詩集 2026年10月〜2026年12月

月明かりだけの部屋
ベッドの上
眠れない夜
顔の横に置いた手を見る

今日もまた
「誰かの手」がそこにあった
寝返りを打つ
肩の奥に鈍い痛みを感じる

文字を言葉にしながら
目を瞑る
瞼の裏には 赤い世界

わたしの紡ぐ言葉が
生まれる世界
言葉の欠片や叫びを
ただ集めてうたにするだけ

そうやって
いつから独りで
うたを作ってきたのだろう
自分の存在すら
輪郭がもう分からないのに

触れて
見て
聴いて
わたしの形を作って

ずっと言えないまま
ただ、うたにしてきた願い
君にはいつか、言えるのだろうか

薄暗闇の中で
ほんの少しの光を見た
その光が
相変わらず「誰かの手」である指先を照らす

君に願いを伝えられたら
「誰かの手」は
「わたしの手」になるのかもしれない

属するべき場所に在ること
それを認識できること
そんな当たり前がいつか
わたしにとっても当たり前になったとき

世界の色がどう変わるのかを見たい
街を見渡す丘で
君と二人で 見てみたい

——命。
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