幼馴染以上友達未満→?
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「…で?なんで今日遅刻してきたの?
お前無遅刻無欠席だったのにさぁ…」
今はお昼休み
目の前には金髪の幼なじみ
私と彼は机を挟んで向かい合ってる
なんだか尋問されてるみたいで居心地が悪い…
「…降りる駅…一つ間違えちゃって…そこから歩いてきたの」
「はいウソ」
「…………………」
な、なんでバレたし
「なんでバレないと思ったし。
…お前ね、顔に出すぎなの。
嘘つく時目泳ぎすぎ。
音なんか聞かなくても分かりやすいんだよ。お前は。」
「………………」
なんと…じゃあ幼なじみである善逸に隠し事なんか出来ないんじゃ…
「むぅ…ならもう言っちゃうけど…私、毎朝電車で痴漢にあってたの。で、今日は助けて貰って、一駅前で降りちゃったから遅刻覚悟で歩いてきたの。
だからその点は嘘じゃないよ」
「…は?…ちかん…??…は、はああぁぁーー!!?
お前っ…ち…むぐっ」
「大きい声で言わないで!!バカ!!」
教室中に聞こえるんじゃないかって位の音量で叫び出しそうな幼なじみの口を引っぱたく勢いで塞いだ。
もう!デリカシーゼロ!!
そんなだからモテないのよ!!バカ!!
「…てか、気付いてたんじゃないの?」
「…ぷはぁ!!…そんな細かいところまで分かるわけないだろ!!
ここ最近落ち込んでるな、とか…何か悩んでるな…とかそんくらいしか分からんわ!!
…そんな、そんな事態になってたなら…言ってよ!!俺、お前が困ってる時に何も出来ないなんて…嫌だよ…!!」
「善逸くん…ごめんね…心配してくれてありがとうね」
「…明日から…俺もお前と一緒に登校する」
「え、だって善逸くん風紀委員の仕事は」
「朝教室に鞄置きに行かなければ間に合う。
バインダーとチェック表も下駄箱に置いておく。
…風紀委員の仕事よりも…お前の身の安全のが心配なんだよ」
真剣な眼差しで私を見つめる善逸くんに思わずドキリとする
「…普段からそうやって真面目な表情してればモテるのにね…善逸くんは」
「えっ?本当に!?」
そしてこの顔である
途端にデレデレと締りの無い顔つきになる
さっきまでの凛々しさは何処に…
「って、ちっがーう!!
またそんなことがあったらどうすんの!!
兎に角俺も行くからな!!」
うーん…
「でも、多分もう大丈夫だよ?」
「え、なんで!?」
「だって、犯人逃げちゃったし…もう私に近付かないと思うし…
た、助けてくれたから…」
「それだよ!ソレ!!」
…どれ??
「絶対下心丸出しだよ!ソイツ!!
無償で助ける訳ないじゃん!
目の前で女子高生が困ってるんだよ?助けたらお近付きになれる!!とか思ってたに決まってんじゃん!!あーヤダヤダ!!どうせ中年のオッサンだったんだろろ!!?」
善逸の発言にカチンときて思わず言い返す
「むっ…若い男の子だったもん。背が高くて黒髪の優しい人だったもん」
「げ、じゃあ思春期真っ盛りの高校男子かよ!お前見た目で判断するなよな!
そういう奴に限って腹の中では何考えてんのか分からないんだからな!?」
「…いい加減にして!!
私にとっては助けて貰った恩人なんだから!!善逸くんの目線で全部の男の人を決めつけないで!!」
あの時、助けて貰って私がどんなに安心したか…善逸くんには分からないから仕方ないけど…
そんな風に言うことないじゃない!
「…放課後…善逸くんが風紀の委員会終わるまで待ってて、何か甘いものでも食べて一緒に帰ろうと思ってたけど…私、先に帰る!
明日も1人で行くから!!」
私が言い終わると丁度よく昼休み終了のチャイムが鳴り移動教室のため皆ゾロゾロと教室を後にする。
私も手早くお弁当を片付け、教科書と筆記用具を持ち、何か言いたげな善逸くんを置いて廊下に出た。
「…しょうがないだろ…お前の事は…全部知りたいし守りたいんだよ…
好きなんだから…」
教室に一人残された彼がそんな事を呟いていたとは知るよしもなかった。