桃華月詠
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やばいやばいやばい。だらだらと流れる冷や汗。今にも爆発しそうな程鼓動を打つ心臓。つい数分前に見た恋人の姿を思い出しながら、不味いことになったぞ、と頭痛までしてきた頭で考える。
──恋人の月詠さんとであったのは数カ月前、崇拝しているミョリンパ先生の講演会会場だった。
ミョリンパ先生の講演会が近くで開催されると知った私は、開催日のシフトを確認してみると夜勤だった。ラッキーナンバーを占い、出た番号の座席を購入した。そして開催日を指折り数え待ちに待った当日、隣の席にいたのが月詠さんだった。
(うわ、カッコイイなぁ)
軽く会釈をすると向こうも返してくれた。
講演が始まるとこの場にいる誰よりも真剣な表情で話しを聴いている横顔が格好よくて、勇気を出して自分から声をかけた。
名乗った際に彼の苗字を聞いて一瞬まさかな、と思ったが桃関がこんな所に来るわけがないと思って流した。
話しをしてみると驚く程馬が合った。私と同じ、もしかしたらそれ以上かもしれない彼の日常。ここまで話の合う人は今まで出会ったことがなくて、これはもう運命だと思い連絡先を交換した。
家に帰った後桃華さんとの相性を占ってみると相性は最高の結果が出た。嬉しくて思わず万歳をするが
『避ける事の出来ない壁が立ちはだかる』
壁とはなんだろうか?もしかして恋人、もしくは好きな女性でもいるのだろうか。モヤモヤが心のなかで渦を巻く。
次の講演会開催予定日を調べその日の席を購入し、講演会後に会う約束をして、明日の仕事に備えてその日は眠りについた。
それから一月後の約束した講演会開催日。講演会の後、会場近くの喫茶店で二人で紅茶を飲みながら最近の出来事を話す。
「竹馬で一日過ごしたんですか?!」
「ああ。占いで出たからね」
普通なら「なに馬鹿な事をしているんだ」と怒られそうなものだが、彼の様子から周りの人間は当たり前の事として受け入れているみたいだ。彼の職場は理解がありすぎる。
脳内で竹馬に乗って移動する姿桃華さんを想像して、吹き出してしまう。
(嗚呼、楽しいなぁ)
会話をして、彼の事を知る度に惹かれていく。惹かれていく度に占いの結果が脳裏をよぎり、芽生えたばかりの恋心に影を差す。
(よし、聞くぞ。女は度胸だ)
さり気なく、さり気なく。直接聞いたら気がある事を知られてしまう。
「開運巡り楽しそうですね、彼女さんと行くんですか?」
「いや一人だよ。恋人もいないしね」
「そうなんですか。なんかすいません」
テーブルの下で小さくガッツポーズをする。彼女がいないなら、気後れする必要はない。
それから何度か逢瀬を重ね自分から告白をし、晴れて恋人となれた。告白が成功した日はスキップをしながら帰宅し道行く人々にドン引きされ、職場では花を飛ばしまくりドン引きされた。
それくらい幸せだったのだ。もう、これ以上ないかと思うくらいには。
その幸せが崩れたのはつい数十分前に遡る。朝の早い時間帯、万年人手不足の鬼関で珍しくお休みをもらった私は一人練馬へ朝食を食べに来ていた。朝食に何を食べるか占ってみたところ、パスタが出た。テレビ番組のイタリアン特集で練馬に出来た新しい店のことを紹介していたのを思い出し、スマホで検索してみるとモーニングセットを販売していたのでその店に決めた。
通勤ラッシュ前の早い時間帯、電車には眠そうな顔をした部活生やサラリーマンが乗っていた。電車に揺られて目的の駅に着く。改札を出て暫く歩いていると反対の歩道を歩いている月詠さんの後ろ姿が見えた。
(朝から会えるなんてツイてる!)
「つ──」
声をかけようとして、思考が停止する。月詠さんは桃機関の制服である縦縞模様のはいった上下白のスーツを着用し、その肩には上位の者しか着用できないファー付きの上着がかかっていた。
今来たばかりの道を必死の形相で走る。あまりの形相にすれ違う人々がぎょっとした顔をするが、必死に走る。改札を通り、電車が来るまでの間の時間がとても長く感じた。
(早く、早くきて!)
電車に飛び乗ってまた電車に揺られて、家の最寄り駅に着くとまたひたすら走る。アパートの階段を駆け上がり、バッグから鍵を取りだそうとするが見つからない。端っこにあった鍵を見つけ出し、鍵穴に差し込もうとするが手が震えて上手く入れられない。
鍵穴に傷をいくつも作って、ようやく鍵穴に差し込んで解除する。
ドアにもたれかかり、ずるずるとその場に座り込みばくばくと鳴る心臓と荒い呼吸を落ち着かせる為に深呼吸をする。
──そして現在に至る。
月詠さんに正体が、淀川隊長にこの事がバレる前になんとか別れなければ。もしこの事がバレたら何を言われるか分からない。淀川隊長の顔が脳内に浮かび体が震える。
その時ピコン。とスマホの通知音が鳴った。音に驚いて短い悲鳴と一緒に肩がはねる。
確認してみると送り主は月詠さんからで『今度ここに行かないかい?』
お店のurlも一緒に送られてきたので開いてみると良い感じの店だった。
その日は夜からなら会えると返信し、決意する。
この日に別れを月詠さんに告げよう、と。
──恋人の月詠さんとであったのは数カ月前、崇拝しているミョリンパ先生の講演会会場だった。
ミョリンパ先生の講演会が近くで開催されると知った私は、開催日のシフトを確認してみると夜勤だった。ラッキーナンバーを占い、出た番号の座席を購入した。そして開催日を指折り数え待ちに待った当日、隣の席にいたのが月詠さんだった。
(うわ、カッコイイなぁ)
軽く会釈をすると向こうも返してくれた。
講演が始まるとこの場にいる誰よりも真剣な表情で話しを聴いている横顔が格好よくて、勇気を出して自分から声をかけた。
名乗った際に彼の苗字を聞いて一瞬まさかな、と思ったが桃関がこんな所に来るわけがないと思って流した。
話しをしてみると驚く程馬が合った。私と同じ、もしかしたらそれ以上かもしれない彼の日常。ここまで話の合う人は今まで出会ったことがなくて、これはもう運命だと思い連絡先を交換した。
家に帰った後桃華さんとの相性を占ってみると相性は最高の結果が出た。嬉しくて思わず万歳をするが
『避ける事の出来ない壁が立ちはだかる』
壁とはなんだろうか?もしかして恋人、もしくは好きな女性でもいるのだろうか。モヤモヤが心のなかで渦を巻く。
次の講演会開催予定日を調べその日の席を購入し、講演会後に会う約束をして、明日の仕事に備えてその日は眠りについた。
それから一月後の約束した講演会開催日。講演会の後、会場近くの喫茶店で二人で紅茶を飲みながら最近の出来事を話す。
「竹馬で一日過ごしたんですか?!」
「ああ。占いで出たからね」
普通なら「なに馬鹿な事をしているんだ」と怒られそうなものだが、彼の様子から周りの人間は当たり前の事として受け入れているみたいだ。彼の職場は理解がありすぎる。
脳内で竹馬に乗って移動する姿桃華さんを想像して、吹き出してしまう。
(嗚呼、楽しいなぁ)
会話をして、彼の事を知る度に惹かれていく。惹かれていく度に占いの結果が脳裏をよぎり、芽生えたばかりの恋心に影を差す。
(よし、聞くぞ。女は度胸だ)
さり気なく、さり気なく。直接聞いたら気がある事を知られてしまう。
「開運巡り楽しそうですね、彼女さんと行くんですか?」
「いや一人だよ。恋人もいないしね」
「そうなんですか。なんかすいません」
テーブルの下で小さくガッツポーズをする。彼女がいないなら、気後れする必要はない。
それから何度か逢瀬を重ね自分から告白をし、晴れて恋人となれた。告白が成功した日はスキップをしながら帰宅し道行く人々にドン引きされ、職場では花を飛ばしまくりドン引きされた。
それくらい幸せだったのだ。もう、これ以上ないかと思うくらいには。
その幸せが崩れたのはつい数十分前に遡る。朝の早い時間帯、万年人手不足の鬼関で珍しくお休みをもらった私は一人練馬へ朝食を食べに来ていた。朝食に何を食べるか占ってみたところ、パスタが出た。テレビ番組のイタリアン特集で練馬に出来た新しい店のことを紹介していたのを思い出し、スマホで検索してみるとモーニングセットを販売していたのでその店に決めた。
通勤ラッシュ前の早い時間帯、電車には眠そうな顔をした部活生やサラリーマンが乗っていた。電車に揺られて目的の駅に着く。改札を出て暫く歩いていると反対の歩道を歩いている月詠さんの後ろ姿が見えた。
(朝から会えるなんてツイてる!)
「つ──」
声をかけようとして、思考が停止する。月詠さんは桃機関の制服である縦縞模様のはいった上下白のスーツを着用し、その肩には上位の者しか着用できないファー付きの上着がかかっていた。
今来たばかりの道を必死の形相で走る。あまりの形相にすれ違う人々がぎょっとした顔をするが、必死に走る。改札を通り、電車が来るまでの間の時間がとても長く感じた。
(早く、早くきて!)
電車に飛び乗ってまた電車に揺られて、家の最寄り駅に着くとまたひたすら走る。アパートの階段を駆け上がり、バッグから鍵を取りだそうとするが見つからない。端っこにあった鍵を見つけ出し、鍵穴に差し込もうとするが手が震えて上手く入れられない。
鍵穴に傷をいくつも作って、ようやく鍵穴に差し込んで解除する。
ドアにもたれかかり、ずるずるとその場に座り込みばくばくと鳴る心臓と荒い呼吸を落ち着かせる為に深呼吸をする。
──そして現在に至る。
月詠さんに正体が、淀川隊長にこの事がバレる前になんとか別れなければ。もしこの事がバレたら何を言われるか分からない。淀川隊長の顔が脳内に浮かび体が震える。
その時ピコン。とスマホの通知音が鳴った。音に驚いて短い悲鳴と一緒に肩がはねる。
確認してみると送り主は月詠さんからで『今度ここに行かないかい?』
お店のurlも一緒に送られてきたので開いてみると良い感じの店だった。
その日は夜からなら会えると返信し、決意する。
この日に別れを月詠さんに告げよう、と。
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