雷一門の兄弟子に成ったんだが
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は善逸の療養の為修行はお休み。
師範は遠出するとかで留守にするらしい。
なんでも昔馴染みに会いに行くのだとか。
鱗滝さんかな…?
「ふわぁ〜…こんな風にゆっくり休めるなんて…俺、ずっと怪我したままがいいなぁ〜…
飲み薬は苦いし…塗り薬なんて酷い臭いなんだぜ…」
善逸はゴロゴロと日向ぼっこをしながら俺の横でだらけながら悪態をつく。
「…縁起でもないこと言うなよな…。
お医者さんも言ってただろ、奇跡的に痕も残らなそうだって…有難いことなんだぞ?
薬だって師範がデカい町の高い薬を態々取り寄せてくれたんじゃないか。良薬口に苦しって言うだろ?」
この子の火傷は顔が特に酷かった。
痕が残るなんて可哀想な事にならずに俺も師範も心底ほっとしたもんだ。
「そんな大袈裟な…女の子じゃあるまいし…それにどんなにいい薬でも味は大事だと思うのよ!!」
「……火傷の痕は醜いって聞くからな…女の子は怖がって寄ってこないだろうな…」
「怪我なんて残らない方がいいよね!!
早く良くなるように薬も我慢して飲むよ!!」
…面白いくらいのテノヒラクルーを見た
「…ぶっ…!!ふ、ふふっ…」
「…兄ちゃん…笑いすぎ」
「だ、だって…ふはっ…くくく…!」
ムスッとしてしまった善逸の前に桃を乾燥させたもの…所謂ドライフルーツを置く。
「悪い悪い…ほら善逸。薬飲んだ後はコレお食べ。干し桃だ」
干し柿ならぬ干し桃
普通ならオーブンとか電子レンジを使って作るんだが、この時代にそれ等はまだ無い…だが干し柿があるくらいだから干し桃もできるだろうと思い…
桃を適当に薄く切り分けて布巾で水分をよく拭き取り、天日干しにしたのだ。
上手くいってよかった。
「うわ…美味っ…兄ちゃんは色んな事知ってるよね…誰かに教えてもらったの?」
…教えてもらった、というか…前世の記憶?
どう説明するか迷っていると、善逸は眉を下げて申し訳なさそうに聞いてきた。
「…言い辛い事だった…?ごめん…
あ、じゃあさ…兄ちゃんはここに来るまでどこで暮らしてたの?」
「いや、大丈夫だ。ここに来る前はお寺…悲鳴嶼行冥さんて方の所に住まわせて貰ってたんだ。
そこで思いついたんだよ。
干し柿が作れるなら他の果物でも作れないかな…ってな。」
子供たちには好評だったな。
乾燥させてあれば腐りにくいし日持ちもするから持ち歩いたりもできるし…
あ、選別の時にも使えそうだな。コレ。
「えっ…兄ちゃんが思いついたの!?…すげー…」
「俺は元からあった作り方を応用しただけだ。
…でも、ある日な…野良猫がお金が入った壺で遊んでて、そこら中にお金が散らばっちゃっててさ…
それを片付けてたら他の子供たちに見られてお金を盗ろうとしてる!って勘違いされてな…追い出されちゃったんだよ…」
「えぇ!?何それ酷い!!
兄ちゃんがそんな事する訳無いじゃん!!」
…この子は俺の事信用しすぎでは?
いや、盗みとかしないけどさ…。
「はは…で、山を降りようとしたら鬼に見つかっちゃって…俺を追いかけてきてくれた悲鳴嶼さんと一緒に鬼退治したんだ」
本当、あの時は冗談抜きで死ぬかと思ったわ…。
「うわぁ…まさに踏んだり蹴ったり…」
「で、まぁ、その…俺はやっぱり寺に居ずらくてさ…
悲鳴嶼さんにお別れを言って町に下りたんだ。
その後は暫く仕事を見つけながらその日暮らしをしてたんだけど…鬼に襲われてる鬼殺隊員を見かけちゃってさ…見過ごせないから助けに入っちゃって…
で、その時師範が助けてくれたんだ。」
「おぉ!!じいちゃんが!!それでそれで!?」
「その後柱の中の一人…花柱である胡蝶カナエさんも駆けつけてくれて、日が昇るって時に鬼は退いて行ったよ」
まぁ、元柱と現柱相手じゃ分が悪いと思ったんだろう。
あっさり引いてくれたよな。
「で、俺は師範に弟子入りしたって訳」
「はぇ〜…なんか、こうして聞くと物語みたいな展開だね…。
兄ちゃんは壮絶な子供時代を送ってたんだね…
それなのにこんな真っ直ぐで優しい兄ちゃんに育つなんて…
兄ちゃんは聖人君子かなんかなの??」
まぁ、それは
俺が令和の時代で生きてた記憶が有るからだろうな。
「…俺は、お前と師範が幸せなら…それだけで嬉しいんだ。
今更だけどさ…俺の弟でいてくれて、ありがとうな。善逸。」
「うぇ…な、なんだよぉ急に…ウィヒヒ…」
うんうん。善逸は今日も可愛いな。
「…俺も…兄ちゃんが兄弟子で嬉しい、よ」
…間違えた。
善逸は今日もくっっっそかわいい