謝罪と、予約していた店のキャンセル料は自分が払う事が書かれていた。
スタンプで返事をした私は、残念な気持ちと時間の猶予が出来たことへ安堵の二つの気持ちを抱えながら、商品ページに戻りまたプレゼント選びを再開した。
【12月27日】
クリスマスが終わり駅に飾られていたツリーやオーナメントが片付けられていくのを、駅前にあるカフェから見る。クリスマスから数日後の土曜日、桃宮君が埋め合わせに予約しているレストランに行く為に待ち合わせをしていた。
「瑞希」
「桃宮君」
「待たせたね。行こうか」
差し出された手に自身の指を絡ませて、お金を払ってカフェを出る。
レストランへ向かう道中通り過ぎた店の前には既に門松が飾られていて、気が早すぎじゃないだろうかと私は思った。
レストランに着いて席に案内され、椅子に座った私はラッピングされたプレゼントを桃宮君に渡した。
ちなみにプレゼントは手袋である。さんざん悩んだ末、無難なのがいいのでは?となった結果だ。
桃宮君は「ありがとう」と言って受け取ってくれると
「僕のはディナーの後に渡すよ」と言った。
そしてディナーを終えてシャンパンを飲みながら、この後の事を考えていると桃宮君がことりと目の前に手のひらサイズのケースを置いた。
そのケースを見た瞬間、むせてしまい涙目になる。
「ねえ、桃宮君」
「なんだい」
「これ指輪のケースに見えるんだけど、気の所為かな……」
「気の所為じゃないよ」
桃宮君の手によって開けられたリングケースにはレストランの明かりを反射して、キラリと輝くダイヤの指輪があった。
「左手を出して」
言われるがまま左手を差す。桃宮君は私の薬指に指輪を嵌め、そのまま優しく両手でつつみ込んだ。
「僕と結婚してください」
その言葉に嬉しさが溢れ出し、ボタボタと涙が溢れ出す。涙でマスカラが流れ落ちてしまう、と慌てて紙ナプキンで目元を押さえる。
返事をしようと口を開くが、口から出てくるのは掠れた音ばかりで。
言葉のかわりに首を上下に振って、返事を伝える。
この先彼がどうなるのか、途中までしかアニメを観ていない私には分からない。
涙を流して、暗闇で嘆き悲しむ未来もあるかもしれない。
それでも彼と一緒に生きて、歩いていきたい。
仕事からの帰り道、駅の前に飾られている大きな大きなもみの木やイルミネーションに
(もうすぐクリスマスかぁ)
と思いながら立ち止まる。
ここのところ忙しくて、自分の事でいっぱいいっぱいだった。周りを見回してみると、カップルや家族連れ、友人らと色とりどりのオーナメントを眺めている人々で溢れていた。
その人達に混ざって一緒に眺めていた私は、プレゼントボックスの形をしたオーナメントを見て、ある事を思い出した。
(桃宮君のプレゼント買ってない!)
ピシャーン。頭に雷が直撃した様な衝撃が走る。クリスマスまで残り3週間の間に、プレゼントを買わなきゃ。
【12月20日】
(やばい。ぜんっぜんプレゼントが決まらない)
刻一刻と聖夜の日に、男物の商品ページが開かれているスマホ片手にベッドの上で項垂れる。壁にかけられたカレンダーをちらりと見て、焦燥感にかられる。
あーもう。そう思いながら枕を抱えて、ベッドの上で転がる。
天井をぼんやりと眺めていると、メッセージの通知音がなる。
そこには桃宮からクリスマス当日に会えなくなった事への謝罪と、予約していた店のキャンセル料は自分が払う事が書かれていた。
スタンプで返事をした私は、残念な気持ちと時間の猶予が出来たことへ安堵の二つの気持ちを抱えながら、商品ページに戻りまたプレゼント選びを再開した。
【12月27日】
クリスマスが終わり駅に飾られていたツリーやオーナメントが片付けられていくのを、駅前にあるカフェから見る。クリスマスから数日後の土曜日、桃宮君が埋め合わせに予約しているレストランに行く為に待ち合わせをしていた。
「瑞希」
「桃宮君」
「待たせたね。行こうか」
差し出された手に自身の指を絡ませて、お金を払ってカフェを出る。
レストランへ向かう道中通り過ぎた店の前には既に門松が飾られていて、気が早すぎじゃないだろうかと私は思った。
レストランに着いて席に案内され、椅子に座った私はラッピングされたプレゼントを桃宮君に渡した。
ちなみにプレゼントは手袋である。さんざん悩んだ末、無難なのがいいのでは?となった結果だ。
桃宮君は「ありがとう」と言って受け取ってくれると
「僕のはディナーの後に渡すよ」と言った。
そしてディナーを終えてシャンパンを飲みながら、この後の事を考えていると桃宮君がことりと目の前に手のひらサイズのケースを置いた。
そのケースを見た瞬間、むせてしまい涙目になる。
「ねえ、桃宮君」
「なんだい」
「これ指輪のケースに見えるんだけど、気の所為かな……」
「気の所為じゃないよ」
桃宮君の手によって開けられたリングケースにはレストランの明かりを反射して、キラリと輝くダイヤの指輪があった。
「左手を出して」
言われるがまま左手を差す。桃宮君は私の薬指に指輪を嵌め、そのまま優しく両手でつつみ込んだ。
「僕と結婚してください」
その言葉に嬉しさが溢れ出し、ボタボタと涙が溢れ出す。涙でマスカラが流れ落ちてしまう、と慌てて紙ナプキンで目元を押さえる。
返事をしようと口を開くが、口から出てくるのは掠れた音ばかりで。
言葉のかわりに首を上下に振って、返事を伝える。
この先彼がどうなるのか、途中までしかアニメを観ていない私には分からない。
涙を流して、暗闇で嘆き悲しむ未来もあるかもしれない。
それでも彼と一緒に生きて、歩いていきたい。