雷一門の兄弟子に成ったんだが
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「兄ちゃん!」
「…兄ちゃんて呼ぶな」
善逸と対面して…はや一週間…
何故か兄ちゃん呼びされてます。
懐いてくれるのは嬉しい…
「じゃあ、兄貴?…でも兄貴って呼び方は合わないよね…やっぱり兄ちゃんだよ」
「…呼び捨てでいいだろ?」
嬉しいんだけど、こっちの身が持ちません。
弟に欲しいと思ってた子から兄ちゃん呼びして貰えるんだよ…?
嬉しすぎて終始ニマニマが止まらなくなる。
今だって頑張って表情筋殺してるんだからね!
「…俺さ…だんだん分かってきたんだよね…
兄ちゃん…今喜んでるでしょ?
だって嬉しいって音がするもん
…嬉しいなら…ちゃんと笑ってよ…
そんな怒ってるみたいな顔…やだ…」
しょぼんと俯いた善逸の両頬を掴んでその顔を覗き込む
「…ごめんな…善逸…
でも、ニヤニヤしてる兄弟子なんて気持ち悪いだろ?
だったら少しでも威厳のある表情の方が「気持ち悪くなんかない!俺の耳が良いからよかったようなものの、ずっと無表情な兄ちゃんなんておっかなくて絶対距離空いてたぞ!怖い顔してる自覚ある!?
威圧感有りまくりなんだからな!!兎に角俺は我慢される方が嫌だ!」…お、オゥ…」
口を挟む暇を与えない凄まじいマシンガントーク…
…ていうか、この子の聴覚マジパない。
今、ちょっと…聞かないで頂きたい。
頬に添えていた手をズラして何も聴こえないようにその耳を塞ぐ。
「わっ…え、兄ちゃん…?
…あ、これ…凄い…兄ちゃんの音が良く聞こえる」
アッ…墓穴掘ったわ。
両耳を両手で塞いだらゴオォーって音がするじゃん?
アレ手の筋肉が動いたり、血管を血が流れる音なんだって。
心臓の鼓動や血流音で人の感情が分かっちゃうこの子にはしちゃいけない事だった。
慌てて手を離そうとするも、善逸の両手に抑えられてしまった。
「あのね…偶にでいいからさ…時々こうして欲しいな…。
…兄ちゃんの音を聴くと安心するんだ…。」
こんな事くらいで、この子が安心できるのなら…いくらでもしてやりたい。
でも…
「兄ちゃん?」
今度こそ善逸の耳から手を離し、添えられていたその手を自分の耳に当てる。
ゴオォー…と云う音が聴こえるけれど、やっぱりこの子が何を思っているかは、分からない。
「…俺には分からないのに…お前だけ分かるのは狡いな…。」
今、自分でもムッとしているのは分かる。
多分眉間にシワも寄っている。
善逸の言うところの怖い顔になっている事だろう。
なのにこの子はニコニコと笑っている
「…ふひひ…兄ちゃんが…照れてる」
「……………」
こんの…ニマニマしよってからに…くっそかわいいんだよちくしょう
「コラー!!2人してサボりおって!!
真面目に修行せんか!!!」
「師範、善逸が物凄くヤル気になっていて…修行時間を伸ばしてほしいそうですよ」
「え"っ!!?」
「おぉ!!やっとその気になったか!善逸!!」
「ちょっ…まって…俺そんなこと一言も…」
「そうと決まれば今日はみっちり、付きっ切りで見てやろう!
行くぞ善逸!!」
「うわああああーーーん!!!!
兄ちゃんのバカああーーー!!!!」
弟弟子の絶叫をBGMに俺も素振りを開始する。
やっぱり表情は封印だな。
ふとした時に出る笑みは仕方ないにしても、常にヘラヘラしてるとか…ロクな奴じゃないだろ。
某神官や兎団長じゃあるまいし。
…ボロボロになって帰ってくるであろう善逸の為に後で桃でも剥いといてやるか。
疲れた時は甘い物って言うしな。