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―6話②の半ば―
「……一体どこで妹と知り合いに?」
「話すと少々長くなってしまうのですが……城ヶ崎さんから、僕の部に所属する彼女の友人をサポートしたいとの申し出を受けまして。それから彼女にも部に所属してもらっているんです」
「君の部、は……確か先ほど大分派手なパレードをしていた……」
「ええ、去年より新設された『ホスト部』です」
「……ホスト部とはどういった部活動なんだ?」
「基本的には、ご想像通りの接客業と大差ないと思って頂いて結構です。接客という仕事を通して多くの人と関わることで、これから将来的に必須となる社交性を身に着けることを目的としています」
「……待て、まさか妹にも接客をさせているのか!?」
「とんでもない、彼女には事務作業の方を手伝ってもらっています。そういった仕事は主に僕が担当をしているのですが、手が回らない時に彼女の力をお借りしているんです。部の運営が円滑になれば、間接的に彼女の友人をサポートすることにも繋がりますので」
「……まあ、であれば分からなくも無いが……事務?」
「ええ。僕たちは接客する際その時々にテーマを決め、それに合わせ様々な衣装を着たり内装を変えたりしています。各国の行事や遊び等の文化について研究し、テーマとして取り入れることでより理解を深めることも兼ねておりまして」
「……ふむ。つまりその研究の手伝いをしている、ということか」
「その通りです。社交的教養を身に着けるという点でも、決してマイナスにはならないかと」
「なるほど、君たちの活動の主旨は理解した……が、それを踏まえてもう一点、聞いて良いだろうか」
「はい、何なりと」
「……この通り、俺は妹の学校での生活をほとんど把握していない。その、今言った、妹の友人というのは……」
「1-Aの企画はご覧になったでしょうか。あちらで助手として動いていた『藤岡ハルヒ』という者なのですが……」
「……!なるほど”彼女”か、そうか」
「ええ。……実はここだけの話、彼女には事情があって男として部に所属してもらっているのです。ですので、どうかその点だけはご内密にして頂けると」
「それはまた……何故、とは聞かないでおこうか。企画を覗いた際に少し話をしたが、彼女は信頼できる人物と見た。ならば俺が余計な詮索をするまでもないだろう」
「寛容なご対応、感謝いたします」
「……代わりと言ってはなんだが、君も信頼できる人物と見込んで、頼まれてほしいことが1つある」
「僕に出来ることであれば、謹んでお受けいたしましょう」
「……その、先ほども言ったが、俺は妹の学校での生活を知らない。俺も忙しい身で、あまり話を聞いてやれないんだ」
「……」
「―――だが、俺の知らぬ間に妹が妙な輩に絡まれたり、変な男に引っかかっていないか、心配で心配で仕方ないんだ……!」
「……妹さんを社交の場に出さないのも、そういった心配から?」
「ああ。妹はあの見た目だ、本当に幼いころから愛らしく俺を含め誰からも可愛がられていてな。それは良いんだ、妹が可愛いのは揺るぎない事実だ。が……」
「ああ、なるほど。その美貌に寄ってくる不届き者を警戒したわけですね?」
「まさに!俺は、俺の認めた男としか交際を認めるつもりなどない。だから妹に会う前に、俺がきちんとそういう男を見定めなければならないんだ」
「ちなみに、その意図を妹さんに伝えたことは?」
「言えるわけがないだろう!俺はあくまで妹の前では”かっこいい兄”でいなければならないし、これで妹に嫌われてしまったら……っ」
「……色々と気になる点はあるのですが、こちらも深く追求はしません。それで、僕は何をすれば良いのでしょうか?」
「君のわかる範囲で構わない、手隙の時だけで良い。妹の学校での生活について、俺に報告をもらえないだろうか……?」
「……そう来るだろうとは。僕は部を取りまとめる立場でもありますので、定期的にご連絡は取る方が良いだろうと思っていた所です。こちらとしても非常に有難いお申し出です」
「……!済まない、君は話が早くて俺も助かる」
「大切な妹さんをお預かりしているんですから、このくらいはお安い御用です」
「流石鳳家の……と言うのは止めておこうか。文化祭での一連の流れも、君の純粋な実力あってこそなのだろう。君のような男であれば、妹も安心して預けられるのだが……」
「勿体ないお言葉です。が、僕の立場をもって、彼女を全力でお守りすると誓いましょう。それでご安心いただければ良いのですが」
「いや、十分だ。どうか妹をよろしく頼む」
「̪確と承りました。……ああ、そうだ。よろしければ父にも会って行きませんか?まだこの近くにいるはずですので」
「む、そうか。妹が世話になっているわけだ、是非ともご挨拶していかなければいけないな。――――新、近くにまだ鏡夜くんのお父様がいらっしゃるそうだ」
「(……想像通りだったな。しかしこの兄は何故自分で首を絞めているんだ、実は環レベルの馬鹿なのか……?俺が手を出す問題でも無いとは思うが、あまりに問題になるようなら少々考えなければならないな)」
「……一体どこで妹と知り合いに?」
「話すと少々長くなってしまうのですが……城ヶ崎さんから、僕の部に所属する彼女の友人をサポートしたいとの申し出を受けまして。それから彼女にも部に所属してもらっているんです」
「君の部、は……確か先ほど大分派手なパレードをしていた……」
「ええ、去年より新設された『ホスト部』です」
「……ホスト部とはどういった部活動なんだ?」
「基本的には、ご想像通りの接客業と大差ないと思って頂いて結構です。接客という仕事を通して多くの人と関わることで、これから将来的に必須となる社交性を身に着けることを目的としています」
「……待て、まさか妹にも接客をさせているのか!?」
「とんでもない、彼女には事務作業の方を手伝ってもらっています。そういった仕事は主に僕が担当をしているのですが、手が回らない時に彼女の力をお借りしているんです。部の運営が円滑になれば、間接的に彼女の友人をサポートすることにも繋がりますので」
「……まあ、であれば分からなくも無いが……事務?」
「ええ。僕たちは接客する際その時々にテーマを決め、それに合わせ様々な衣装を着たり内装を変えたりしています。各国の行事や遊び等の文化について研究し、テーマとして取り入れることでより理解を深めることも兼ねておりまして」
「……ふむ。つまりその研究の手伝いをしている、ということか」
「その通りです。社交的教養を身に着けるという点でも、決してマイナスにはならないかと」
「なるほど、君たちの活動の主旨は理解した……が、それを踏まえてもう一点、聞いて良いだろうか」
「はい、何なりと」
「……この通り、俺は妹の学校での生活をほとんど把握していない。その、今言った、妹の友人というのは……」
「1-Aの企画はご覧になったでしょうか。あちらで助手として動いていた『藤岡ハルヒ』という者なのですが……」
「……!なるほど”彼女”か、そうか」
「ええ。……実はここだけの話、彼女には事情があって男として部に所属してもらっているのです。ですので、どうかその点だけはご内密にして頂けると」
「それはまた……何故、とは聞かないでおこうか。企画を覗いた際に少し話をしたが、彼女は信頼できる人物と見た。ならば俺が余計な詮索をするまでもないだろう」
「寛容なご対応、感謝いたします」
「……代わりと言ってはなんだが、君も信頼できる人物と見込んで、頼まれてほしいことが1つある」
「僕に出来ることであれば、謹んでお受けいたしましょう」
「……その、先ほども言ったが、俺は妹の学校での生活を知らない。俺も忙しい身で、あまり話を聞いてやれないんだ」
「……」
「―――だが、俺の知らぬ間に妹が妙な輩に絡まれたり、変な男に引っかかっていないか、心配で心配で仕方ないんだ……!」
「……妹さんを社交の場に出さないのも、そういった心配から?」
「ああ。妹はあの見た目だ、本当に幼いころから愛らしく俺を含め誰からも可愛がられていてな。それは良いんだ、妹が可愛いのは揺るぎない事実だ。が……」
「ああ、なるほど。その美貌に寄ってくる不届き者を警戒したわけですね?」
「まさに!俺は、俺の認めた男としか交際を認めるつもりなどない。だから妹に会う前に、俺がきちんとそういう男を見定めなければならないんだ」
「ちなみに、その意図を妹さんに伝えたことは?」
「言えるわけがないだろう!俺はあくまで妹の前では”かっこいい兄”でいなければならないし、これで妹に嫌われてしまったら……っ」
「……色々と気になる点はあるのですが、こちらも深く追求はしません。それで、僕は何をすれば良いのでしょうか?」
「君のわかる範囲で構わない、手隙の時だけで良い。妹の学校での生活について、俺に報告をもらえないだろうか……?」
「……そう来るだろうとは。僕は部を取りまとめる立場でもありますので、定期的にご連絡は取る方が良いだろうと思っていた所です。こちらとしても非常に有難いお申し出です」
「……!済まない、君は話が早くて俺も助かる」
「大切な妹さんをお預かりしているんですから、このくらいはお安い御用です」
「流石鳳家の……と言うのは止めておこうか。文化祭での一連の流れも、君の純粋な実力あってこそなのだろう。君のような男であれば、妹も安心して預けられるのだが……」
「勿体ないお言葉です。が、僕の立場をもって、彼女を全力でお守りすると誓いましょう。それでご安心いただければ良いのですが」
「いや、十分だ。どうか妹をよろしく頼む」
「̪確と承りました。……ああ、そうだ。よろしければ父にも会って行きませんか?まだこの近くにいるはずですので」
「む、そうか。妹が世話になっているわけだ、是非ともご挨拶していかなければいけないな。――――新、近くにまだ鏡夜くんのお父様がいらっしゃるそうだ」
「(……想像通りだったな。しかしこの兄は何故自分で首を絞めているんだ、実は環レベルの馬鹿なのか……?俺が手を出す問題でも無いとは思うが、あまりに問題になるようなら少々考えなければならないな)」
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